ブルガリアンスクワットは前傾してよい?胸を張る合図と股関節の負担を読み解く

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効いた感覚や筋電図を、前傾の正解にしない

「お尻に効いた気がするから、この前傾が正解だろうか」。そう考えたくなる場面はある。しかし、先ほどのモーメントと、筋肉の電気的な活動を記録する筋電図は別の指標である。研究を読むときには、抵抗の大きさを測ったのか、筋活動を測ったのかを先に確認したい。[1][4]

訓練経験のある男性サッカー選手23人を対象にした無作為化クロスオーバー試験では、後ろ足を置く面の安定性を変え、自重のブルガリアンスクワット中の筋電図を比較した。クロスオーバーとは、同じ参加者が複数の条件を経験する比較方法である。お尻の大殿筋、太ももの前面や後面の筋を、上がる局面と下がる局面に分けて調べている。18〜39歳の女性にも同じ筋活動の変化が生じるかは、男性選手の結果から別途確かめる必要がある。[4]

結果は、どの筋肉も不安定にすれば一様に活動が増える、という単純な形ではなかった。たとえば太もも前面の筋活動は、下がる局面で後ろ足を大きなボールに置いた条件が高い組み合わせがあり、後面の筋では別の支持条件に差が現れた。大殿筋では、支持面による違いと動作局面との関係も認められた。[4]

この研究は前傾角度を主題にした実験ではない。それでも、前傾の見え方を比べる日に後ろ足の支持条件まで変えたら、筋活動の違いを前傾だけの結果として受け取れないことが分かる。胸の角度を試したつもりが、後ろ足の置き場所も変わっている。比較した条件を言葉にしないと、別の問いを試してしまう。[1][4]

また、その場の筋電図の違いと、練習を続けた後の筋肉の成長は区別する必要がある。この試験が比べたのは動作中の筋活動であり、前傾の違いによる長期的な成長の優劣ではない。「よく働いた」という表現を使うなら、その日のどの筋肉の、どの局面の電気的活動なのかまで含めて読むべきだ。[4]

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比べる日は、胸以外の条件も記録する

前傾を調べるなら、まず同じ条件を再現するためのメモを用意したい。ここで提案するのは研究で優劣が確定したフォームの手順ではなく、比較のための整理である。「上体を少し起こした」と書く日に、足の位置、後ろ足の支持面、重り、靴まで一緒に変えていないかを確かめる。[1][4][17]

靴についても、訓練経験のある男性8人の小規模な実験がある。バーベルを使う両脚のスクワットと前後に足を開くスプリットスクワットで、運動靴を履いた条件と履かない条件を比較した。後ろ足を高くした種目そのものの研究ではないが、前後に足を置く運動では足元が荷重の分かれ方に関わりうることを示している。18〜39歳の女性に同じ荷重の変化が起こるかは、この男性8人の結果からは判断できない。[17]

この研究では、足に加わる力の作用位置の移動や移動速度は、全体として靴を履いた条件で大きかった。スプリットスクワットでは靴なしの条件で前側の脚の力が大きく、後ろ側の脚では反対の傾向があった。左右方向の作用位置の変化について、靴による差は両脚スクワットで0.0〜6.2%、スプリットスクワットで18.6〜28.8%であった。[17]

この数字の用途は、靴を脱ぐ推奨ではなく比較条件の整理にある。種目も前傾の実験とは異なる。実用的には、前回は運動靴、今回は別の足元、という違いを比較メモから落とさないという読み方になる。胸だけを見て変化の原因を決めないための情報である。[17]

動作のどの瞬間を見るかもそろえたい。健康な若い成人21人が、後ろ足を高くするスプリットスクワットを最大挙上重量の80%で行った測定研究では、関節モーメントと床を垂直に押す力の変化を、別の日にも測って再現性を調べた。最大挙上重量とは、その動作で持ち上げられる最大の重さを指す。18〜39歳の女性だけを対象にした結果として扱わず、ここでは測定する局面をそろえる手掛かりとして読む。[14]

動作の中央25〜75%の区間では再現性が良好から非常に良好であった一方、動作の始まりと終わりでは不確実性が大きかった。また、日をまたいだ変動より、同じ測定日の中の変動が大きいと示された。測定装置を使った力の記録でさえ、切り取る場所によって比較の確かさが異なるのである。[14]

測定した反復を増やすと再現性の指標は改善し、その改善の上積みはおよそ10回を超えると小さくなった。これは測定に含める動作数についての結果であり、初心者が行うべき反復回数の指定ではない。研究の測り方の数字を、練習メニューの数字へそのまま移さないことも大切である。[14]

姿勢を比べる相談では、「今の角度を続けるべきか」だけでなく、確認したい動作の場面を指導者と共有しておきたい。しゃがむ途中なのか、底の位置なのか、立ち上がる途中なのかを添える。研究で局面ごとに違いを見たことは、動作をひと続きの印象だけで評価しないための手掛かりになる。[4][14]

これは、スマートフォンの横向き動画でモーメントを測定できるという結果ではない。動画を使うなら、自分が何を変えたかを指導者と共有する補助として扱う。立ち上がり終わった胸の位置だけと、深くしゃがんだ胸の位置だけを比べるのでは、そもそも同じ場面を見ていない。見た目の記録と力の測定の役割を分けておきたい。[14]

