ライスプロテインは玄米由来なら繊維も補える?精製した粉の成分と食感を読む

ライスプロテインを玄米由来という名前だけで選んでいないだろうか。原料の名前と完成した粉の食物繊維量を分け、米たんぱく質の加工研究から、とろみ、溶けやすさ、消化の数字が意味するものを読む。筋トレ用の補給と食物繊維の補給を混同せず、製品表示を確かめる順序を考える。

玄米由来の粉をシェーカーに入れたら、底にざらつきが残った。これは食物繊維なのか。たんぱく質に加えて食物繊維も摂れるなら便利だ、と考えるところまでは自然だ。ただ、その期待を確かめる場所は袋の表の稲穂の絵ではなく、完成した製品の成分表示である。

玄米由来という出発点だけで、粉に残る食物繊維の量まで決めることはできない。玄米のたんぱく質を酵素で分解し、さらに小さな成分へ分けて評価する食品研究もある。原料名が同じでも、何を取り出し、どのように加工したものを使うかで、見るべき成分は変わる。[19]

「女性のライスプロテインは単独で使える?乳由来との筋トレ試験を読む選び方」には、運動とたんぱく質補給の比較という問いを譲る。ここでは、玄米を食べることと米由来の粉を使うことをつなげすぎず、食物繊維、とろみ、加工の数字をどう読み分けるかに絞る。

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玄米由来は原料の説明、食物繊維量は製品の説明

買う前に考えたいのは、その粉で何を補いたいかだ。たんぱく質の補給が目的ならたんぱく質の表示を、食物繊維も期待するなら食物繊維の表示を、それぞれ確認する。原料の印象で片方をもう片方の代わりにしない。この読み方なら、玄米という言葉への好感を捨てずに、買おうとしている中身を確かめられる。

玄米たんぱく質を扱った食品実験では、ブロメラインという酵素で分解したものから、小さなペプチドを分けて調べている。ペプチドとは、たんぱく質を構成するアミノ酸がつながった小さな断片である。この研究の対象は、茶碗の玄米でも、玄米の成分をすべて保った食品でもなく、加工して分けたたんぱく質由来の成分だ。[19]

この違いは「玄米由来だから食物繊維が多い」という判断をいったん止める理由になる。原料から何を取り出したのかという説明と、手元の粉に何がどれだけ含まれるのかという説明は、別々に必要だ。玄米たんぱく質の分解物を調べた研究を、玄米そのものの食物繊維量の証明として読むことはできない。[19]

ここで、分離した粉には食物繊維が絶対にない、と逆方向へ飛ぶ必要もない。確認したいのは個々の製品である。「玄米由来」「植物性」「分離たんぱく」といった名称を並べても、目の前の製品の食物繊維量の代わりにはならない。原料名で探し始め、成分表示で判断を終える。その順序にしておくと話が短くなる。

表示を比べるときは、何を基準にした量かもそろえたい。袋全体なのか、粉の一定量なのか、推奨される使用量なのかを読んでから、たんぱく質と食物繊維の欄を見る。大きく印刷された数字だけを拾わず、その数字の分母まで読む作業だ。これは特定の摂取量を勧める話ではなく、違う条件の表示を同列に置かないための手順である。

たとえば、たんぱく質の数字は期待どおりでも、食物繊維について判断する手掛かりが見つからない製品を選ぶ場面がある。その場合は「食物繊維も補えた」と食事の記録に先回りして書かない。分かっている成分を補ったものとして扱い、別の目的まで達成したことにはしない。この区別は、買った製品を否定することとは違う。

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とろみやざらつきは、食物繊維の量を測る物差しにならない

シェーカーを振って、さらさらなら精製されすぎ、重たければ繊維が多そう、と感じるかもしれない。しかし、食品の粘りや水とのなじみ方は、配合や処理の条件で変わる。植物たんぱく質と食物繊維を別々に調べた豆乳ヨーグルトの実験は、その違いを考える手掛かりになる。[2]

この研究では、大豆、えんどう豆、米、アーモンドのたんぱく質と、アカシア、大豆、かんきつ由来の食物繊維を評価している。かんきつ繊維では物理的な処理後に保存中の水分分離が起こらず、粘度が増した。一方、アカシア繊維は溶けても発酵した凝固物の物性を変えず、大豆繊維では処理後に沈殿が起きた。食物繊維の種類によって、粘りへの影響は異なった。[2]

