ダイエットのにんじんはすりおろして置くと違う?保存とビタミンの変化を読む

ダイエットの食事に飽きて、にんじんをすりおろして作り置きしたい。保存するとビタミンはどうなるのか。すりおろした試料と加工飲料の研究を分け、ビタミンC、カロテノイド、フェノール酸の変化を読む。成分が増えることと体への効果の違い、冷蔵の時間や包装条件の違いも整理する。

夕飯のサラダがまた同じ顔をしている。にんじんをすりおろしておけば、明日は違う食べ方にできそうだ。ところが保存容器を出すと、「すった瞬間からビタミンがなくなるのでは」と気になる。おろし器を洗う前に、検索が始まってしまう。

保存すると、減る成分も増える成分もある。すりおろしたにんじんの食品実験では、4℃で24時間置くとフェノール酸の含量が倍になった。ただし、これはビタミンCが倍になったという結果ではなく、食べた人が痩せたという試験でもない。[8]

ビタミンを考えるときは、何の成分を、どんな食品で測ったのかを確かめたい。にんじんを含む加工飲料では、保存に伴って成分の含量が減る一方、消化中に利用可能になる割合は増えるという結果もある。「残っている量」と「体に届くまでの過程」は、同じ数字ではない。[6]

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すりおろしたあと、増える成分もある

にんじんの保存を直接考える手がかりになるのが、洗浄、表面の研磨、皮むき、すりおろしなどの処理を比べた食品実験だ。研究者は、それぞれのにんじんを冷蔵して、可溶性のフェノール酸を追跡した。フェノール酸は植物に含まれるフェノール性成分の一群で、この研究では主にカフェ酸の誘導体などを扱っている。ここで測った対象を、ビタミン全体と言い換えることはできない。[8]

すりおろした試料では、4℃で24時間保存したあと、フェノール酸の含量が保存開始時の倍になった。丸ごとの野菜と違って、すりおろした野菜は組織に傷がついている。この研究は、加工による傷への反応と、その後の保存によるフェノール酸の蓄積を扱ったものだ。台所では調理終了でも、植物の成分の変化まで終了するわけではない。[8]

ただし、「倍」という言葉だけを拾うと判断を誤る。保存開始時のフェノール酸含量は、加工方法によって大きく違っていた。すりおろした試料では乾燥重量当たり228±67.9mg/kg、機械洗浄した試料では996±177mg/kgだった。乾燥重量当たりとは、水分を除いた重さを基準にした比較である。水気を含む食卓のにんじんを、そのまま同じ重さだけ食べた数字ではない。[8]

出発点が異なる食品の変化率は、最終的な摂取量の順位をそのまま表さない。ある処理で増え方が大きかったとしても、別の処理より必ず多く摂れるとは限らない。この実験を生活に引き寄せるなら、「置くと何もかも失う」という思い込みを見直す材料になる。栄養を増やすために、わざわざ保存時間を延ばす指示にする必要はない。[8]

丸ごとの試料とすりおろした試料では、観察した時間の枠も違う。丸ごとの試料は最長4週間、すりおろした試料は24時間だった。丸ごとのにんじんを長く追った数字を、すりおろしたにんじんの作り置き日数へ移すことはできない。研究の時計は、食品の形ごとに読み分ける必要がある。[8]

同じ研究で丸ごとの試料を8℃で4週間保存した場合、未処理と機械洗浄のにんじんではフェノール酸が開始時の約4倍、表面を研磨したものでは9倍、皮をむいたものでは31倍になった。すりおろしの倍という結果より大きく見えるが、温度も期間も処理方法も異なる比較である。皮むきとすりおろしの優劣を決める対戦表にはならない。[8]

また、フェノール酸の仲間がすべて同じ割合で増えたわけでもない。成分ごとに時間の影響は異なり、ジカフェオイルダウク酸の増加が最も大きかった。合計の数字は、内訳の変化をひとつにまとめた値でもある。食材の成分表のように固定した印象で読むより、処理を受けた植物の中で、個々の成分が異なる動きをした実験として捉えたい。[8]

夕方にすりおろして夕飯へ添える場面と、休日にまとめて作って使う場面では、知りたい保存の長さも異なるだろう。まず自分が必要としているのは、食感を変えることなのか、調理の手間を先に済ませることなのかを決めたい。フェノール酸の実験値を、家庭で守るべき待ち時間へ変換しない。それが、研究を便利に使いすぎない読み方だ。[8]

