
滑りにくさと、切れやすさを分けて読む
摩擦とは、接する表面同士が動くときの抵抗である。一方、切断強度は、引っ張る試験で切れるまでどれだけ耐えるかを扱う。髪の扱いに関わる性質ではあるが、同じ指標ではない。脂質抽出の毛髪実験と、表面の摩擦を調べる計算研究は、この違いを考える材料になる。[4][17]
毛髪表面を模した分子モデルの研究では、脂質の減少に対応する損傷を段階的に設定した。漂白による変化を模した表面は、傷みの程度が増すにつれて水をはじく性質から水になじむ性質へ移り、実際の未処理毛と漂白毛の測定とも比較された。濡れ方には表面の化学的な状態が関わる。[19]
より細かい分子モデルでは、表面の脂肪酸である18-MEAと、関連するタンパク質を組み込んでいる。濡れたときには18-MEAが並び方を変え、タンパク質層へ水が入り込める様子が示された。表面は動かない壁ではなく、水に応じて配置が変わる構造として描かれている。[9]
これらの研究対象は毛髪表面の分子モデルである。18〜39歳の女性の運動中の切れ毛へ、その計算結果をそのまま当てはめることはできない。この記事では、材料の仕組みを理解する根拠として使い、服の素材やまとめ髪の予防効果の順位は付けない。[9][19]
摩擦に踏み込んだ別の計算研究では、漂白毛を模した表面に陽イオン性の界面活性剤を作用させ、未処理毛に見られる低い摩擦が回復する結果を得ている。界面活性剤とは、水と油などの境界の性質を変える物質である。ここでは表面を覆う脂質と吸着分子の組み合わせが摩擦を左右した。[4]
表面に吸着する分子が増える過程では、単分子層に続いて二分子層もできた。しかし両者の摩擦は似ており、上の層は圧縮やずれる力で除かれやすかった。重ねる量が増せば摩擦も際限なく減る、という単純な比例ではなかったのである。[4]
これは研究で使った物質を運動前の髪へ自分で調製して付ける勧めではない。表面を覆うこと、水をはじくこと、滑ることがどう関係するかを考える知見である。運動中に髪が服へ触れるのが気になるなら、まず接触位置を変える案を試すほうが、研究の処理条件を家庭で再現しようとするより具体的だ。
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
脂質が減るほど弱い、という一本道でもない
表面の脂質が大切だと聞けば、脂質が少ない髪ほど必ず切れやすいと考えたくなる。ところが、欧州系の毛髪の外側と内部から脂質を抽出した実験では、予想に反して切断時の強さが増した。対象は毛髪繊維であり、18〜39歳の女性が運動する場面での切れ毛の増減へ、そのまま当てはめることはできない。外側の脂質を除くと主に水分量が減り、水の取り込みと放出も処理によって変わっていた。[17]
この研究の面白さは、「脂質は不要」という答えを得たことではない。脂質の取り出し方、水分の出入り、引っ張ったときの挙動が、同じ向きにそろうとは限らないことにある。内部脂質の抽出では水の透過性が低下し、脂質の流動性と水の移動の関係も検討されている。[17]
一方、脂質を扱ったレビューは、脂質の膜が環境への抵抗性に関わると説明している。この説明と、抽出実験で切断時の強さが増した結果は、どちらかを消してそろえる必要はない。前者が扱う保護の役割と、後者が測った特定条件での引張特性では、答えている問いが違うからだ。[5][17]
キューティクルの研究でも、外側の層を除いた繊維と未処理毛を比較し、引っ張って変形したあとの挙動への影響が示された。髪の強さという言葉の中には、どの層が残っているか、どの段階の変形を見るかといった条件が含まれる。触った印象だけで、試験の成績を代わりに言い当てることはできない。[16]
この違いは、長い髪を持つ人が支度を評価するときにも役立つ。「今日は滑った」「毛先がまとまった」「短い毛が目についた」を、すべて同じ改善や悪化として束ねない。手触りの記録と見た目の記録を分けておけば、あとで結び方を変えるのか、服への接触を変えるのか考えやすい。
たとえば仕事帰りにそのまま動く日と、着替えてから動く日を比べる場合、運動の内容まで同時に変われば原因を選びにくい。服に触れる場面を知りたい日は、何を着てどの動きで気になったかを残す。結果がよかった日だけを書かず、変わらなかった日も残したい。これは実験の代わりではなく、自分の困り事を具体化する手帳の使い方である。
また、短い毛を見つけたからといって、その日の運動で切れたと決めない。材料の試験が教えるのは、繊維の状態と測る指標を区別する大切さである。自分の髪の来歴を、目の前の接触だけから遡って確定させるものではない。[16][17]
長い髪を短くする予定がない人にも、この分け方なら使える。長さを変える前に、服へ触れる位置を観察し、手直しが必要だった動きを残す。見直す対象を小さくすれば、髪型を毎回作り直す必要もない。運動する日だけの特別な正解を探すより、普段の支度のどこに迷いがあるかを見つけたい。

よくある誤解
「濡れたら、どんな髪も同じように弱くなる」という見方は粗い。吸湿研究は処理の異なる毛髪を区別し、外側と内部の応答も分けている。脂質抽出の実験では切断時の強さが増す結果もあった。湿りという言葉だけで、すべての毛髪の切れ方を同じ方向に決めることはできない。[6][11][17]
「摩擦が減ったなら、服と擦れても切れない」も飛躍である。表面を模した計算で低摩擦が得られたことと、運動中の毛髪が切れなくなることの間には、対象と測定の違いがある。とくに髪と服との接触を考えるときは、分子モデルの摩擦をそのまま生活での予防率にしない。[4][19]
「長い髪は高く結ぶほどよい」と一律に決める必要もない。ここで扱った材料研究は、結ぶ高さを競わせた髪型の比較ではない。髪型の名前に効果を背負わせるより、毛先が襟や背中のどこへ来るかを実際に見る。背中に髪が触れるのが気にならない人まで、同じ支度へそろえる話ではない。[6][16]
見た目が整うことと、繊維の性質が変わることも分けておきたい。研究には水の取り込み、表面の濡れ方、引張特性など異なる評価がある。鏡で毛束が小さく見えたという感想を、そのまま内部が修復された証拠へ置き換えない。気になる現象に対応する指標を選ぶ姿勢が、誤解を減らす。[9][11][17]
今日からできること
- 運動前に、着用する服で毛先の位置を確かめる。鏡の前の形だけでなく、予定する動きで襟や背中へ触れる場所を見る。これは髪型の効果判定ではなく、接触位置を調整するための確認である。
- 髪が湿ったと感じたら、外側の見た目と毛束の状態を分けて観察する。吸湿速度の研究ではキューティクルと内部を区別している。同じ「濡れた髪」という呼び方で扱いを固定しない。[11]
- 湿度の数字を運動の可否に変換しない。約30%、約60〜70%は材料の変化を検討した条件であり、切れ毛が起きる境界線として使わない。[6]
- 服への接触が気になる日は、毛先の収め方を変えて、どの動きが楽になったかを残す。髪の滑りと切断時の強さは異なる評価なので、「扱いやすい」と「切れ毛が減った」を別の言葉で記録する。[4][17]
