腕の筋トレの休憩は、座るより歩くと次の回数が戻るのか。男性18人の腕こぎ後30分では、同じ腕を軽く回しても血中乳酸は座った休息と有意差がなかった。冷水に浸かりながらの腕運動や、脚を足した6週間の上腕の筋厚は、短い休みの回数とは別の測定で、対象と時間も違う。
仕事の帰り、部屋の椅子にダンベルを置いて肘を曲げたあと、タイマーが短い秒数を刻む。ベンチに座ったまま腕をぶら下げるか、部屋の端まで歩いて戻るか。検索の言葉は「腕 筋トレ レスト」で、知りたいのは次の回数だ。歩く方が得、という二択に見えて、試験が並べたのは別の組み合わせである。
歩く方が次のカールの回数を戻す、とはこの比較からは言えない。いちばん近い無作為化クロスオーバー試験では、喫煙せず、体を動かす習慣のある男性18人が、別の日に腕こぎを疲労困憊まで3回行った。18〜39歳の女性のダンベル運動にそのまま当てはめられるかは、この男性の腕こぎ試験では判断できない。そのあと30分を、座って過ごす受動的回復、ピーク出力の30%で同じ腕を回し続ける能動的回復、低強度の等炭酸ガス過換気という呼吸の回復で比べた。血中乳酸は、測定した時間の全体を通じて、三つに有意差がなかった。[4]
ピーク時の平均は、受動11.09(標準偏差1.98)、腕の能動11.13(1.44)、呼吸11.25(1.93)mmol/L。30分後は4.35(1.56)、3.77(1.60)、4.09(1.35)mmol/Lである。末尾の平均だけ見ると能動が少し低いが、著者は差があったとはしていない。分かれたのは心拍で、回復中の平均は腕を回すと116(9)、呼吸を増やすと111(17)、座っていると93(11)拍/分だった。動いている顔と、乳酸の曲線は、別々に動いたのである。[4]

同じ腕を30%で回しても、乳酸の曲線は座ったままと重なった
この試験の能動的回復は、廊下を歩くことではない。疲れたのと同じ腕を、ピーク出力の30%で30分回し続ける。呼吸の回復は、12秒間の最大随意換気量の30%で行う低強度の等炭酸ガス過換気である。二酸化炭素を大きく崩さないよう息の量を増やす手続きで、腕の筋肉をもう一度使う手続きとは別だ。日と日の間隔は48時間以上。対象は健康な男性18人であり、18〜39歳の女性への適用は別に確かめる必要がある。[4]
著者の結論は、低強度のこの呼吸が、疲労困憊の腕運動のあとの乳酸消失を、受動的回復よりも、同じ筋肉を使う能動的回復よりも、高めなかった、というものだ。そのうえで、関わる筋肉の量が、能動的回復が効くかどうかの条件に見えると書いている。これは「脚で歩けば乳酸が速く消える」と測った文ではない。比べた三つのうち、体を大きく使う歩行も自転車も入っていない。筋肉の量への言及は、同じ腕という小さい質量では足りなかった、という読みの方向を著者自身が示している。[4]
既存記事「筋トレの背中と腕は休憩中にスマホを見る?次の回数と頭の疲れを分けて読む」には、画面と頭の疲れの話を譲る。休む長さそのものは「二の腕の筋トレは毎セット何分休む?回数が戻る時間と筋肉の成長を読み解く」に譲る。こちらは、その時間に何を動かし、乳酸・心拍・その後の出力のどれを見たかで分ける。
疑問の続きは、体で確かめるのがいちばん早い。
イニングの6分では、可動域は回復のやり方で変わらなかった
腕を休ませる時間がもう少し短い比較が、大学の投手にある。Division Iの投手21人(年齢20.4±1.4歳、身長185.9±8.4cm、体重86.5±8.9kg、体脂肪率11.2±2.6%)が、模擬の5イニングを3試合分投げた。1試合の速球は最大70球。各球は、その投手の最良の速球の95%以上で投げるよう指示された。大学の競技者の結果を18〜39歳の女性の筋トレにそのまま当てはめられるかは、競技と運動課題が違うため判断できない。イニングのあいだの回復は6分。受動的回復、能動的回復、電気的筋刺激の三つを比べている。[3]
結果として、回復法は肩を90°に上げた内外旋と、肘の屈曲・伸展の可動域を有意には変えなかった(p>0.05)。測った時点は投球前、投球後、24時間後である。関節の動く幅が、6分の過ごし方で揃って開いた、という話にはなっていない。家のセット間に肩を回した感覚を、可動域の改善の証拠にするには、この比較は足りない。[3]
一方で、回復法は血中乳酸(p<0.001)、心拍(p<0.001)、主観的運動強度(p=0.01)には影響した。投球後から6分後への乳酸は、電気刺激では低下した(p<0.001)。著者は、能動的回復では変わらなかった(p=0.04)、受動的回復でも変わらなかった(p=0.684)と書いている。p=0.04を別のしきい値で読み直す前に、著者の整理は「能動でも受動でも、その変化はなかった」である。電気刺激が6分で乳酸を下げるのには最も有効だった、とも書いている。[3]
