女性が太りたいときプロテインは役立つ?食事への追加と筋肉の増え方を読む

太りたい女性がプロテインを選ぶ前に、食事への追加と置き換え、体重と筋肉量、筋力の違いを整理する。筋トレと組み合わせた研究には筋肉量が増えた結果と有意な差がなかった結果がある。研究の対象や数字の幅を読み、飲む量だけでなく普段の食事と続けられる運動を考える。

夕食の皿の隣に、プロテインのシェーカーを置く。体重を増やしたい気持ちと、増えすぎたらどうしようという不安が同居する日もある。目指す変化は体重だけで決めず、筋力や日常の動きやすさも含めて選んでよい。飲み終えると夕食を残してしまうなら、食事との関係を確かめたい。「追加したつもり」が食事との交代になっていないか。太りたいときは、袋に書かれたたんぱく質の量と同じくらい、飲む前後の食事に目を向けたい。

プロテインは、筋肉を増やす取り組みを補う可能性がある。ただし、筋トレと組み合わせた研究でも、筋肉量への上乗せが認められる分析と、有意な差が認められない分析がある。飲めば必ず体重が増える、増えた分はすべて筋肉になる、という約束にはならない。[13][14]

この問いでは、体重を増やしたいのか、筋肉を増やしたいのか、動く力をつけたいのかを分けて考える。若い成人の研究では筋肉量に有意な差がなくても筋力には改善がみられており、体重計だけでは拾えない成果もある。[13] 痩せている体を欠点と決める必要はない。自分が望む生活に向け、食事と運動のどこを補うかを考える話である。

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「足した」と「置き換えた」は食卓で分かれる

朝食を食べてから飲む場合と、朝食の代わりに飲む場合を、同じ「毎日飲んでいる」でひとまとめにしない。たんぱく質を補ったという事実だけでは、食事全体を増やしたかどうかは分からない。まずは食卓の出来事として、飲んだことで普段の食事が残らなかったかを振り返るところから始められる。

たんぱく質と筋肉の関係を整理したレビューでは、摂取したたんぱく質に由来するアミノ酸が、筋肉のたんぱく質を作る反応を高め、分解を抑える働きが述べられている。そのうえで、量、種類、タイミングによって反応が変わり、長期間の成果を読むときにもそれらを考える必要があるとしている。[1] 「飲んだ」という印だけで食事の検討を終えない理由がここにある。

同じレビューが扱うエネルギーを多く摂る条件でも、たんぱく質の少ない食事と、中程度から多いたんぱく質を含む食事では、脂肪を除いた体の量の増え方が異なると整理されている。[1] 食事量を増やすことと、その内訳を整えることは、別々に見る必要がある。たんぱく質だけを増やせば食事全体の課題が片づく、と読み替えるのは飛躍である。

例えば夕食の前に飲む習慣があるなら、夕食そのものの内容と残し方も一緒に眺める。逆に食事を十分に食べられていて、運動と併せて補助として使っているなら、その使い方を記録する。「追加」「代わり」「食べ残し」という言葉で残せば、商品を買ったという記憶よりも、実際の食事を確かめやすい。これは増量の効果を保証する方法ではなく、何を変えたのか見失わないための整理である。

食品との違いそのものは、既存記事「女性のプロテインは食事の肉や卵と同じ?栄養の数字と筋肉の反応を分けて読む」に譲る。ここでは食品の優劣よりも、食事への追加になっているかと、その後の成果をどう読むかに焦点を置く。

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体重、除脂肪量、筋力は同じ成績表ではない

体重の変化と、筋肉量の変化を同じ言葉で扱うと、研究結果を読み違えやすい。体組成とは、体を構成する脂肪と脂肪以外などの内訳を指す。成人の男女アスリート向け推奨を扱ったスコーピングレビューも、体重と、脂肪量・除脂肪量の調整を区別している。18〜39歳の女性が日常の運動を考える際は、競技者向けの調整方法をそのまま当てはめず、指標を区別する視点として参考にしたい。[2] 体重を増やすという目標にも、どの内訳を気にしているのかという問いが残る。

除脂肪量は脂肪を除いた体の量である。研究で使われる脂肪を除く量の指標を、そのまま自分の筋肉だけの増加量と読み替えない。筋肉量や筋力についてのレビューでも、筋肉の量に関する評価と、ベンチプレスやスクワットで発揮する力に関する評価は分けられている。[13] 数字の名前を省略しないことが、成果を大きく見せないための基本となる。

若い成人を対象とする系統的レビュー・メタ分析では、筋トレにホエイまたはソイのプロテインを加えたときの、脂肪を除く量と筋力を調べている。ホエイは乳由来、ソイは大豆由来のたんぱく質である。この分析では、脂肪を除く量には有意な効果が認められず、ホエイではベンチプレスとスクワットの成績に改善が認められた。18〜39歳の女性だけを対象にした結果ではなく、そのまま個人の変化を予測する数値には使えない。[13]

