ダイエットの筋トレでクレアチンは最初に多く飲む?少量継続との比べ方

ダイエットの筋トレにクレアチンを加えるとき、最初に多く飲む方法は必要なのか。ローディングを行った試験と日々の補給量を扱うメタ分析から、筋力への効果、対象者や運動内容の違いを読む。少量を続ける方法との比較で気をつけたい点と、体重だけで判断しない記録の付け方を整理する。

筋トレの開始日より前に、クレアチンを多く飲む期間まで用意する必要があるのか。仕事帰りに筋トレを始めたいだけなのに、補給の準備にも助走が必要なのか。クレアチンを検索すると出会う「ローディング」とは、開始時に多めの量を補給する方法である。実際に1日20 gを7日間用いた試験があるが、対象は男性が大半の息止め競技の訓練者であり、18〜39歳の女性の日常の筋トレにそのまま当てはめることはできない。[10]

答えの芯は、最初に多く飲む方法を、筋トレを始める全員の必須条件にはできない、ということだ。筋トレとクレアチンの併用を調べたメタ分析では筋力や除脂肪量への上乗せが認められた一方、補給方法や日々の量などの違いによる効果の差は明確ではなかった。ただし、これは少量継続とローディングが完全に同じ効果だと証明した意味でもない。[1]

既存の「女性の筋トレでサプリは一度にまとめる?クレアチンの量と胃腸の負担を読む」には分割と胃腸負担の論点を譲る。ここで考えるのは、開始時に多く飲む方法と、少量を継続する方法を、どの結果で比べるかである。既存の「女性の筋トレでクレアチンを使うと太る?体重と水分、筋肉の増加を分けて読む」には体重変化を、「クレアチンは運動前と後のどちらに飲む?プロテインと合わせる時刻の研究を読む」には摂取時刻を譲る。袋の説明より先に、筋トレで確かめたい変化を決めておきたい。

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最初に多く飲むかより、何を比べた研究か

クレアチンは筋肉のエネルギー供給に関わる物質であり、運動と組み合わせた補給は、トレーニング能力や筋力、除脂肪量を支える可能性がある。ここでいう除脂肪量は、体重から脂肪を除いた部分の量だ。筋トレとの併用を調べた研究を読むときは、筋力と体組成、つまり体の構成の変化を別々に見る必要がある。[1][6]

たとえば「飲んだ群で筋力が上がった」という結果を見つけても、すぐに開始時の大量補給の手柄にはできない。運動だけの群よりよかったのか、別の量を飲んだ群よりよかったのかで、答えている問いが変わる。運動との併用の有効性を確かめる比較と、補給方法の優劣を確かめる比較は、分けて読むのが筋道である。[1][10]

この違いは、運動着を選ぶ場面にも似ている。ある服で動けたことと、その服が別の服より動きやすいことは同じではない。ある補給方法で成績がよくなった試験があっても、それだけで別の方法を退ける理由にはならない。論文の結論にある「改善」という言葉の横に、何と比べた改善かを書き添えると読み違いを防げる。

また、「少量」も比較の中の言葉である。閉経後女性の研究では1日3 g以下と5 g以上という区分が登場するが、運動を併用していたかどうかも違っている。閉経後女性の結果を18〜39歳の女性にそのまま当てはめて量を決めることはできない。量の数字だけを抜き出して、少ない方は無意味、多い方が正解、と並べることはできない。誰が、何をしながら、どの期間飲んだかをセットで扱う必要がある。[3]

自分の生活に置き換えるなら、まず問いを「何杯飲めばよいか」から「今の筋トレに何を加えたとき、何が変わったのか」へ移す。補給の有無だけでなく、運動を続けられたかを同じ記録に残すためである。量を変えた時期と運動を変えた時期が重なったら、変化の理由をどちらかだけに決めない。この順序が、研究を日常の判断に持ち込む入口になる。

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メタ分析で筋力は上向いたが、量の勝者は決まらない

筋トレとクレアチン補給の併用を扱うメタ分析は、63研究、計1489人をまとめたものだ。対象の年齢や運動歴が異なる研究を含むため、18〜39歳の女性だけの効果をこの統合値で表すことはできない。筋トレだけの場合に比べ、併用した場合は筋力と除脂肪量が有意に増加した。上半身の筋力では、研究間で尺度をそろえた効果量が0.54であった。これは重量が0.54 kg増えるという数字ではなく、違う測定方法の結果を比較可能な形に換算した指標である。[1]

一方、脂肪量には有意差がなく、体脂肪率には小さな低下があった。体重全体に占める割合と、脂肪そのものの量が別の指標であることが、ここでも表れている。この結果を「クレアチンを飲めば脂肪が落ちる」と置き換えることはできない。ダイエットという検索語でたどり着いても、研究が主に支持しているのは、筋トレと組み合わせた筋力や除脂肪量の変化である。[1]