つらさの点数は、受動と電気刺激では投球後から回復後に下がった(いずれもp<0.001)。能動的回復では下がらなかった(p=0.067)。座って6分を過ごすと「楽になった」側に点数は動き、動き続ける能動的回復ではその低下がはっきりしなかった。心拍は三つの条件すべてで、投球後から回復後に下がっている(p<0.001)。乳酸が動くこと、つらさが動くこと、心拍が下がることは、同じ6分の中でも揃わない。[3]
著者は、模擬試合の投球後の乳酸は、骨格筋の疲労を起こして球速を落とすほどには高くならなかった、と書いている。そのうえで、1イニング14球を超え、総球数も普段より多く、乳酸がこの模擬試合より高くなるなら、電気刺激が回復を助け、疲労に伴う損傷を減らし、登板間隔を縮める可能性がある、と続けている。これは14球を超えた場面の測定結果ではなく、条件つきの見立てである。投手21人の6分を、仕事帰りのカールの正解にはしない。[3]
冷水の30分では、腕を動かすと次の脚の出力の落ち方が違った
部位を逆にした試験もある。参加者8人が、30分の回復の前後でウィンゲート試験を行った。高強度のスプリント成績を見る試験で、ここでは脚のペダリング側の出力が問題になる。回復は四つ。15°Cの冷水、15°Cの冷水に浸かりながらの腕運動、34°Cの中性温の浸漬と腕運動、水に入らない腕運動。冷水は腰の高さまでの浸漬と、目的の文に書かれている。無作為化比較試験である。18〜39歳の女性の腕のセット間にも同じ結果が出るかは、この脚のスプリントの比較からは判断できない。[1]
水に入らない腕運動のあと、および34°Cで腕を動かしたあとでは、回復後の成績は回復前と差がなかった。15°Cで腕も動かした場合は4.9%低下し、15°Cだけで過ごした場合は7.6%低下した。冷水そのものが次のスプリントを削ぎ、その中で腕を動かすと落ち幅は狭まったが、ゼロには戻っていない。家のセット間で「少し動けば元通り」と聞く話より、条件が厳しい。[1]
深部温の動きも一枚ではない。15°Cに浸かりながら腕を動かすと、回復中の深部温は保たれた。次の運動を始めたときの深部温の低下は、腕も動かした冷水の方が大きく、−0.9°Cだった。冷水だけは−0.6°C。著者は、脚の筋肉の冷え方は二つの冷水条件で同程度だったと読んでいる。次のスプリントが冷水だけより少し良かった理由を、筋肉の冷えが弱まったことには置かず、保たれた深部温と、筋を動かす神経側の仕組みに関係するかもしれない、としている。血中乳酸など、ほかの有意な効果はなかった、とも書く。[1]
配置は、腕のカールのセット間に脚を歩くのとは逆で、疲れた脚の次の出力を、腕を動かしながら見ている。時間は30分、水は15°Cか34°C、人数は8人。同じ「動く休憩」でも、温度と、直前まで働いていた側で、次に残るものが変わる。[1]
数字で読む腕の休憩
11.09、11.13、11.25 mmol/L。疲労困憊の腕こぎ直後の血中乳酸の平均で、順に受動、同じ腕の能動、呼吸を増やす回復。ばらつきは1.98、1.44、1.93。30分後は4.35、3.77、4.09 mmol/Lで、有意差はなかった。[4]
116対93拍/分。同じ30分の平均心拍で、ピークの30%で腕を回した回復と、座って過ごした回復。呼吸を増やした回復は111拍/分。乳酸が重なっても心拍は分かれた。[4]
4.9%と7.6%。15°Cの冷水に浸かりながら腕を動かしたあとのスプリント低下と、冷水だけの低下。水に入らない腕運動では、回復前後の成績に差がなかった。[1]
p>0.05。大学投手21人の模擬試合で、6分の回復法が肩と肘の可動域に与えた影響の判定。乳酸と心拍とつらさの点数は、回復法で分かれた。[3]
0.19 cmと0.18 cm。トレーニング未経験者で、腕に加えて脚も限界まで動かした群と、腕だけの群の、6週間での上腕前面の筋厚の増加。著者は、脚を足しても腕の成長は削られなかったとしている。[10]
0.32 kgと0.25 kg。同じ6週間の、肘を曲げる1回最大挙上重量の変化。順に腕だけ、腕と脚。著者は群のあいだに違いがあったとはしていない。[10]
疑問の続きは、体で確かめるのがいちばん早い。
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