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ビタミンCは、別の測定として読む

ビタミンCを調べた研究では、保存料を加えず、加糖や加熱殺菌をしていない市販ジュースの成分分析がある。対象は、にんじんやザワークラウト、りんご、かんきつ類などを含む10種類である。研究者はアスコルビン酸、デヒドロアスコルビン酸、総ビタミンCを区別し、開封後に標準的な冷蔵条件で3日保存し、アスコルビン酸の安定性も検査した。[2]

この区別には意味がある。研究で扱う総ビタミンCは、アスコルビン酸だけを見た数字ではない。デヒドロアスコルビン酸の量は、総ビタミンCからアスコルビン酸を引いて計算されている。したがって、アスコルビン酸の変化だけを取り出して「ビタミンCが全部なくなった」と読むのは、研究の測定項目を取り違えている。[2]

結果では、総ビタミンCが最も多かったのはグレープフルーツ、オレンジ、マンダリンなどのかんきつ類で、少なかったのはザワークラウトやにんじんのジュース、りんごジュースだった。また、アスコルビン酸の安定性が最も低かったのは、りんごジュースだった。食品の種類によって、含量も保存中の安定性も同じではない。[2]

ここから拾えるのは、「ジュースなら同じビタミンCの供給源」とは考えないことだ。にんじんの色や野菜らしい印象だけでは、ビタミンCの量の順位は決まらない。反対に、この比較を理由ににんじんという食品全体の価値を低く評価するのも違う。研究が比べたのは、特定のジュースに含まれる特定の成分である。[2]

ジュースは、すりおろしたにんじんそのものとも異なる。容器に入った液体の保存と、固形部分を含んだすりおろしの保存を同じ試験と扱うことはできない。開封後3日という研究上の観察条件も、家庭のすりおろしに対する保存期限の案内ではない。食品の形を飛び越えて、日数だけ持ち帰らないようにしたい。[2][8]

ビタミンCが気になるからといって、毎回の調理を成分損失の試験にする必要はない。すりおろしを使う料理を選ぶことと、ビタミンCの摂り方を考えることは、分けて扱える問いだ。保存の話を読むときも、成分名が書かれているか、その成分を実際に測っているかを先に見る。フェノール酸の増加を、ビタミンCの保存性の証明にすり替えないためである。[2][8]

含有量と、消化中に取り出せる割合は違う

にんじんの加工残さ由来の食物繊維を加えた果物スムージーの研究は、別の層を見せてくれる。いちご、オレンジ果汁、バナナ、りんごを使った飲料などに、高圧処理を施した食品実験だ。処理条件は450MPaまたは600MPaで3分、保存は4℃で28日間だった。家庭のおろし器で再現する調理方法ではない。[6]

高圧処理後には、未処理の試料と比べてβクリプトキサンチン、αカロテン、βカロテンの含量が増え、ルテイン、ゼアキサンチン、ビタミンEの含量は保たれた。一方、保存時間が延びると、各成分の含量は低下する傾向を示した。同じ飲料でも、処理直後の比較と、その後の時間経過では、見える変化が異なる。[6]

さらに、この研究では生体アクセス性も調べている。これは、消化の過程で成分が食品から取り出され、吸収に向けて利用可能になる程度を見る指標だ。処理直後には個々の成分の生体アクセス性が下がったが、保存中には全体として高まった。含量が低下する傾向と、生体アクセス性が増す傾向が、同じ研究で観察されたのである。[6]

量と割合の区別は、台所でも役に立つ。「含まれる量が多い」と「吸収に向けて取り出されやすい」は、それぞれ別の比較だ。まして、それらを「体内で利用された量」「食べたあとの体重変化」と同じ結果として並べることはできない。研究者は細胞構造の変化による成分の放出やミセル形成への影響を考察しているが、家庭で置いたにんじんの減量効果を示した実験ではない。[6]

数字で読むすりおろしと保存

4℃・24時間:すりおろしたにんじんを観察した保存条件である。[8]

約2倍:その条件で増えたのはフェノール酸の含量で、ビタミンCではない。[8]

228±67.9mg/kg:保存開始時のすりおろし試料のフェノール酸。乾燥重量当たりの値だ。[8]

10種類:非加熱殺菌などの条件を満たす市販ジュースの成分分析対象である。[2]

28日間・4℃:高圧処理したスムージーなどを追った条件で、家庭の保存期限ではない。[6]

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