つまり、粘りの有無だけから食物繊維の有無を逆算することはできない。この試験の結論は、かき混ぜるタイプの豆乳ヨーグルトに適した原料の選択であり、米プロテインを飲んだ人の便通や満腹感の試験ではない。食品を作る際の働きと、食べた人に起こる変化を分けて読む必要がある。[2]

また、米たんぱく質そのものも加工で性質を変える。米の分離たんぱく質ともち米たんぱく質を酵素で分解した実験では、密な構造が崩れ、ゆるい小粒子が形成された。水への溶けやすさも、酵素の種類や処理時間で変わった。混ぜたときの見え方には、食物繊維以外に、たんぱく質側の構造も関わる。[15]

だから、飲み終えた容器の底を見て、残った粒をすべて玄米の繊維だと数えるのは早い。沈殿や口当たりを、成分表示の代用品にしないことだ。食感は飲み続けられるかを選ぶ材料として使い、食物繊維量は成分として確かめる。シェーカーは便利だが、振るだけで分析機器にはならない。

精製した米たんぱく質は、その後の加工でも姿が変わる

「精製」という言葉には、成分を取り去って終わり、という印象がある。しかし食品研究では、分離した米たんぱく質を他の原料と組み合わせたり、酵素で分解したりして、使いやすさを変えている。原料の出自だけでなく、完成品までの途中にある加工を考えると、粉の違いを読みやすくなる。[10][15]

植物たんぱく質の組み合わせを調べた食品実験では、ルピナス、えんどう豆、大豆の分離たんぱく質と、じゃがいも、米の分離たんぱく質を異なる割合で混ぜている。調べた項目はアミノ酸組成、泡立ち、乳化、ゲル形成などだ。乳化とは水と油を混ぜた状態を作る働き、ゲル形成とは固まりを作る性質を指す。[10]

この実験では、米の分離たんぱく質を混ぜるとアミノ酸スコアは改善したが、低い溶解性により食品加工上の機能は低下した。報告された米たんぱく質の溶解性は1.4%である。栄養面の評価と、泡立つか、混ざるかという調理上の評価が、異なる方向に動いた。[10]

別の植物たんぱく質の比較実験では、穏やかな超音波処理への反応も原料で異なった。米の分離たんぱく質の溶解性は、指定された処理条件で対照の5%から6%になった。一方、そら豆たんぱく質では、未処理の40%から92%への増加が報告されている。そら豆で得られた大きな変化を、米にもそのまま当てはめることはできない。[18]

ここでの1.4%と5%を、同じ製品の優劣を表す数字のように並べるのも適切ではない。別の実験で扱った原料や条件の数値だからだ。溶けやすさの数字を引用するときには、何をどんな条件で測った値かを一緒に置く。製品選びでも、「米だから溶けない」と名前だけで決めるより、手元の製品の説明と使い方を確かめたい。[10][18]

酵素で分解する研究では、もち米たんぱく質をペプシンで60分処理した条件で、溶解性が46.86%に達した。米の分離たんぱく質では、同じ酵素で120分処理した条件の値が35.16%だった。ここでは原料も処理時間も異なるため、「もち米なら必ず溶ける」と一般化せず、それぞれの条件に付いた結果として読む。[15]

分解によって小粒子ができ、水に溶けやすくなったという知見は、加工の影響を理解する材料になる。ただし、この百分率を粉に含まれるたんぱく質の割合と取り違えてはいけない。まして食物繊維の割合でもない。同じ%の記号でも、何を分母とし、何の性質を測った数字かが違う。表示や研究を読むときには、数字の隣にある項目名までセットで写したい。[15]

食品に使うときの役割を具体的に考えるなら、泡を作りたいのか、油と水を混ぜたいのか、固めたいのかでも評価は変わる。配合実験で米たんぱく質のアミノ酸スコアが上がったことは、これらの用途すべてに向くことを意味しなかった。目的を決めてから適性を評価する順序は、家庭で粉を選ぶときにも参考になる。[10]

数字で読む米たんぱく質の加工と比較

1.4%:植物たんぱく質の配合実験で報告された、米の分離たんぱく質の溶解性。[10]

5%から6%:米の分離たんぱく質に超音波処理を行った比較実験での溶解性の変化。[18]

35.16%:米の分離たんぱく質をペプシンで120分処理した条件での溶解性。[15]

10人:えんどう豆と米の混合たんぱく質などを飲み比べた、健康な若い成人の試験の参加者数。[4]

240分:その試験で、摂取後の採血や食欲の評価を行った時間。長期の体づくりの成績ではない。[4]

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宮川涼 Founder

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