朝食前の筋トレは回数が減る?食べた日との比較で考える午前中の負荷の決め方

朝食前の筋トレでいつもの回数ができない朝、重さを下げるべきか迷う。朝食を抜くと回数が減った試験と、食事条件で差が出なかった試験を、対象者・負荷・種目・実施時刻から読み比べる。空腹感と出せる力を分け、食べた日と比べる記録の取り方や、その日の負荷を相談する視点を考える。

朝食の皿は空のまま、先にスクワットを始めた。いつもと同じ重さなのに、スクワットの途中で先に止まりたくなる。こんな朝に気になるのは、朝食の一般的な大切さより、今日の重さをどうするかだろう。

朝食を普段から食べる筋トレ経験者の男性では、朝食を抜いた日にスクワットとベンチプレスの総反復回数が減った試験がある。一方、別の食事比較では回数に有意差がなかった。男性中心の結果を18〜39歳の女性にそのまま当てはめられるかは、対象と運動条件を確かめる必要がある。[5][3]

既存記事「体力をつける朝食は抜くと損になる?夕方の持久力と数週間の伸びを分けて読む」に持久力と長期の変化は譲る。ここで考えるのは、午前中の筋トレで食べた日と食べない日の回数をどう比べ、その記録を負荷の相談につなげるかである。

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朝食抜きで減ったのは、決まった重さを繰り返す回数だった

直接この問いを調べた無作為化試験では、筋トレ経験のある男性16人が、朝食を食べる条件と、水だけで済ませる条件の両方に参加した。年齢は平均23歳で、普段から週3日以上は朝食を食べる人たちだった。同じ人が異なる条件を経験する比較なので、個人ごとの筋力の違いを抑えて比べられる。ただし男性だけの試験であり、18〜39歳の女性にも同じ回数の差が出るかは、この比較だけでは判断できない。[5]

朝食を食べる日には、体重当たり1.5 g/kgの糖質を含む食事を取り、その2時間後に運動した。水だけの日にも同じ間隔を置いた。行ったのはバーベルを担いでしゃがむバックスクワットと、あおむけで重りを押すベンチプレスである。それぞれ、続けられなくなるまでのセットを4セット行った。[5]

負荷の表記には注意がいる。この試験は10回反復できる最大の重さを意味する「10RM」を測り、その重さの90%で運動した。「最大の力の90%」という説明では正確でない。基準が、重りを一度だけ挙げられる重さなのか、繰り返して挙げられる重さなのかで、同じ割合でも指す負荷は違う。[5]

スクワットの総回数は、水だけの日が58±11回、朝食を食べた日が68±14回だった。ベンチプレスでは、それぞれ38±5回と40±5回だった。どちらも朝食を抜いた条件で有意に少なかったが、実際の回数の開きは種目によって異なった。[5]

この結果が答えているのは、その場で決まった重さをどれだけ繰り返せたかである。朝食を抜くと最大筋力が同じ割合で落ちる、翌月の筋肉が同じ割合で減る、という数字には置き換えられない。測った項目が反復回数であることを保って読む必要がある。[5]

たとえば朝の記録帳で、重さの欄だけが前回と同じでも、回数の欄まで同じになるとは限らない。この試験を日常に引き寄せるなら、「いつもの重さなのだから最後までできるはず」という予定を、当日の記録と照らし合わせる材料になる。研究の平均値を、そのまま自分のノルマにする必要はない。[5]

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朝食を食べても回数が増えなかった試験もある

一方、筋トレ経験者16人を対象にした別の無作為化クロスオーバー試験では、食事条件による総反復回数の有意差が認められなかった。参加者は男性13人、女性3人で、同じ人が異なる液状の朝食を取って運動した。女性は3人のため、18〜39歳の女性にそのまま当てはめるには対象の偏りがある。[3]

比較したのは、体重当たり1.2 g/kgの糖質を含む朝食、0.3 g/kgの糖質を含む朝食、そして味や食感を合わせた低エネルギーのプラセボである。プラセボとは、比較のために用意する対照条件を指す。この試験では、何も食べずに水を飲むだけの比較とは、対照の作り方が異なる。[3]

朝食の2時間後、参加者は一度だけ挙げられる最大の重さである1RMの80%で、バックスクワット、ベンチプレス、うつぶせで引くローイング、肩の上へ押すショルダープレスを行った。各種目3セット、反復できなくなるまで実施する、約90分の運動だった。[3]

セッション全体でも種目別でも、完了した反復回数に食事条件による有意差はなかった。糖質の多い朝食と少ない朝食では、プラセボより食後や運動前の満足感、胃が満たされた感覚が強かった。満たされた感覚と、実際にできた回数は別の結果を示している。[3]

