睡眠前の照明は目を閉じれば届かない?まぶたの透過と眠気を分けて読む

睡眠前の照明は、目を閉じれば気にしなくてよいのか。まぶたを通る光の測定、閉眼中にメラトニンが減った試験と減らなかった試験を読み比べる。色や明るさだけで眠りを決めつけず、実験用の光マスクと寝室のライトの違いを踏まえ、今夜の照明を見直すための考え方を示す。

まぶたを閉じたのに、天井灯の明るさがまだ分かる。ソファでうとうとするとき、目の裏に残る光まで消えたことにしてよいのだろうか。まぶたは光を大きく弱めるが、一部は通す。測定された透過率は、青や緑と赤で異なっていた。[5]

閉じたまぶた越しに光を届け、メラトニンの抑制を確認した実験もある。ただし、別の条件では抑制が認められなかった。「閉じれば影響はゼロ」も、「照明をつけて眠れば必ず眠りが乱れる」も、これらの結果を正確には表していない。[2][4]

ここで確かめたいのは、閉じた目がどこまで光を遮り、測定された反応を寝室の判断へどうつなぐかである。照明の向きと座る位置は既存記事「睡眠前の間接照明は壁へ向ければよい?座る位置と目に届く光から考える夜の支度」に譲り、こちらはまぶたという境界を通った後に話を絞る。

ヨガとからだの記事のイメージ写真 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

まぶたは遮光カーテンより、色のあるフィルターに近い

人のまぶたによる光の減衰を調べた研究では、光を感じ取れる境目の反応を使って透過率を推定した。透過率とは、入ってきた光のうち通り抜ける割合である。推定値は青い光で0.3%、緑で0.3%、赤で5.6%だった。閉じることによる減衰は大きいが、通過する割合は色によって同じではない。[5]

この研究は、まぶたを赤い光が通りやすいフィルターとして捉えている。外の光が一様に薄暗くなるだけではなく、通った後の色のバランスも変わるという意味だ。照明の外見だけを見て「この色だから目の奥にはこう届く」と決める前に、途中にまぶたがあることを考える必要がある。[5]

ただし、赤の透過率が高いという測定結果は、赤い照明の方が必ず睡眠を妨げるという順位表ではない。この研究が評価したのは光の透過であり、寝つくまでの時間や翌朝の調子を色別に比較した成績ではない。光が通る割合と、ある生体反応がどれほど変わるかは分けて読むべき項目である。[5]

たとえば、閉じた目で天井灯の存在を感じる場面を思い浮かべる。その感じ方を手がかりに、照明がついていることには気づける。一方、「ほとんど気にならない」という感覚だけから、ホルモンの変化まで無いと判定することはできない。透過を測る実験とホルモンを測る実験は、確かめている答えが違うからだ。[2][5]

まぶたが光を弱める事実は、まぶたを閉じる意味がないという話でもない。むしろ測定では強い減衰が示されている。寝る前の工夫として考えたいのは、「目を閉じるか、閉じないか」だけで照明の検討を終えないことである。閉眼した状態へ届く光にも、元の照明と通過の条件が残っている。[5]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

閉眼中でも反応した試験は、光の量を個人に合わせていた

閉じたまぶた越しの光とメラトニンを調べた研究は、緑の狭い波長帯の光を出す試作マスクを用いた。中心となる波長は527nmで、まぶたを通過する光を個人に合わせて届けた。同じ参加者の中で条件を比べる実験であり、部屋の照明を好きな位置に置いて眠ってもらった調査とは性質が違う。[2]

メラトニンは、この研究で光に対する反応を調べるために測られたホルモンである。最初の実験では、メラトニンを40%抑制することを想定した個人別の光量を用意し、夜の始め、途中、終わりに照射した。始めは覚醒中、途中はレム睡眠中、終わりはノンレム睡眠中という条件だった。[2]

実際には60分の照射後、暗い対照夜との比較で、夜の始めに36%、途中に45%、終わりに56%の抑制が認められた。眠っている時間帯を含め、目を閉じた状態でも反応が起こりうることを示す結果である。ただし、この並びだけで睡眠段階が差の原因だと断定することはできない。時間帯も違う条件での結果だからだ。[2]

大切なのは、研究者が「室内を少し明るくした」のではなく、閉じたまぶたを通すための光を個人別に調整した点である。この条件を外して抑制率だけ持ち帰ると、寝室の小さなライトにも同じ割合の変化が起こるように読めてしまう。数字は、どの光をどう届けたかと組にして扱う必要がある。[2]

