
胸の大きさを測った試験では、速度管理だけの上乗せはなかった
筋肉を育てるために速度の記録をどう使うか。ここは、測定方法の精度から、実際にトレーニングを続けたときの結果へ問いが変わる。鍛えた若い男性19人を対象とする10週間の介入研究は、速度を基に毎回の負荷を調整する群と、最大重量に対する割合を基に負荷を決める群を比べた。18〜39歳の女性で同様の成長が得られるかは、この男性の試験だけでは判断できない。[9]
大胸筋の断面積は、遠位、中央、近位の部位で測られた。端に近い部分だけを見て胸全体の成長を代表させず、場所を分けた評価である。断面積と1RMは両群で同様に増え、開始から終了までの増加は約15%と報告された。一方、最大の等尺性収縮、つまり動きを伴わずに発揮する力と、表面筋電図による筋活動には時間に伴う変化がなかった。[9]
動的な最大重量と、動かさずに出す力も、この試験では異なる変化を示した。この結果を「筋力が増えた」の一言に畳むと、何を測った成果なのかが消える。胸が大きくなったかを考える場面では、断面積の変化という直接の評価を、速度や筋活動とは分けて読む必要がある。[9]
両群の反復回数は同程度で、速度を使う群は重りを下ろす局面の緊張時間が短かった。しかし、速度に合わせて負荷を操作しても、筋肥大や最大筋力、筋活動で上乗せの利点は得られなかった。これは速度を使った群で筋肉が育たなかったという意味ではない。両群とも成長したうえで、速度を使うことによる優位性が認められなかったのである。[9]
対象が鍛えた若い男性である点も残して読みたい。運動を始めたばかりの女性に、同じ増加率を約束する結果ではない。それでも、速度を見ながら負荷を変えれば自動的に胸がより大きくなる、という期待には歯止めをかける。記録の細かさと、得られる筋肥大の大きさは別に検証する必要がある。[9]
低負荷の使い方を調べた無作為化比較試験も参考になる。27人が8週間、週2回のベンチプレスを行い、40%1RMで自分の意思で反復を続けられなくなるまで行う群、同じ負荷で挙上速度が20%低下したところまで行う群、80%1RMで8回を3セット行う群に分かれた。低負荷の両群は総仕事量をそろえていた。18〜39歳の女性への適用は、ここで比べた負荷と仕事量の条件に沿って慎重に考えたい。[5]
低負荷の両群では、長期の筋肥大と筋力増加の反応は同様であった。一方で、高負荷群に比べると、低負荷群は持久力の伸びが大きく、筋力の伸びは小さかった。同じプレスの成果でも、筋肥大、持久力、最大筋力は別の方向に動き得る。限界まで反復したという感覚だけで成長を判定するより、何の成果を狙った練習なのかを先に決めたい。[5]
また、この研究では運動直後の筋肉の腫脹も、長期の筋肥大とは別に測定された。直後の張りを感じた日に「もう大きくなった」と日記に書くなら、まずはその日の感覚として残すのがよい。研究が追った長期変化の欄に、そのまま移すことは避ける。低負荷の終了条件を比べた結果も、総仕事量をそろえた条件の中で理解すべきである。[5]
低負荷と高負荷の試験を並べるときには、比較の相手も区別したい。低負荷の終了条件を調べた試験では、同じ負荷で総仕事量をそろえた群同士の筋肥大が似ていた。他方、速度に応じて毎回の負荷を調整した試験は、割合による負荷設定に対する上乗せを問うたものである。「速度を使った」という共通点だけでは、同じ介入とはいえない。[5][9]
前者の結果から、反復回数や仕事量を気にせず速度低下だけで終えれば十分だとは読めない。後者の結果から、速度の記録には一切価値がないとも読めない。測る目的が筋力の把握なのか、負荷の調整なのか、筋肥大の優位性を得ることなのかで、研究に求める答えが変わる。方法の名前を採用する前に、自分が答えてほしい問いをはっきりさせたい。[5][9][19]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
よくある誤解
「速さが増えた割合だけ胸も大きくなった」という読み方は成り立たない。速度と1RMの変化には関係があるが、相関は筋肉の寸法への換算式ではない。形態を調べた試験は断面積を別に測り、速度に基づく負荷調整に筋肥大の優位性は認めなかった。成績の改善は喜びつつ、その数字が指す対象を広げすぎないことだ。[1][9]
「測定器の画面に出る最大重量は、どの機器でも同じ」とも限らない。筋トレ経験のある男性8人、女性6人のアスリートを対象とした比較研究では、複数の測定機器を用い、45〜85%1RMの負荷で速度を測った。機器によって信頼性や偏りが異なり、実測と推定の1RMにも有意なずれがあった。一部の機器では最大重量を過小に推定した。18〜39歳の女性全般で誤差が同じになるかは、競技経験を持つ男女の結果だけでは判断できない。[19]
この違いは、記録を長く続けるときほど気に留めたい。前の施設と今の施設、借りた測定器と新しく使う測定器で値が違っても、その差を体の変化だけに帰すことはできない。速度を測る段階の違いと、そこから最大重量を推定する段階の違いが重なるからだ。小さな増加を成長の確証にする前に、測定方法がそろっているか確認する。[19]
「速度が落ちた割合を見れば、あと何回できるかも正確に分かる」という期待にも限界がある。十分に鍛えた女性9人、男性10人を6週間調べた研究では、バーの平均速度と、本人が感じた残り反復回数との関係には大きな個人差があった。合計2,972件の測定では、同じ平均速度でも種目、負荷、速度低下の終了基準、セット数によって残り回数の感覚が変わった。18〜39歳の女性でも、筋トレ経験が異なればこの集団と同じ関係になるかは別に確かめる必要がある。[13]
この研究は速度と主観を、補い合うが置き換えられない情報と位置づけている。機器の数字があるから体感は不要、体感があるから測定は不要、とはならない。胸を育てたい日の記録でも、速さ、重さ、反復、きつさを別に残すことで、何が変わったのかを話し合いやすくなる。ひとつの数字にすべての役割を持たせる必要はない。[13]

今日からできること
- 速さを比べる記録には種目を書く。水平と傾斜では負荷と速度の関係が異なるため、男性30人の研究でも別々に評価された。種目を変えた日は、新しい条件の記録として扱う。[11]
- 推定した1RMには「推定」と添える。14人の機器比較では実測とのずれが認められたため、画面の数値を実際に持ち上げた重量へ読み替えない。[19]
- 「胸が大きくなった」の根拠を分ける。19人・10週間の試験が断面積と1RMを別に測ったように、押す成績と形態の評価は別の欄に置く。[9]