だから、筋トレで以前より動作をこなせるようになったのに、期待したほど体重が変わらない場面を、ただちに「全部失敗」と決める必要はない。少なくとも研究上、力と量の結果は一致していない。[13] 一方、力が伸びたから筋肉量も必ず増えた、と逆向きに推測することもできない。何が変わったかは、測った項目に沿って述べるのが誠実である。

太りたいという希望があるなら、体重への希望と、できるようになりたい動作をそれぞれ言葉にしておくとよい。階段を上る場面なのか、荷物を持つ場面なのか。研究の測定種目と日常の動作は同一ではないが、望む変化を具体的にすることはできる。体重計を、生活のすべてを採点する道具にしないためでもある。

筋トレへの上乗せは、研究によって答えが違う

若い成人の分析は、筋トレを行う18〜30歳の参加者を対象とし、12研究、計261人を統合したものだ。ホエイとソイの補給による脂肪を除く量の有意な増加は認められなかった。著者らは、より大規模で質の高い無作為化比較試験が必要としている。18〜39歳の女性に当てはめるには、対象の年齢範囲と女性限定の分析ではない点を考慮する必要がある。[13] 「効果がないと完全に証明された」とまで言う結果でも、「誰でも増える」と言える結果でもない。

対して、監督下の筋トレを少なくとも6週間行う条件でプロテインとプラセボを比較した、若年成人と高齢者を含む36件の無作為化比較試験、計1,552人のネットワークメタ分析では、ホエイによる脂肪を除く量の上乗せは平均1.24kgだった。95%信用区間は0.61〜1.87kgである。[14] 18〜39歳の女性だけの推定値ではないため、そのまま女性個人の増加量には当てはめられない。信用区間は、この分析のモデルに基づいて推定の幅を示すものだ。自分がその量だけ増えるという予約票ではない。

ネットワークメタ分析は、複数の補給方法の比較をつなぎ合わせて推定する分析である。そこでの順位は、買うべき商品の順位と同じではない。この研究でも、植物由来と乳由来の比較には、証拠の確かさが低いものから非常に低いものがあり、推定の幅も広いとされている。[14] 売り場で迷ったときほど、上位という言葉より、その数字の不確かさを一緒に読みたい。

これらの分析は、対象の年齢範囲、採用した研究数、比較の組み立てが異なる。[13][14] 結果の違いを特定の要因だけで説明することはできないが、同じ条件を同じ方法で調べた数字ではない。「増えた」という結果だけを採用するのも、「有意差なし」だけを採用するのも、この問いへの返事としては片手落ちである。

女性が太りたいときの判断に使うなら、筋トレに補給を加えることで量が増える可能性はあるが、研究の答えは揃っていない、というところを出発点にしたい。[13][14] 若い成人全体を対象とした分析の平均を、太りたい女性個人の予測値にはしない。プロテインの購入量を増やす前に、食事と運動の実際を並べる余地がある。

研究を選んだ範囲も、読み手には大切な情報である。若い成人の分析では、運動経験のある人とない人を含み、主な評価項目を脂肪を除く量としている。一方、もう一方の分析は、複数のたんぱく質の種類を比較するために研究をつないでいる。[13][14] 「プロテインの研究」という看板は同じでも、中に入っている比較は同じではない。

夕方の電車で結果の見出しだけを読めば、「増えた」「増えなかった」のどちらかが記憶に残る。そこで本文に戻り、誰が何をして、何と比べて、どの項目が変わったかを確かめる。今回は筋トレを行った人の補給の上乗せを見ているのであって、普段の食事も活動も異なる人が飲み始めた後の体重を、一律に予測する比較ではない。[13][14]

また、平均の上乗せは、参加者の全員が同じ量だけ変わったことを意味しない。推定値に幅が付いている研究は、その幅と一緒に読む。[14] 飲み始めた友人と自分を比べて量を増やすより、自分が変えた食事と運動を確かめる方が、少なくとも比較の条件を見失わずに済む。誰かの体格に追いつくことを、補給の成否の基準にしなくてよい。

数字で読むプロテインと体の変化

12研究・261人:若い成人の筋トレ研究を統合しても、脂肪を除く量への有意な補給効果は認められなかった。[13]

36試験・1,552人:別のネットワークメタ分析が統合した、監督下の筋トレと補給の比較規模である。[14]

平均1.24kg:後者でのホエイによる脂肪を除く量の上乗せ。95%信用区間は0.61〜1.87kgだった。[14]

30〜35g/日:後者で反応の頭打ちが示唆されたホエイ補給量。ただし、この用量と反応の推定は探索的である。[14]

73文書:アスリート向けの体重・体組成調整の推奨を整理したレビューの対象。個別化と健康を重視する目標が勧められている。[2]

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