ソイプロテインで肌は潤う?頬の水分の試験と粉末への期待を分けて読む

ソイプロテインで肌が潤うという期待は、どんな試験に支えられているのか。閉経後の女性を対象とした大豆たんぱく質とイソフラボンの比較試験を読み、頬の水分量、しわ、皮脂の結果を区別する。開始前からの変化と比較群との差、細胞実験と飲む食品の違いから、粉末を選ぶ前の判断を考える。

シェーカーの中の大豆たんぱく質で、頬の乾燥まで変わるのだろうか。実際、イソフラボンを加えた大豆たんぱく質を摂った閉経後の女性で、頬の水分量が開始前より増えた無作為化比較試験がある。対象は閉経後の女性に限定されており、18〜39歳の女性にそのまま当てはめられるかは、この試験では判断できない。[1]

押さえたいのは、試された中身と、何を比べた数字なのかである。頬の水分が増えた割合は開始前との比較であり、そのまま乳由来のたんぱく質に対する優位性の大きさではない。別のイソフラボン抽出物の試験では、目尻のしわの変化にプラセボとの有意差がなかった。期待を全部捨てる必要も、全部の肌悩みを粉末に預ける必要もない。[1][2]

既存記事「高齢者のソイプロテインは記憶力にも役立つ?大豆成分の比較試験と筋肉への効果を分けて読む」には記憶力の問いを譲る。また「ソイプロテインで血圧は変わる?粉末と豆乳の試験を同じ数字で読めない理由」には血圧の問いを譲る。ここで読むのは、肌のどの場所の、どの測定値が変わったのかという問いだ。肌の潤いを調べた試験と、日々シェーカーに入れる粉末の間を、順にたどってみよう。

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大豆たんぱく質とイソフラボンは一緒に試されている

中心となるのは、閉経後の女性を対象とした、イソフラボン添加大豆分離たんぱく質の試験である。比較相手はカゼインという乳由来のたんぱく質だった。参加者を無作為に分け、参加者側にも評価する側にも割り付けを分かりにくくする二重盲検の方法で行われた。単に大豆を好んで食べる人の肌を観察した研究とは、設計が異なる。18〜39歳の女性で同じ結果が得られるかは、別に検証する必要がある。[1]

この違いには意味がある。食べ物の好みが似ていても、暮らし方は異なりうる。無作為化比較試験は、摂るものを割り付けて経過を比べることで、介入による違いを調べようとする。結果を別の食品や人に移すには、条件の一致を確かめる必要がある。試験の対象と介入の形は、結論の行き先を決める条件である。[1]

試験で使ったのは「大豆由来」という原料名だけで説明できるものではない。大豆分離たんぱく質にイソフラボンを加えた組み合わせである。したがって、観察された結果をたんぱく質だけの働きと切り離して呼ぶことはできない。この組み合わせを摂った場合の結果として読むのが正確だ。[1]

ここで商品を選ぶ場面に戻る。袋の表に大きく「ソイ」と書かれていても、その文字だけで試験と同じ条件だと判断しないことだ。研究の食品を確認するときは、たんぱく質の種類だけでなく、加えられた成分まで見る。これは特定の粉末を勧めるための比較ではなく、何に対する期待なのかを自分で説明するための読み方である。

閉経後という対象も省略できない。参加者の肌の分類はフィッツパトリック分類のⅠ〜Ⅲに限られていた。著者らは、この条件の女性で、しわや色素の変化を含む光老化と肌の水分量を改善する可能性を結論としている。18〜39歳の女性や別の肌の分類まで同じ効果があるとするには、対象が違う。[1]

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頬の水分が増えた数字は、比較の相手まで読む

試験には閉経後の女性44人が参加し、6か月間にわたって経過を調べた。イソフラボン添加大豆たんぱく質群では、24週時点の肌の水分量が、開始前と比べて左頬で39%、右頬で68%増加し、統計的に有意だった。肌の水分量に変化があったという、期待を持てる結果である。[1]

ただし、この割合を「カゼインより肌が68%潤った」と言い換えると、比較の相手が変わってしまう。報告された頬の増加率の相手は、その群の開始前の値だ。開始前からどれだけ変化したかと、比較相手よりどれだけ大きく変化したかは、別の質問になる。同じ数字でも、何の差かを落とすと意味が変わる。[1]