- 速度低下を使う場合も、負荷と反復回数を残す。27人・8週間の試験では、20%の速度低下で終える低負荷群と限界まで行う群の総仕事量をそろえて比較した。終了基準だけをまねて同じ結果を期待しない。[5]
- きつさの感覚も記録する。男女19人の研究では、速度と残り反復回数の主観は置き換えられなかった。測定値と感覚が違う日は、両方を指導者に伝える材料にする。[13]
目標を書く言葉も、測定に合わせて具体的にしたい。「胸を育てる」を入り口にしても、今日確かめたのが同じ負荷での速度なら、その成果をそのまま書けばよい。次に確認したいものが最大筋力なら測定方法を相談し、筋肉の形態なら別の評価として考える。研究が項目を分けていることを、個人の記録にも生かす発想である。[9][19]
オンザショア立川店で、通う時間と場所を決める
測定の目標と並べて考えたいのが、運動の予定をどこに置くかである。オンザショア立川店は8:00〜23:30、年中無休で営業している。朝の時間、仕事や講義を終えた後など、自分の生活に通う時間を組み込む場所として検討できる。所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F、JR立川駅北口から徒歩1分である。
パーソナルトレーニングのほか、常温のヨガ、ピラティス、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIITがある。溶岩プレートを敷いたスタジオでホットヨガも行い、ヨガだけで25種類以上のレッスンを用意している。妊娠中は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。運動の種類と通える時間を並べて、続ける予定を考える場である。
ヨガの体験レッスンは税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルを含む。店舗情報と料金を確認し、体験予約から予定を選べる。

参考文献
[1] Velocity-Specific Adaptations to Three Widely Used Strength Training Methods — Trane G, Pedersen S, Mehus HA, Helgerud J, Unhjem RJ., 2025, Medicine and science in sports and exercise. DOI: 10.1249/mss.0000000000003630
[5] Low-Load Resistance Training to Volitional Failure Induces Muscle Hypertrophy Similar to Volume-Matched, Velocity Fatigue — Terada K, Kikuchi N, Burt D, Voisin S, Nakazato K., 2022, Journal of strength and conditioning research. DOI: 10.1519/jsc.0000000000003690
[9] Effects of velocity-based hypertrophy training on pectoralis major morphology, neuromuscular activation and bench press maximal strength — Fitas A, Gomes M, Valdés-Álvarez A, Miras-Moreno S, Cardoso C, Correia PP, Mendo, 2026, European journal of applied physiology. DOI: 10.1007/s00421-026-06428-x
[11] Load-velocity relationship in the free-weight horizontal and incline bench press — Marques DL, Abohasel W, Alkahtani S, Alsaeed M, Algarzae NK, Neiva HP, Marinho D, 2025, Scientific reports. DOI: 10.1038/s41598-025-12166-5
[13] Exercise type, training load, velocity loss threshold, and sets affect the relationship between lifting velocity and perceived repetitions in reserve in strength-trained individuals — Paulsen G, Myrholt R, Mentzoni F, Solberg PA., 2025, PeerJ. DOI: 10.7717/peerj.19797
[16] Bar Load-Velocity Profile of Full Squat and Bench Press Exercises in Young Recreational Athletes — Fernandez Ortega JA, Mendoza Romero D, Sarmento H, Prieto Mondragón L., 2022, International journal of environmental research and public health. DOI: 10.3390/ijerph19116756
[19] Comparison of Velocity and Estimated One Repetition Maximum Measured with Different Measuring Tools in Bench Presses and Squats — van den Tillaar R, Nygaard Falch H, Larsen S., 2024, Sensors (Basel, Switzerland). DOI: 10.3390/s24237422
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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