この分析では、補給戦略、日々の補給量、介入期間などによって結果が変わるかも検討されたが、介入方法の違いが効果を有意に左右する結果は得られなかった。だから、最初に多く飲む方法だけを特別扱いする理由は弱い。ただし、栄養摂取や運動歴には研究間のばらつきがあり、量を同じ条件で直接比較した試験と同じ強さで結論づけることはできない。[1]

「差が見つからない」と「同じだと分かった」は違う。前者は、集めた研究の範囲で違いを明確に示せなかったという話である。後者を言うには、同じような対象者と運動条件の下で、比較したい補給方法をきちんと並べる必要がある。今回のメタ分析を読む限り、開始時の量の多さで将来の筋力の伸びを保証する説明には慎重でありたい。[1]

年齢も単純な換算表にはならない。この分析では若い対象者の研究ほど筋力効果が大きい関連が探索的に見られたが、年齢群の人数は均等ではなく、多くの条件を調べた中での結果であった。若いから多く飲む、高齢だから少なく飲むという処方に使える結果ではない。対象の違いを見落とさないための手掛かりとして読むのが妥当である。[1]

多く飲んだ短期試験は、競技の条件まで読む

開始時に多く飲む方法を具体的に見られるのが、息止め競技の訓練者を対象にした二重盲検のランダム化比較試験である。二重盲検とは、本人と評価する側に補給の割り当てを伏せる工夫だ。参加者は20人で、男性18人、女性2人、平均年齢は41.6歳であった。1日20 gを7日間補給し、偽薬を使う群と比べている。男性中心の競技者の結果であり、18〜39歳の女性の筋トレに同じ効果を見込むには対象と運動課題が異なる。[10]

課題は、息を止めたまま自転車エルゴメーターをこぎ、できるだけ長い距離を進むという特殊なものだった。補給群では、総仕事量と限界まで続ける時間の変化が偽薬群より大きかった。除脂肪量の変化にも群による差があったが、脂肪量と体重全体には有意な群間差がなかった。短期間に測った競技課題の成績と、日常の筋トレでの長期的な変化を混ぜないことが大切だ。[10]

この試験は、開始時に多く補給する方法が、特定の訓練者の特定の課題で働いたことを示している。一方、比較相手は少量を継続した群ではない。少量では同じ成績が得られないとも、一般の女性が同じ量を飲めば同じ変化が出るとも言えない。女性参加者が少ないことも、女性の筋トレ全般へ広げて読む際の制約になる。[10]

競技が変わると、結果のまとまり方も変わる。サッカー選手の系統的レビューでは、41の独立した研究を整理したが、反復する短距離走や筋力などに有利な結果がある一方、比較結果は一貫せず、根拠の確かさは非常に低かった。対象は男女のサッカー選手であり、18〜39歳の女性が日常に行う筋トレへ直接置き換えるには、競技と運動条件の違いがある。開始時に多く補給する方法を含む研究で体重が増えることは多かったが、除脂肪量の増加を示す結果も一様ではない。[11]

この食い違いは、クレアチンに意味があるかないかを多数決で決める材料ではない。筋トレ全般をまとめた分析と、競技特有の能力を評価したレビューは、対象も課題も異なる。帰宅後の筋トレのために読むなら、息止めの成績やサッカーの技術より、自分に近い運動条件で筋力を測った結果を優先して考えたい。[1][10][11]

サッカーのレビューでは、方向転換や持久力に一貫した利益はなく、回復や疲労に関する結果も多くは差がないか、一貫しないものだった。筋力に有利な報告を見つけても、運動の後に疲れなくなるところまで期待を広げない。補給を始めた後に何を記録するかは、研究が改善を示した項目に合わせて考える必要がある。[11]

息止め競技の試験でも、息を止めるきつさや筋疲労の主観評価には有意な群間差がなかった。仕事量が増えたという結果と、本人が楽に感じたという結果は交換できない。立川駅北口からの帰り道に「今日はいつも通りだった」と感じても、それだけで補給方法の優劣を判定することはできない。感じ方と実際の運動成績は、記録の中でも名前を分けておきたい。[10]

数字で読むクレアチンの補給研究

63研究・1489人:筋トレとの併用効果をまとめたメタ分析の規模である。[1]

1日20 g・7日間:息止め競技の訓練者の試験で用いられた開始時の補給条件である。[10]

7試験・608人:閉経後女性のメタ分析に参加した人数であり、全員で同じ項目を測ったわけではない。[3]

除脂肪量プラス0.37 kg:閉経後女性の統合結果。95%信頼区間はプラス0.05〜0.69 kgである。[3]

レッグプレスの最大重量プラス7.5 kg:閉経後女性の統合結果。95%信頼区間はプラス2.2〜12.8 kgである。[3]

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宮川涼 Founder

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