スクワットを毎日するなら回数をそろえる前に、週の合計と日ごとの偏りを読む

スクワットを毎日やっていいのか迷うとき、週の合計回数だけでは見えない日ごとの負担を確かめたい。回数をそろえた比較試験や負荷を変える研究から、重さ、きつさ、楽しさを分けて読む。同じ予定を守ることと同じ負担を繰り返すことの違いを、家での記録と翌週の予定に結びつけて考える。

洗濯物を畳む前に、昨日と同じ回数だけしゃがむ。記録の欄はきれいにそろったが、今日は途中からずいぶん重い。「スクワットは毎日やっていいのか」という疑問には、実施した日の数と、その日に引き受けた負担を分けるところから答えたい。

毎日同じ回数なら同じ負担、とは扱えない。総反復回数をそろえても、負荷量や負荷の単調性に違いが出た比較試験がある。一方で、負荷の変化を増やしても、成績への追加利益が得られなかった試験もある。カレンダーの整い方だけでは、続け方の良し悪しは決まらないのである。[9][1]

ここで考えるのは、週の合計と、その内訳の読み方である。既存記事「スクワットを毎日するなら分散がよい?座る間隔と脚の血管から考える休憩の入れ方」には、座り続ける時間を区切る論点を譲る。こちらは運動の記録を見返すとき、回数の合計に隠れた負荷の違いをどう扱うかに絞る。

既存記事「スクワットを毎日続けられない週は?欠席した回と実施日の偏りを分けて考える」は欠席と実施量の記録を、「スクワットは週の回数を分けると効果が違う?同じ総量で比べる筋力と続け方」は頻度と成果の比較を扱っている。ここでは実施できた日の負荷に目を向け、単調性という指標を本人の感覚とどう読み分けるかを中心にする。

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週の合計回数は、予定の中身をどこまで表すか

「今週も予定どおりできた」と確認するために、合計回数は便利である。ただし、合計欄には重りの違いが載らない。重りを使った日と使わない日を同じ印で残せば、振り返るときには、その違いを自分で消してしまう。回数を記すことと、回数だけで十分と考えることは別の選択だ。

この区別が見えやすいのが、健康な高齢者を対象にした比較試験である。運動習慣のない男女41人を、負荷を段階的に変える方法や日ごとに変える方法、一定の方法に層別無作為で分け、週3日のマシンによる筋力トレーニングを22週間行った。群の間では、総反復回数を基準に運動量をそろえた。高齢者を対象とするため、18〜39歳の女性の日々の運動に同じ結果が当てはまるかは、この試験だけでは判断できない。[9]

それでも、重りを含む負荷量、トレーニングの単調性、負荷の負担を表す指標には統計的な違いがあった。つまり、そろえたのは回数という条件であり、負荷の特徴には違いが残った。週の合計欄だけを見て「同じ運動をした」と判断する危うさを示す比較である。[9]

ただし、この試験は家で自重スクワットを毎日行う人の実験ではない。対象の平均年齢は70.9歳で、使ったのは筋力トレーニング用のマシンである。対象と運動方法の両方が、自宅での自重運動とは異なる。借りられるのは、何をそろえた比較なのかを確認する視点だ。[9]

たとえば記録に「スクワット実施」とだけ書くか、重りの有無や途中の休憩も言葉で添えるか。後者なら、忙しい日に短く区切ったのか、余裕のある日にまとめたのかも読み返せる。これは新しい健康基準を作る話ではない。来週の自分が今週の実施内容を取り違えないための、記録の書き方である。

疑問の続きは、体で確かめるのがいちばん早い。

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研究でいう単調性は、退屈した気分と分ける

「単調」と聞くと、同じ動きに飽きた様子を思い浮かべやすい。しかし研究では、負荷の変動を扱う指標としてのトレーニング単調性と、本人が感じる楽しさが別々に測られている。負荷の数字を見て、退屈さまで読み取るわけにはいかない。[9]

先ほどの高齢者の試験では、負荷の指標に群間差があっても、本人が感じる耐えやすさや楽しさは同程度だった。負荷の指標とそれらの感覚の間にも、意味のある関係は認められなかった。「負荷を変える予定にすれば必ず楽しくなる」という期待は、この結果では支えられない。[9]

別の比較研究では、筋力トレーニング経験のある男性27人が、異なるセットの組み方で下肢の運動を週2回、8週間行った。重りを落として追加するドロップセット、短い休憩を挟んで反復するレストポーズ、通常のセットを比較した研究である。対象が訓練経験のある男性なので、18〜39歳の女性、とくに運動を始めたばかりの人への適用には別の検証が必要だ。[4]