中央線の車内で目を閉じた時間と、帰宅後に照明の下でうとうとした時間を、この実験の数字で採点することはできない。実験結果から持ち帰れるのは、閉眼そのものが反応を必ず遮断するわけではないという点である。家庭の照明の影響の大きさまで、この割合を移し替えることは避けたい。[2]

抑制されなかった試験も、同じ問いの答えに含める

健康なボランティアを対象とした別の対照試験では、閉眼部への光を含む条件を、無作為化し順序の偏りを抑えて比較した。18〜39歳の女性に同じ反応が起こるかは、この試験だけでは判断できない。参加者は実験室を訪れ、深夜0時から午前2時までの処置を受けた。光マスクを1700luxにした条件と、マスクを3lux未満に保った対照条件などが設けられている。[4]

この試験では、唾液中のメラトニンを深夜0時、午前1時、午前2時に測定した。平均濃度は全条件で時間とともに上がり、条件間に統計学的な差は認められなかった。閉じたまぶたへの光刺激によるメラトニン抑制を支持する結果ではなかったのである。[4]

こちらの結果を読むと、「やはり閉じれば大丈夫だった」と言いたくなる。しかし、抑制が無かったという結論は、この照射条件と評価項目に対するものだ。個人別の光量を用いた緑の光マスクの実験では抑制が認められており、閉眼中は絶対に反応しないという説明には収まらない。[2][4]

反対に、抑制された試験があるからといって、抑制されなかった試験を失敗例として片づけるのも早い。両者は、閉じた目に光を当てるという見た目は似ていても、光の設定と届け方が同一ではない。まぶたの透過が色によって変わる測定も踏まえると、「光を当てた」という言葉だけでは実験条件を揃えたことにならない。[2][4][5]

家庭のライトの明るさを調べて、この試験の1700luxより低いから安心、あるいは高いから危険、と線を引く使い方も適切ではない。これは生活上の安全基準を決める試験ではなく、特定条件での反応を比べた試験である。照明の数字が似ていても、個人別に調整した光量や色の条件まで一致するわけではない。[2][4]

この対照試験には、目ではなく膝の裏へ光を届ける条件もあった。膝の裏の光パッドは13,000luxにし、その際の光マスクは3lux未満に保っている。そこでもメラトニン抑制の証拠は認められなかった。目に入る光と皮膚に当たる光を区別するための比較であり、単に部屋全体を明るくした実験として読むと設計の意味を取り違える。[4]

家庭で明るさを話すときには、「部屋が明るい」「顔に光が当たる」「閉じた目の奥まで届く」をひとまとめにしやすい。しかし研究では、光を届ける場所を変え、暗い対照条件と比べている。照明器具がついているという情報だけでは、試験で何を比べたのかに届かない。照射部位まで見ると、結果の受け止め方が具体的になる。[4]

また、唾液のメラトニン濃度が時間とともに上がったことと、光によって抑制されたことは別の比較である。研究では暗い条件も含めた条件間の差を検討し、統計学的な差を認めなかった。光を受けた後の値だけを前の値と比べて、上がったから影響なしと判断したわけではない。反応の有無を読む際は、何に対する差なのかを残しておきたい。[4]

個人別の光量を使った実験で示された抑制率も、比較相手は暗い対照夜だった。照射後のホルモン量が普段より何となく少なかった、という印象の記録ではない。暗い条件を置いて比べることで、夜の経過と照射の反応を検討している。読者が寝室の様子を観察する際にも、実験の比較と生活の感想が同じ精度ではないことは覚えておきたい。[2]

このように、反応のある試験と無い試験を並べる価値は、単純な賛否を決めることにはない。閉じたまぶたがある状態でも、どの条件で、何を対照に、何を測ったかを追える点にある。「明るいまま寝た」という日常語を、そのまま一つの実験条件に置き換えないための読み比べである。[2][4]

数字で読むまぶたと夜の光

青と緑の推定透過率はそれぞれ0.3%。視覚の反応を利用したまぶたの測定値である。[5]

赤の推定透過率は5.6%。この数字は、睡眠への影響の強さそのものではない。[5]

527nmの緑の光を使った実験では、まぶた越しに個人別の光量を届けた。[2]

60分の照射で36%、45%、56%のメラトニン抑制。夜の異なる時点を暗い対照夜と比べた結果である。[2]

1700luxの光マスクを使った別試験では、閉眼刺激によるメラトニン抑制は認められなかった。[4]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

💬 ご質問がある場合はこちらからどうぞ

オンザショアのチャットで質問する(24時間受付)

レッスン内容・料金・体験のご予約など、気になることをお気軽にお尋ねください。

author avatar
宮川涼 Founder

1

2

関連記事

ご体験予約