マンゴー味のプロテインは温度で香りが違う?冷たさと甘さを比べる前に読む

マンゴー味のプロテインを冷やしたら香りや甘さが違う。その感想を確かめるには、飲む温度と製造時の加熱、保存中の変化を分ける必要がある。乳たんぱく飲料や植物性飲料の実験から、香りと口当たりに関わる条件を読み、マスカット味とも比べる際の条件のそろえ方を考える。

冷蔵庫から出したマンゴー味は飲みやすかった。ところが、別の日に作った同じ味は妙に重い。夕食の片付けを終えた台所で、シェーカーを前に「もっと冷やせばよかったのか」と考える。味の名前は同じなのに、感想がそろわないことがある。

冷たさだけを理由に決めるのは早い。乳たんぱく飲料の実験では、たんぱく質の濃度や種類によって、香り、渋み、口当たりの評価が変わった。温度を扱う実験にも、製造時の加熱と保存中の温度という異なる場面がある。マンゴー味なら何度で最も甘い、と決められる結果ではない。[17][16][20]

ここで扱うのは飲料を対象にした食品実験であり、18〜39歳の女性の好みや甘さの感じ方にそのまま当てはめることはできない。ここで考えるのは商品の順位ではなく、同じフルーツ味をどう比べるかである。既存記事「ミルクティー味のプロテインは茶葉で違う?香りの放出と乳成分の組み合わせを読む」に茶葉と乳成分の問いを譲り、今回は冷やしたつもりでも条件がそろわない理由をたどる。色と香りの一致は隣の記事の担当であり、こちらでは温度の場面を分けて読む。

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「温度で変わる」の温度は、いつのものか

店頭で飲料を選ぶときに気になるのは、冷蔵庫から取り出して口に入れるときの温度だろう。しかし食品の研究で「温度の影響」と書かれている場合、まず飲む瞬間と製造・保存の温度を分けたい。エンドウたんぱく飲料の研究が扱ったのは、超高温処理と、その後の冷蔵保存による香りの変化である。[1]

この実験では、香りの成分を機器で分け、人の嗅覚も使って調べ、香りに関わる成分を21種類特定した。超高温処理によって官能評価、つまり人が感覚で評価した香りの特徴は有意に変わった。一方、その後の保存に伴う追加の香りの変化は報告されなかった。この飲料では、加熱による変化の後に、保存による追加の変化は見られなかった。[1]

香りの成分を組み合わせ直す実験も行われ、特定した成分が実際の香りに関わることが確かめられた。研究では、加熱時に起こる脂質の酸化とメイラード反応が、観察された香りの変化に関わる経路として示された。メイラード反応はここでは加熱中の香りの変化を説明する反応として捉えればよい。マンゴーの香料を冷水で溶かす場面を調べた実験ではない。[1]

したがって、工場で熱を受けた飲料の香りが変わったという結果から、家庭で冷やすほど果実の香りが弱くなるとは導けない。製造工程で生じた変化を見ているのか、出来上がった飲料の温度を変えているのかを確認する必要がある。シェーカーは小さな工場ではない。工場の加熱結果を、そのまま台所の飲み方に置き換えないことが出発点だ。[1]

乳たんぱく飲料を対象にした別の実験でも、加熱処理、配合、冷蔵保存を組み合わせて調べている。たんぱく質約7.5%の飲料で、リン酸二カリウムという配合成分の有無や加熱法を変え、4°Cで15日間保存した。配合成分を加えると見かけの粘度は高くなり、加熱処理を強めると低くなるという結果だった。[16]

見かけの粘度とは、測定条件の下での流れにくさである。この研究では、人が評価した粘りにも保存中の変化と似た傾向が見られた。同じ冷蔵保存でも、成分を加えた飲料では粘度が増し、加えていない飲料では変化が小さかった。冷たいという共通点だけで、口当たりまで同じとは考えられない。[16]

日常で「冷たいほうがおいしい」と感じたら、その感想は残してよい。ただし研究とつなぐときには、どの温度を比べたかを添える。製造の熱、保存の冷たさ、飲むときの冷たさ。この区別を飛ばすと、別々の実験がすべて同じ問いへの答えに見えてしまう。

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果実の名前より、飲料の土台が違うことがある

「マンゴー」と「マスカット」の文字を見比べると、違いは香料だけのように思える。しかし、香りを載せるたんぱく質の組み合わせも確認したい。バニラ風味のそのまま飲める乳たんぱく飲料を使った実験では、乳清たんぱく質やカゼインを含む原料の配合と、たんぱく質濃度を変えて比較している。[17]

比較した乳原料の配合は5種類あり、それぞれで濃度を変えている。配合の違いと濃度の違いを分けて調べた点が、この実験の読みどころだ。[17]