この研究では、レストポーズの単調性がほかの方法より高かった一方、運動全体の主観的なきつさと負担を表す別の指標には、条件間で統計的な差がなかった。同じ「負担に関する数字」でも、測る内容によって結果はそろわない。単調性の高さだけで、その方法をつらい、退屈だと決めつけるべきではない。[4]

この男性の研究では、運動を終えて15分後に、その回全体の主観的なきつさを評価していた。運動中のある反復だけの感覚ではなく、セッション全体を振り返る測定である。自分のメモと照合するなら、いつ何を尋ねた値なのかも確認したい。途中で感じた重さと、終えてから振り返った全体のきつさを、同じ測定値として並べないためだ。[4]

自宅のメモでも、実施内容と感想を同じ欄に押し込まないほうが読みやすい。「重りは前回と同じ」「今日は気が進まなかった」は併記できる。重りを変える相談と、続ける時間帯を選び直す相談では、出発点が異なるからだ。記録の項目は、後で自分が尋ねたい問いに合わせて選びたい。

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日ごとの偏りと、週ごとの変化は別の時間軸である

今週の中で負荷がそろっていることと、先週から今週へ負荷が変わらないことは同じではない。週の横並びを読むのか、週をまたいだ流れを読むのか。この時間軸の違いは、競技者の実際の記録にも表れている。[6]

世界水準の自転車短距離選手6人を対象に、大会前29週間の練習記録をさかのぼって分析した研究がある。全体の負荷のうち、自転車での運動が平均77.4%、筋力トレーニングが22.6%だった。平均値の周りのばらつきも大きく、競技者の中でも負荷の内訳は一様ではなかった。世界水準の競技者の記録であり、18〜39歳の女性の日常的な運動へ同じ配分を勧める根拠にはならない。[6]

この集団では、週内の負荷変動は小さかった一方、週ごとの総負荷は有意に変化していた。研究者は、負荷を増減する運用が日単位より週単位の変化を中心に行われていたと説明している。日々の数字が似て見えても、長い期間の計画では負荷を増減していたのである。[6]

これは少人数の競技者の観察であり、その配分が健康や筋力のために最適だと証明した試験ではない。高い競技強度を中心とする練習の記録なので、帰宅後の自重運動の手本として数値を写す用途にも向かない。負荷を読むときの時間軸を分ける例として受け止めたい。[6]

手帳で週末の合計だけを眺めるなら、その週の内訳が隠れる。日別の欄だけを眺めるなら、前の週との違いを見落とす。両方を残すことは、運動を増やす指示ではない。「今週は予定が偏った」「先週より重りを変えた」という、異なる出来事を同じ理由で説明しないための工夫だ。

変化を足せば、同じ平均負荷でも有利になるのか

負荷に違いがあるなら、毎回変化をつけたほうがよいのだろうか。そこでも結論を急げない。チームスポーツに取り組む男性63人を無作為に分けた試験では、特殊な回転慣性装置によるハーフスクワットを使い、平均負荷をそろえたうえで、予測できない負荷変動を加える条件と加えない条件を比較した。男性のチームスポーツ選手における比較なので、18〜39歳の女性の自重スクワットに同じ結果が当てはまるかは別の問いである。[1]

運動は週2回、6週間行われた。両方の運動群で、反動を使った垂直跳びの成績が改善した。変動を加えた群の効果量は0.70、一定の条件で行った群は0.79だったが、この数字を並べるだけで群同士の優劣を判定することはできない。各群の改善を示す値と、条件間の比較は読み分ける必要がある。[1]

研究の結論は、もともと変動の大きい装置にさらに変動を加えても、身体能力やトレーニング成果への追加利益は得られないというものだった。負荷を変える仕掛けを増やせば増やすほどよい、という単純な考えには歯止めがかかる。[1]

一方、この結果は「家での予定は毎日固定すべきだ」という意味でもない。比較したのは装置による運動中の予測できない負荷変動であり、曜日ごとの実施回数の配分ではないからだ。変化という言葉が共通していても、変えた対象を確かめずに結論を持ち運ぶことはできない。[1]

数字で読む負荷のそろえ方

41人・22週間:総反復回数をそろえた高齢者の比較試験でも、負荷の指標には差があった。[9]

27人・8週間:セットの組み方によって、単調性と主観的なきつさの結果は一致しなかった。[4]

6人・29週間:自転車短距離選手の観察では、週内と週をまたぐ変動は異なる様子を示した。[6]

63人・6週間:平均負荷をそろえた装置での試験では、予測できない変動の追加に利益はなかった。[1]

疑問の続きは、体で確かめるのがいちばん早い。

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宮川涼 Founder

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