筋力低下は筋肉内の脂肪とも関係する?量と画像と出せる力を分けて読む筋質の話

筋肉量は変わらないのに力が出にくい時、筋肉内の脂肪はどう関係するのか。筋質の測り方、運動による画像の変化、脂肪浸潤が変わらなくても筋力が伸びた試験を比較する。高齢者と閉経後女性の研究から、筋肉量・画像・実際の力を別々に見る理由と、日常で成果を確かめる視点を読む。

立川駅の階段で、買い物袋を持つ脚が以前より頼りない。体重計の筋肉量は変わっていないのに、なぜだろう。筋肉の量だけでなく、その中にどれだけ脂肪が入り込んでいるかも、力や動きやすさに関係する研究対象である。ただし、脚が重いという感覚から筋肉内の脂肪を言い当てることはできない。[10][14]

問いへの答えは「関係するが、筋力低下のすべてを説明するわけではない」である。さらに、筋肉内の脂肪を示す画像が変わらなくても、運動で筋力が伸びた試験がある。筋肉量、筋肉の組成、実際に出せる力は、同じ通知表の別の欄として読む必要がある。[2][14]

既存記事「筋力低下と筋萎縮は同じこと?筋肉量を保っても出せる力が落ちる仕組みを読む」には、量と力がずれる仕組み全般を譲る。ここでは筋肉内の脂肪に焦点を絞り、画像で見える変化と運動の成果が、どこまで一緒に動くのかを考える。

ヨガとからだの記事のイメージ写真 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

筋肉の中の脂肪は、皮下脂肪と同じ話ではない

筋肉への脂肪浸潤は、筋肉内や筋肉の間への脂肪の蓄積を指し、ミオステアトーシスとも呼ばれる。研究では筋細胞内の脂質も含めて論じられる。お腹や太ももの外からつまめる脂肪だけを見て判断する話ではなく、骨格筋の組成に注目する話である。[10][14]

筋肉の「質」という言葉にも注意が要る。筋肉の大きさに対してどれだけ力を生み出せるか、という機能の捉え方がある一方、画像で筋肉の脂肪の入り方を調べ、組成の面から評価する研究もある。筋質とだけ書かれていても、力を測ったのか、画像を測ったのかを確かめなければ比較できない。[11][14]

加齢に伴う筋機能の変化を扱うレビューは、筋質に関わる要因として、脂肪浸潤のほかに、神経の支配が失われること、興奮を収縮につなげる働きの乱れ、線維化を挙げている。線維化とは線維性の組織が増える変化である。脂肪は注目すべき要素だが、筋肉の働きに関係する要素を代表してすべてを説明するものではない。[14]

日常の「筋肉がある」という表現は、その大きさと働きをひとまとめにしがちだ。服の上から見た脚の形、家庭の機器に表示される筋肉量、膝を伸ばす力を測る検査は、同じ問いに答えているわけではない。筋肉の組成と機能を併せて評価する必要性は、筋肉への脂肪浸潤を扱った専門家のレビューでも強調されている。[10]

ただし、脂肪という名前だけで体の中の悪者を決めるのも早い。運動のメタ分析は、筋組織に通常も少量の脂肪が含まれることを前提に、過剰な蓄積を問題としている。脂肪を含むこと自体と、過剰な脂肪浸潤に伴う機能の問題は区別すべきである。「筋肉から脂肪を全部なくす」という目標を立てる根拠にはならない。[11]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

画像の「筋質」と力の「筋質」を読み分ける

筋肉内の脂肪を調べる研究では、磁気を使うMRIや、エックス線を使うCTが用いられる。CTの筋減衰値は、筋肉の密度を表し、筋肉内の脂質を反映する指標として扱われる。値の変化を読む時には、画像に写った筋肉の大きさの変化とは別の指標だと理解したい。[9][18]

筋減衰値は聞き慣れないが、「筋肉が何本増えたか」を数える値ではない。運動前後に筋肉の体積が変わらず、画像の密度が変わることはありうる。実際に、高齢者の運動中断と再開を追った研究では、その組み合わせが観察された。大きさに変化がないことを理由に、組成にも変化がないと判断することはできない。[18]

一方、筋肉量で補正した筋力は、出せる力を筋肉の量との関係で評価したものだ。量が同じ程度でも力が違う、という問題を調べるのに向く。高齢者の身体活動の無作為化比較試験では、この指標とCTによる脂肪浸潤を併せて調べている。画像と力を別々に測ることで、量だけを見ていた時には分からない違いを捉えようとしたのである。[16]

注意したいのは、画像の結果をそのまま「あなたの筋肉は何点」とすることだ。筋肉への脂肪浸潤については、定義と評価方法の標準化が課題とされている。研究ごとに用いた指標や対象が違えば、単純に数値を横並びにすることは難しい。見慣れない専門用語が付いた表示でも、その数字だけで全身の機能が分かるわけではない。[9][10]