濃度は6.3%と10.5%で、237mL当たりのたんぱく質量はそれぞれ15gと25gだった。高濃度の飲料では、渋みと感覚上の粘りが強く、バニラの香味は弱かった。これは濃い飲料なら味も一律に濃くなる、という単純な結果ではない。たんぱく質を増やしたとき、強まる感覚と弱まる香味が同時にあった。[17]

さらに、同じたんぱく質濃度でも、その中の乳清たんぱく質の割合が高い飲料では、硫黄や卵を思わせる香味、渋み、粘りが強く、甘い香りやバニラの香味は弱かった。液体の上の空間にある揮発性成分を調べた結果も、官能評価と整合していた。人が「香りが違う」と答えたことに、成分分析からも対応する結果があったのである。[17]

ただし、バニラの結果を「乳清が多いマンゴー味は必ずまずい」と翻訳してはいけない。対象は決まった配合と加工条件で作ったバニラ飲料であり、マンゴー味の商品評価ではない。使える読み方は、フレーバー以外の条件にも目を向けることだ。果実名だけをそろえても、たんぱく質原料と濃度が違えば、同じ土台の比較にはならない。[17]

「甘い香り」と「糖の量」も区別したい。この研究で弱くなったと評価されたのは、甘い香りやバニラの香味である。そこから、糖が減った、飲む人が感じる甘味の強さも同じ割合で下がった、と読み替えることはできない。香りの評価項目を、そのまま栄養成分表の数字に移すことは避ける。[17]

家庭での比較なら、「マンゴーの香り」「甘さ」「粘る感じ」を別々の言葉で記録してみるのはどうか。これは研究で効果が確立した訓練ではなく、感想を整理するための工夫だ。「好きではなかった」だけでは、次に変える条件が見えにくい。香りは好みだが濃さが気になる、と書ければ、果実の名前を替える前に確認することが生まれる。

乳たんぱく飲料の加熱と配合を調べた研究でも、乳原料の種類によって香味は同一ではなかった。乳たんぱく濃縮物を使った飲料では硫黄や卵を思わせる香味が検出され、ミセル状カゼイン濃縮物を使った飲料では検出されなかった。フルーツ味の裏側にある乳由来の土台を、単なる脇役として扱わない理由になる。[16]

冷たさと「さらさら」は同じ評価ではない

乳製品の温度と流れ方を調べた実験では、ヨーグルト、発酵乳飲料、発酵乳を5、10、15、20、25°Cで測定している。温度は見かけの粘度と流れ方に影響し、同じ化学成分からなる食品でも、配合によって熱の伝わりやすさが異なった。温度の数字だけでは液体の性質を表しきれない。[10]

また、ヨーグルトと発酵乳飲料は、力を加えて流す条件によって粘度が変わる性質を示したのに対し、発酵乳は異なる流れ方を示した。専門的な式を覚える必要はない。「乳製品」「冷たい飲料」という大きなくくりでも、流れ方は食品ごとに確認すればよい。[10]

乳製品の物性を測った結果は、マンゴー味の甘さの点数ではない。とろみが気になったという感想を考える手掛かりにはなるが、好き嫌いの順位や、香りが最もよく感じられる温度を決める実験ではない。流れにくさを測る装置の答えと、飲んだ人の好みは、問いが異なる。[10]

製造の場面では、たんぱく質4%の乳系飲料を25〜90°Cで加熱、保持、冷却し、粘度の変化を数式で表す研究もある。配合の異なる飲料で、温度と粘度の関係をよく表すモデルが検証された。これも、味を評価する試飲ではなく、加工中の飲料の振る舞いを予測するための実験である。[14]

このように、温度の話には香りの化学分析、人の官能評価、流れ方の測定が含まれる。自分の感想と照らすときは、研究が何を測ったかまで合わせたい。マンゴーらしさが薄いのか、甘すぎるのか、口に残る感じが気になるのか。困り事を分ければ、関連する結果と、距離のある結果も見分けやすくなる。

数字で読む香りと温度の実験

21種類:超高温処理したエンドウたんぱく飲料で特定された香り成分。果実味の種類の数ではない。[1]

6.3%と10.5%:バニラ風味の乳たんぱく飲料で比較したたんぱく質濃度。高い濃度では渋みと粘りが強かった。[17]

4°C・15日間:乳たんぱく飲料の配合と加熱の影響を調べた実験の保存条件。家庭での保存期限を示す数字ではない。[16]

5〜25°C:乳製品の流れ方と熱の伝わり方を測った温度範囲。甘さの推奨温度ではない。[10]

25〜90°C:乳系たんぱく飲料の加工中の粘度をモデル化した測定範囲。飲用を勧める範囲ではない。[14]

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