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よくある誤解

「胸を張ったら、股関節より膝の運動になる」という決めつけには注意が必要だ。少なくとも自重のブルガリアンスクワットの実験では、狭い足幅で上体を起こすほど後ろ脚由来の股関節への抵抗は増えた。膝の状態まで胸の角度だけで説明せず、前脚の股関節が受け持つ抵抗に後ろ脚が含まれる、と読むのが適切である。[1]

「前傾を変えて持てる重さが増えたら、その姿勢が優秀だ」という判断も急ぎすぎである。筋トレ経験のない活動的な男性14人でスプリットスクワットの最大挙上重量の再現性を調べた試験では、初回から次の測定で平均2.14 kg、その次の測定で平均2.86 kgの増加があった。著者らは測定前にさらに慣れる機会が必要だとした。18〜39歳の女性にも同じ重量増加が起きるかは、この男性の試験からは判断できない。[11]

この結果は、初期に増えた重量がすべて慣れだけで説明できるという意味ではない。ただ、初回の数値を固定された能力のように扱うべきではない。姿勢の変更と練習への慣れが同じ時期に重なれば、重量の伸びを前傾の効果だけと決められない。最初の日のぎこちなさを、筋力の最終評価にしないでおきたい。[11]

「ぐらつくほど筋肉が育つ」という読み方も、測った結果を越えている。後ろ足の支持条件を変えた試験は、特定の筋肉と局面で筋活動の違いを示したものである。胸の角度の正解や長期的な筋肥大の優劣を、その数字の代わりに答えさせない。難しそうな見た目は、目的に合った負荷の証明書にはならない。[4]

今日からできること

  • 合図を受けたら、「胸を張るとは、上体を起こすことか」と確認する。男性9人で前傾条件を比較した研究の結果を、すべての胸の張り方の正解にしない。[1]
  • 比較メモに足幅と上体の傾きを一緒に残す。広い足幅と狭い足幅で、後ろ脚由来の抵抗の範囲が違ったことを踏まえ、角度だけを記録しない。[1]
  • 胸の向きを比べる日は、後ろ足の支持面もメモする。男性選手23人の試験では、支持条件と動作局面によって筋活動に違いがあった。[4]
  • 前回と同じ靴かどうかを確かめる。男性8人の足元の比較では、前後の脚の力の分かれ方にも違いがあった。靴を変える推奨ではなく、比較条件の確認として行う。[17]
  • 初回の重量だけで姿勢を採点しない。男性14人の試験では慣れる機会の必要性が示された。持てた重さの記録には、初めて試した動作かどうかも添える。[11]
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オンザショア立川店で、合図を確かめる時間をつくる

フォームの言葉を確かめる機会も、運動を続ける予定の中に置きたい。オンザショア立川店にはパーソナルトレーニングのほか、常温のヨガ、ピラティスがある。溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガに加え、女性専用のキックボクササイズ、ボクササイズ、HIITもあり、ヨガだけで25種類以上のレッスンを設けている。

営業時間は全曜日8:00〜23:30、年中無休である。場所はJR立川駅北口から徒歩1分、東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F。通う時間と場所を普段の予定に照らし、指導を受けながら運動を続ける機会を検討できる。

参加条件も先に確認したい。医師から運動を止められている方は利用できない。妊娠中は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがある。種目の選択肢と参加条件は、店の案内や料金を見ながら確かめたい。

ヨガの体験レッスンは税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。体験の予約から予定を選ぶ際には、時間と持ち物も照らし合わせられる。胸の角度を一度で決めることを急がず、合図の意味を確かめながら運動を続ける場所を選びたい。

参考文献

[1] Rear Leg-derived Moment Contributes to Resistance Against Hip Extension in Bulgarian Split Squats — Arakawa H, Nakashima H, Li X, Tanimoto M., 2025, International journal of exercise science. DOI: 10.70252/nexq5666

[4] Effects of rear-foot instability devices on lower-limb muscle activation during the Bulgarian split squat in male football players — Topçu H, Güngör AK, Yıldırım Y, Şekir U, Behm DG, Aldhahi MI., 2025, Scientific reports. DOI: 10.1038/s41598-025-32203-7

[11] Reliability of 1RM Split-Squat Performance and the Efficacy of Assessing Both Bilateral Squat and Split-Squat 1RM in a Single Session for Non-Resistance-Trained Recreationally Active Men — Urquhart BG, Moir GL, Graham SM, Connaboy C., 2015, Journal of strength and conditioning research. DOI: 10.1519/jsc.0000000000000824

[14] Reliability of multilevel functional data in resistance training biomechanics – a pointwise mixed-modelling approach — Palamarcukas I, Zhu T, Kong PW., 2026, Journal of biomechanics. DOI: 10.1016/j.jbiomech.2026.113587

[17] Footwear Effects on Postural Stability Are Greater During Unilateral than Bilateral Squat-Based Strength Training Exercises — Guaigua-Moyolema SP, Herrero-Molleda A, García-López J., 2026, Sensors (Basel, Switzerland). DOI: 10.3390/s26134283

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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宮川涼 Founder
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