また、筋肉と力の関係を考える時は、将来の生活動作という別の出口もある。高齢者を対象とした縦断研究のレビューとメタ分析では、低い筋力はその後の機能低下と関連したが、少ない筋肉量との関連は統計的に明確ではなかった。だからといって筋肉量は不要という意味ではない。量と力を同じ指標のように交換して扱えない、という結果である。[17]

このレビューが扱ったのは、すでに起きた機能低下を説明する横断的な比較だけではなく、その後の変化を追う研究である。それでも、低い筋力が機能低下を起こしたと単独で断定することはできない。生活の中の動きに関わる指標として筋力を重視する理由と、原因を特定できるかどうかは、分けて読む必要がある。[17]

運動で筋肉内の脂肪は変わるのか

成人の運動介入を調べた系統的レビューとメタ分析では、無作為化比較試験が対象となった。採択された研究は13件、そのうち12件、計465人が統合され、参加者の84.7%は女性であった。観察上の関連だけでなく、運動を行う群と対照群を比べた研究をまとめている点が、この問いに役立つ。[11]

結果は、運動群で脂肪浸潤の量が少なくなり、筋減衰値が高くなる方向だった。脂肪浸潤の標準化効果量は−0.45、95%信頼区間は−0.74〜−0.16である。標準化効果量とは、異なる尺度の結果を共通の物差しに置き換えた値であり、脂肪が45%減ったという意味ではない。[11]

筋減衰値の効果量は0.67、95%信頼区間は0.22〜1.13だった。ただし、この結果には研究間のばらつきもある。筋減衰値についてのばらつきの指標は59.3%で、脂肪浸潤の量については0%だった。画像に関する結果をひとまとめに「誰でも同じだけ変わる」と受け取らず、何を指標にした効果なのかを残しておきたい。[11]

この分析では、研究ごとの平均年齢や介入期間による効果量の違いは統計的に明確ではなかった。これは「年齢は一切関係しない」「長く運動しても意味がない」という結論ではない。研究単位の特徴と効果の関係を調べた分析で、はっきりした違いを検出しなかったということである。個人が続ける期間を決める万能の式にはならない。[11]

より具体的な例が、男性11人、女性31人が完了した高齢者の無作為化比較試験だ。身体活動群22人と健康教育の対照群20人を12か月追うと、体重と太ももの筋肉断面積は両群で減少し、減り方の群間差はなかった。一方、筋肉量で補正した筋力は対照群で低下し、身体活動群ではその低下が防がれた。[16]

脂肪浸潤の増加は対照群で18.4%、身体活動群で2.3%だった。ここでの成果は、脂肪が大きく減ったことではなく、対照群で見られた増加をほぼ防いだことである。筋肉を増やすという目に見えやすい成果だけでなく、悪化を抑えるという変化も運動研究では扱われる。この試験の対象は、中程度の機能制限がある高齢者である。[16]

身体活動群で増加が小さかったという結果を、「筋肉内の脂肪が消えた」と紹介すると、研究が答えた問いが変わってしまう。この試験が比べたのは、同じ期間に運動を取り入れた場合と健康教育を受けた場合の経過だ。運動前より良くなったかという問いと、運動をしなかった群より保たれたかという問いは違う。維持という言葉の中にも、比較で確かめた成果が含まれる。[16]

また、筋肉量で補正した力が保たれたことは、筋肉の量が増えたという意味でもない。この試験では断面積の減少に群間差がなかったからこそ、量とは別の指標を測る意味が明瞭になった。家の体重計で表示が動かない日にも、研究の評価はそこで止まらない。何を成果として探すかによって、同じ経過の見え方が変わるのである。[16]

数字で読む筋肉内脂肪と運動

465人:成人の運動介入を統合したメタ分析の対象。女性が84.7%を占めた。[11]

−0.45:脂肪浸潤の標準化効果量。95%信頼区間は−0.74〜−0.16で、減少率ではない。[11]

18.4%と2.3%:高齢者の試験で、対照群と身体活動群に見られた脂肪浸潤の増加。[16]

約4%:閉経後女性の筋力トレーニング群で増えた筋肉体積。脂肪浸潤は変わらなかった。[2]

13人:運動中断と再開に伴う筋肉の密度と力を追った高齢者研究の対象人数。[18]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

💬 ご質問がある場合はこちらからどうぞ

オンザショアのチャットで質問する(24時間受付)

レッスン内容・料金・体験のご予約など、気になることをお気軽にお尋ねください。

1

2

Warning: Attempt to read property "show_author" on false in /home/c1531448/public_html/ontheshore.jp/wp-content/themes/heal_tcd077/single.php on line 165

関連記事

ご体験予約