ダイエットの自炊ランチで油は使い回す?繰り返す加熱と体への影響を読む

昼の弁当を作るとき、昨日の揚げ油をまた使うか迷う。油の量と、熱を受けて変わった油の質は別の問いだ。繰り返す加熱の食品実験、健康な男性の食後試験、動物実験を区別し、酸化の数字が何を示すかを読む。運動日の自炊を続けるために、使い回しの回数より先に見直したい油の履歴と調理の段取りを示す。

朝、弁当のおかずを揚げようとして、保存容器に残した昨日の油を見る。まだ使えそうだし、捨てるのは惜しい。ふたには使った日のメモがなく、昨日どれくらい揚げ続けたかも曖昧だ。「ダイエットの自炊ランチ」と検索しても、献立の写真からはその油が何度熱を受けたか分からない。

答えの芯は、繰り返す加熱を、新しい油と同じものとして扱わないことだ。加熱時間が長くなると酸化の指標や生成物が増える食品実験があり、油の種類と加熱時間の両方が、調理後の状態を読む手がかりになる。[16] 一方、加熱油を食べれば直ちに血管が傷む、という言い切りも人の比較試験とは合わない。[1]

ここでは、鍋の中で起こる変化と、食べた体で起こる変化を分ける。油を全部抜く献立や、食べた分を運動で帳消しにする計算には進まない。「ダイエットの焼肉は焦げるまで焼く?運動日のたんぱく源と高温調理を考える」が扱う食品の焼き方とは問いを分け、今回は油が繰り返し熱を受ける履歴に焦点を置く。

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油の量と、加熱で変わる質は別に見る

ランチの写真で分かるのは、皿に載った食材やおおよその盛りつけだ。揚げ油を新しく出したのか、前の調理から引き継いだのかは写らない。自炊の判断では、レシピの材料欄にある「油」という同じ文字の内側にも違いがある、と考えるところから始めたい。

脂質の酸化は、油脂が反応して別の化合物を生じる変化である。測定法を検討した食品化学の研究では、初期にできる脂質ヒドロペルオキシドと、その後のカルボニル化合物を分けて調べている。専門用語をすべて覚える必要はないが、酸化は単独の物質が増えるだけの出来事ではない。[17]

この区別があるため、油の変化を測る数字も複数ある。同研究は、初期と後段の酸化生成物を共通の単位で合わせて評価する方法を提案し、味、色、におい、外観の評価とも比較した。油の状態を読むには、何を測った値かを確認する必要がある。[17] 「酸化が増えた」と書かれた記事同士でも、測定対象の違いまで確かめたい。

高温での繰り返す加熱を扱うレビューでは、油の酸化的な分解が進み、もともとの抗酸化成分が減ることが説明されている。抗酸化成分とは、ここでは油の酸化に抵抗する働きを持つ成分のことだ。[2] 野菜由来の油という出発点だけでは、調理後の状態を代表できないのである。

ただし、油の化学的な変化を測る実験は、それだけで食べる人の病気の発症率を測ったことにはならない。試験管や調理装置で数値が変わった結果と、人が食事を続けた先の結果は、証拠の種類が違う。自炊の判断に持ち帰る際には、その途中を想像だけで埋めないことが大切だ。[1][16]

たとえば「油を少なくした」と「熱を受けた油を繰り返し使うのをやめた」は、別々の変更として記録できる。前者は使う量、後者は履歴に関する判断だ。酸化の研究から直接考えられるのは後者の問いであり、そのまま体重の増減の予測へ置き換えることはできない。[1][16]

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高オレイン酸の油でも長く揚げれば変わる

油の名前を選び直せば、使い回しの悩みが消えるのだろうか。高オレイン酸のヒマワリ油でエビを揚げた食品実験は、その期待に境界を置く。高オレイン酸とは、脂肪酸の一種であるオレイン酸を多く含む特徴を表す。この研究では、揚げる時間を延ばすにつれて、酸価、カルボニル価、総酸化の指標が有意に増えた。[16]

同じ実験では、アルデヒドやケトンという種類の化合物の蓄積が増え、酸化による劣化が進んだ。色の変化を測る指標も徐々に大きくなった。[16] 「特定の脂肪酸が多い」という性質と、「長く熱を受けても状態が保たれる」という性質を同じ意味で読まない方がよい。

興味深いのは、揚げている間に油中のオレイン酸の割合は上がり、24時間後には80.05%になった点だ。それでも酸化の指標は増えている。[16] 割合が大きくなったという数字だけを切り抜くと、油の質がよくなったように見える。だが、成分の比率と、酸化生成物の蓄積は異なる測定結果である。