左頬と右頬の結果を足して顔全体の改善率にすることもできない。左右の部位について別々に報告された測定値だからだ。数字が大きい右頬だけを取り出して見出しにすれば目は引くが、試験が測った顔の様子からは遠ざかる。頬は左右で別の数字を出している。顔全体に使える便利な値に整える必要はない。[1]

水分量が増えたことと、肌のあらゆる状態が改善したことも分けたい。この試験で皮脂の産生には有意な差がなかった。潤いの数値に変化があったからといって、テカりも一緒に減ると付け足せない。水分と皮脂をそれぞれ測り、異なる結果だったことまでが、この研究から受け取る内容である。[1]

たとえば夕方の頬の乾燥が気になる人と、鼻のテカりが気になる人では、知りたい答えが違う。同じ「肌にいい」というひと言で済ませると、その違いが消える。研究が良い方向だったという感想の前に、自分の悩みに対応する測定項目なのかを確かめる。肌の水分量を求めていたのか、皮脂を求めていたのか。それだけでも、数字との付き合い方は変わる。

しわの結果を保湿の結果に足さない

同じ試験では、顔の写真を使ってしわの程度と色素も評価している。大豆たんぱく質群の平均的なしわの程度は、開始前から16週で5.9%、24週で7.1%低下した。しわの程度は、その両時点でカゼイン群と比べても有意に低かった。ここには、開始前との比較に加えて、比較群との違いが示されている。[1]

この書き分けは細かそうでいて、研究を読む中心である。頬の水分量について示された増加率と、しわについて示された群間比較を、一続きの同じ結果のように扱わないことだ。しわで比較群との差があったことを理由に、水分量の増加率まで群間の効果量として使うことはできない。[1]

顔の色素の強さについても、24週時点で大豆たんぱく質群に開始前からの低下が報告され、カゼイン群には有意な変化がなかった。ここでも「片方で有意、片方で有意でない」という説明を、そのまま両群の差の大きさに置き換えない。比較群がある論文でも、各結果についてどの比較を述べているかを確認する必要がある。[1]

また、しわを評価した写真は肌の水分を測ることと同じではない。論文では、写真によるしわや色素の評価と、肌の水分量や皮脂の測定を組み合わせていた。複数の指標を調べた研究だからこそ、項目ごとの結果を保ったまま読むと、良い結果の輪郭も、変わらなかった部分も見えやすい。[1]

明日の化粧のりが変わるかという問いと、この試験の問いにも距離がある。報告された頬の水分量の増加は24週時点の結果である。朝に飲んだあとの手触りや、飲み始めた日の見た目を、その数値で予測することはできない。試験の期間をそのまま個人への待ち時間として指定するのではなく、即日の変化を保証する数字ではないと受け止めたい。[1]

写真の結果を見るときには、しわの程度が下がったという評価と、顔の印象がどう変わったかという日常の感想も分けておきたい。この試験が使ったのは高解像度の顔写真による評価であり、しわと色素をそれぞれ追っている。測定した項目を具体的に呼ぶほど、「肌が若返る」という広い言葉に結果をまとめ過ぎずに済む。[1]

開始前の値を基準にする意味も考えてみよう。自分の出発点から変わったかという情報は、経過を知るうえで役立つ。しかし、あるものを選ぶべきかを考えるときには、選ばなかった側がどうなったかも知りたくなる。この試験ではカゼインという比較相手を置き、しわの程度には群間の有意差を示している。どの項目でその比較が示されたかを確かめると、数字に過不足のない意味を持たせられる。[1]

水分量の増加率を読んだあとに、しわの低下率を重ねて「肌全体の改善率」を作るのも避けたい。測る対象も尺度も違う。ひとつの介入に良い方向の結果が複数あっても、足し算できる一枚の成績表ではない。それぞれの結果を別々の欄に置くことが、この試験の良さを損なわずに受け取る方法になる。[1]

数字で読む大豆成分と肌の試験

44人:イソフラボン添加大豆たんぱく質とカゼインを比べた、閉経後の女性の試験。[1]

24週:大豆たんぱく質群で頬の水分量の増加が報告された時点。[1]

39%と68%:左頬と右頬の水分量の、開始前からの増加率。比較群に対する増加率ではない。[1]

66人:イソフラボン抽出物とプラセボを比べた、別の閉経後の女性の試験。[2]

12週:抽出物の試験期間。目尻のしわの変化には群間の有意差がなかった。[2]

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宮川涼 Founder

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