ここで「お腹が空いていないなら、もっと挙がるはずだ」と決めると、感覚と成績を混ぜてしまう。食事によって変わった自覚と、運動で実際に変わった数字を別々に見る。この区別は、食事の良し悪しを競うより、自分が何を確かめたいかをはっきりさせる。[3]

回数が減った試験と減らなかった試験は、参加者の構成、対照の食事、重さの基準、種目の組み合わせが同じではない。前者は普段朝食を食べる男性での水との比較、後者は女性を含む経験者での液状朝食の比較である。どの違いが結果を分けたかを、この組み合わせだけで確定することはできない。[5][3]

そのため、自分の朝がどちらの結果になるかを、論文の題名だけで選ぶのは難しい。朝食を食べた日も食べなかった日も、実際にできた回数を残すことには意味がある。ただし、個人の記録は個人の条件での観察であり、試験と同じように原因を切り分けられるものではない。

糖質の量より、食事と運動の条件を見る

糖質と筋トレの成績を扱った系統的レビューは49研究を集め、直前の補給、運動で貯蔵糖質を減らした後の補給、短期間の食事変更、長期の食事とトレーニングを分けて検討した。対象は筋トレ実践者や競技者が中心だが、運動を楽しむ人や未経験者も含まれていた。18〜39歳の女性にそのまま当てはめる際には、競技経験や運動量の違いを考慮する必要がある。[12]

直前の糖質補給を扱う19研究のうち、13研究では成績の改善がなく、6研究では改善があった。改善がみられたのは、空腹の対照条件を置いた研究や、筋群当たり10セットを超える運動などが中心だった。結果は補給前の食事と運動量によって分かれている。[12]

しかも、このレビューでは、糖質量が増えるほど成績も上がるという用量反応関係の証拠は認められなかった。食事を取った状態で、筋群当たり10セットまでの運動については、糖質そのものを増やす利点は乏しいという整理である。これは空腹での運動も、食事量も、すべて同じだという意味ではない。[12]

レビューに含まれる比較には、糖質を含む食事が水より有利でも、感覚を合わせたプラセボ朝食との比較では有利でなかった試験もあった。食べた内容だけでなく、対照条件を何にしたかも結果を読む鍵になる。ただし、その結果から個々人の気持ちだけを原因と断定することはできない。[12]

朝食の皿の大きさを、スクワットの成績表の代わりにはできない。食事を用意する目的が、空腹で落ち着かないのを避けたいのか、回数を保ちたいのかでも、確かめる項目が変わる。研究で回数と満足感が一致しなかったことは、目的を分ける手掛かりになる。[3][12]

比較の読み方でもう一つ大切なのは、総回数の差と、その差の確かさを分けることだ。朝食を抜いた試験では、スクワットもベンチプレスも統計的に有意な差だった。しかし、読者が予定表で想像する「どれほど違う朝か」は、回数そのものを見た方がつかみやすい。スクワットとベンチプレスを同じ言葉で「低下」と呼んでも、記録帳に並ぶ数字の開きまで同じではない。[5]

反対に、有意差がない結果も、食事がどんな人のどんな運動にも影響しないという証明ではない。液状朝食の試験が調べたのは、その参加者が、その負荷と種目の組み合わせでできた回数である。食べる行為全体の価値や、朝食の必要性すべてを判定したのではない。研究の問いを狭く保つほど、自分に持ち帰る判断も具体的になる。[3]

系統的レビューの研究数も、単純な賛成票と反対票の数とは違う。直前に補給したのか、事前に運動をして貯蔵糖質を減らしたのか、食事を長く変えたのかで、比較している状況が変わる。レビューがそれらを分けたように、朝食前の短い練習と、運動量の多い予定を同じ棚に入れないことが大切だ。研究数の多さだけで今日の献立を決めるより、どの条件が近いかを見る方が問いに合う。[12]

数字で読む朝食と筋トレの比較

16人:朝食を普段から食べる、筋トレ経験のある男性の試験である。[5]

58回と68回:水だけの日と朝食を食べた日のスクワット総回数で、いずれも4セットの合計である。[5]

38回と40回:同じ試験のベンチプレス総回数であり、種目で回数の開きは異なる。[5]

約90分:別の液状朝食の比較試験の運動時間で、食事条件による回数の有意差はなかった。[3]

13研究と6研究:系統的レビューの直前補給研究で、成績改善なしと改善ありに分かれた数である。[12]

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宮川涼 Founder

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