この実験の24時間という条件は、朝の弁当を揚げる場面と同じではない。[16] 自宅の短い調理がその数字に相当する、と読み替える必要はない。研究が伝えるのは、油の特徴を示す名前だけを頼りに、加熱の履歴を無視できないという方向である。

使い回しを考えるときには、何回という数だけでなく、それぞれの調理がどれほど長かったかも問いになる。エビを揚げた研究で示されたのは、処理時間が長いほど変化が進む関係であった。[16] さっと調理した場合と、長く揚げ続けた場合を、どちらも「前に使った油」とだけ呼ぶと違いが消えてしまう。

休日にまとまった量を揚げ、翌日の弁当にもその油を使うつもりなら、最初の調理がどのようなものだったかを思い出したい。料理の名前をメモするより、油を引き継いだか、長く加熱し続けたかという情報の方が、今回の問いには対応する。これは劣化を家庭で数値化する方法ではなく、履歴の分からないまま使う場面を減らす工夫である。[16]

酸化を抑える配合研究は、家庭の裏技ではない

油の混ぜ方で変質を抑えようとする食品実験もある。大豆油に牛脂を配合して繰り返し揚げた研究では、飽和脂肪酸の割合を18.95〜28.82%とした配合を比較した。最も割合の高い配合は、大豆油だけの場合に比べ、酸価が38.2%、過酸化物価が30.0%低かった。[10]

さらに、20回の揚げ調理の後、混合油では総極性化合物が17.5〜27.1%少なかった。[10] 極性化合物は、ここでは揚げ油の変質を評価する際に測られる化合物群として押さえればよい。特定の配合で減ったという結果は、油の組成が加熱中の変化に関係することを示すが、比較した油との相対的な差を表す。

この研究は、配合した油の酸化、風味、化合物の形成を調べたものだ。[10] 自炊する女性がその混合油を食べて健康状態を改善した試験ではない。酸化指標が低かった割合を、そのまま健康によい配合率として台所へ持ち帰ることはできない。

ここで考えるべきなのは、何に対してよかったのかである。油の加熱安定性をよくすること、料理の風味を変えること、長期的な健康影響を確かめることは、それぞれ評価する対象が異なる。[1][10] 「酸化を抑えた」という見出しを見たら、まず測定結果の対象を読む。それが献立の選び方を落ち着かせる。

使用済み油を処理する別の実験では、オリーブの種から作った活性炭を使い、ヒマワリ油とトウモロコシ油の酸化生成物や極性化合物の除去を調べた。連続加熱とフライドポテトの調理を10日間行った油には、酸化の程度の変化が認められた。[18] 活性炭は、ここでは化合物を吸着させるために用いた材料である。

この研究は専用の吸着材料と分析法を用いた処理の検討であり、家庭で油をこせば元の状態へ戻る、と確かめたものではない。[18] 揚げかすを取り除く台所の作業と、酸化生成物を材料に吸着させる研究の操作を同じものとして扱わない。目に見えるかすが減った後も、油の加熱履歴を覚えておくという判断は残る。

大豆油と牛脂の配合実験では、酸っぱいにおいを抑え、バターや焙煎を思わせる風味を強めた配合がある一方、牛脂が多すぎると好ましくない牛のにおいが現れた。[10] 数値を下げる配合と、食べるときの好ましさを両方調べる理由がここにある。風味が変わることも、健康によいことを示す測定結果とは区別する。台所での「いいにおい」は大切だが、それだけで加熱履歴の評価を終えない。

測定法の研究では、揚げ調理を模した160℃の処理と、調理を模した100℃の穏やかな酸化処理を設け、異なる日数で油を調べた。[17] 同じ油を扱っていても、熱の条件と観察する時間を設定して比較するのが食品実験である。研究の温度だけを家庭の推奨温度として抜き出すのではなく、何の変化を捉えるための条件だったかまで一緒に読む。

数字で読む繰り返す加熱

健康な男性19人:加熱油と未加熱油の食事を別の日に比較した試験の対象である。[1]

180℃・10日間:人の比較試験に用いた加熱油を準備した条件であり、家庭の許容回数ではない。[1]

23.8%と7.2%:同試験の加熱油と未加熱油に含まれた極性化合物の割合である。[1]

食後4時間:同試験で血管反応や血液の指標を測った観察時間である。[1]

20回の揚げ調理後に17.5〜27.1%減少:大豆油と牛脂の混合で測られた総極性化合物の差であり、人の発症リスクの減少率ではない。[10]

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