- 商品を重ねる量の多さで結果を予想しない。表面モデルでは単分子層と二分子層の摩擦が似ていた。材料実験の処理を家庭で再現せず、まず自分が困っている接触場面をはっきりさせる。[4]
毛先を収めても服へ触れる場面が残るなら、そこで支度が失敗したと考えなくてよい。目指すのは接触を完全に消す競争ではなく、動きの途中で何度も手直ししたくなる場所を知ることである。運動の前後で困った動作を比べ、自分が続けやすい形を選び直す余地を残しておく。

オンザショアで、支度まで含めて予定を組む
毛先が襟や背中へ触れる動きを確かめるところまで、運動前の支度に含めたい。通う予定を組む際も、髪をまとめ、着替える時間を見込んでおく。オンザショア立川店には、溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガのほか、常温のヨガ、ピラティス、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIIT、パーソナルトレーニングがある。
妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。参加条件とレッスンの種類を店舗案内で確かめたい。ヨガだけで25種類以上のレッスンがある。
営業時間は全曜日8:00〜23:30、年中無休。場所はJR立川駅北口から徒歩1分、東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fである。ヨガの体験は税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。料金を確認し、支度と移動を含めて通える時間が決まったら体験の予約へ進める。
参考文献
[4] Effects of surfactant adsorption on the wettability and friction of biomimetic surfaces — Weiand E, Rodriguez-Ropero F, Roiter Y, Koenig PH, Angioletti-Uberti S, Dini D, , 2023, Physical chemistry chemical physics : PCCP. DOI: 10.1039/d3cp02546b
[5] Integral hair lipid in human hair follicle — Lee WS., 2011, Journal of dermatological science. DOI: 10.1016/j.jdermsci.2011.08.004
[6] Learning from hair moisture sorption and hysteresis — Breakspear S, Frueh P, Neu A, Noecker B, Popescu C, Uellner Q., 2022, International journal of cosmetic science. DOI: 10.1111/ics.12806
[9] Exploring the Effects of Wetting and Free Fatty Acid Deposition on an Atomistic Hair Fiber Surface Model Incorporating Keratin-Associated Protein 5-1 — Sanders JM, Coscia BJ, Fonari A, Misra M, Mileo PGM, Giesen DJ, Browning AR, Hal, 2023, Langmuir : the ACS journal of surfaces and colloids. DOI: 10.1021/acs.langmuir.2c03063
[11] The kinetics of moisture sorption by hair — Breakspear S, Evans T, Frueh P, Neu A, Noecker B, Popescu C, Uellner Q., 2025, International journal of cosmetic science. DOI: 10.1111/ics.13028
[12] New insights into hair compartments swelling via atomic force microscopy and dynamic vapour sorption — Breakspear S, Noecker B, Popescu C., 2025, International journal of cosmetic science. DOI: 10.1111/ics.13061
[16] Cuticle – Designed by nature for the sake of the hair — Breakspear S, Ivanov DA, Noecker B, Popescu C, Rosenthal M., 2022, International journal of cosmetic science. DOI: 10.1111/ics.12782
[17] Exogenous and endogenous lipids of human hair — Coderch L, Oliver MA, Martínez V, Manich AM, Rubio L, Martí M., 2017, Skin research and technology : official journal of International Society for Bioengineering and the Skin (ISBS) [and] International Society for Digital Imaging of Skin (ISDIS) [and] International Society for Skin Imaging (ISSI). DOI: 10.1111/srt.12359
[19] Coarse-grained molecular models of the surface of hair — Weiand E, Ewen JP, Koenig PH, Roiter Y, Page SH, Angioletti-Uberti S, Dini D., 2022, Soft matter. DOI: 10.1039/d1sm01720a
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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