ピラティスとヨガの違いは息止めで決まる?腹圧と呼吸を合わせる場面から考える

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息止め時間が伸びることと、楽に動けることは別である

呼吸の練習をすると、長く止められるようになることがある。しかし、それをそのまま「体調が良くなった」「クラスについていけるようになった」の代わりにはできない。心的外傷後ストレス障害、すなわち強い体験の後に心身の症状が続くPTSDの患者74人を対象とした無作為化比較試験は、その違いを考える材料になる。通常の認知行動療法にヨガ呼吸を加える群と、療法だけの群を比較した研究だ。参加者の84%は女性で、平均年齢は44.2歳であり、健康な18〜39歳の女性への効果はこの試験では判断できない。[17]

割り付けられた参加者を含めて比較する解析では、主な評価項目であるPTSDの重症度や、その他の評価項目で有意な群間差は見られず、例外は息止め時間であった。呼吸を加えた群に有利な差は20.81秒、95%信頼区間は13.05〜28.60秒だった。信頼区間は、差の推定に伴う不確かさの幅を表す。止められる時間には差があっても、主要な症状の差と同じ結果にはならなかった。[17]

練習中に有害事象がなかった31人に絞った探索的な解析では、症状と精神面の生活の質に良い結果が見られた。一方、呼吸の息止め中に有害事象があった参加者では、対照より症状が強い結果であった。対象を絞った解析と全体の解析で見え方が違うため、著者らも結果は予備的なものとしている。良かった側だけを選んで「息止めでストレス改善」と宣伝する読み方はできない。[17]

別の研究では、医療従事者100人に短いヨガ呼吸の動画を用いた練習を勧めた。比較する対照群を置かない前後比較で、4週時点のデータ提供者は56人であった。感染症流行に関するストレスへの対処や立ち直る力の尺度には改善が見られた一方、一般的なストレスの尺度と息止め時間には変化がなかった。ここでも「気持ちの指標」と「息止めの成績」は一緒には動いていない。感染症流行下の医療従事者という条件で得られた結果を、18〜39歳の女性一般にそのまま当てはめるには慎重さが必要だ。[16]

この前後比較から、動画が変化の原因だったと確定することはできない。対照群がなく、全員が終わりまでデータを提供したわけでもないからだ。[16] ただし、日常の記録を何にするか考える際には参考になる。呼吸が止まらず動けたか、説明を聞く余裕があったか、つらい場面を講師に伝えられたか。そうした練習上の目標と、研究用の息止め測定を混ぜずに置いておきたい。

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大きく吸えば整う、とは決めない

息を止めていたことに気づくと、今度は深く、速く、たくさん吸って取り返そうとするかもしれない。しかし呼吸の機能障害や過換気症候群を扱った系統的レビューでは、深すぎる呼吸や速すぎる呼吸、不規則な呼吸に息止めやため息が混じる状態が扱われている。対象は呼吸の機能障害や過換気症候群のある成人であり、健康な18〜39歳の女性にその治療結果をそのまま当てはめることはできない。単に空気を多く動かせばよいという整理ではない。[8]

このレビューが採用したのは、小規模な無作為化比較試験だけであった。呼吸練習を加えた群、リラクゼーションの群、治療をしない対照群は各15人で、発作の頻度や重さの低下が報告された。しかし、著者らは効果の大きさを評価する情報が得られず、臨床での判断を支える確かな証拠はないと結論している。「研究で良かった」とだけ言えば、この大事な不確かさが落ちる。[8]

ここでいう「確かな証拠がない」は、呼吸練習が絶対に無意味だという意味でもない。どの方法が誰にどれほど役立つかを、治療として判断できる段階ではないということである。[8] 高血圧患者の試験でゆっくりした呼吸に変化があったことと、呼吸の機能障害への治療効果が確定していないことは、矛盾しない。対象も、比べる方法も、測っている結果も違うからだ。[1][8]

したがって、ピラティスとヨガとストレッチを比べる際にも、「深呼吸が多い種目が自分に合う」と短絡しない。体を伸ばすことを中心に探しているのか、動作中の息止めを相談したいのか、呼吸に関する症状について医師の評価が必要なのかを分ける。スタジオ選びの相談と、病気の診断や治療の相談には、それぞれ伝えるべき内容がある。

目の病気がある場合も、種目名だけで判断しない。緑内障と活動を扱ったレビューは、バルサルバ動作を伴う場合や、頭を非常に低くする場合のヨガなどを避ける対象として挙げている。これは緑内障患者に向けた検討であり、18〜39歳の女性でも病気の有無を分けて読む必要がある。緑内障について医師に相談する際は、息を止めて力む場面や頭の位置を具体的に伝える意味がある。[7]

レッスンで気になったことを伝える際も、症状の原因を自分で呼吸に決めつけない。「息が止まった」と「体調が悪かった」は、それぞれの出来事として伝えればよい。呼吸の機能障害を扱う研究の対象と、初心者が動きに集中して一時的に息を止めた場面は、そのまま同一にはできない。[8] 診断名を検索して自分を分類するより、実際に起こったことを言葉にする。

研究の種類にも役割の違いがある。静脈の観察はその場の反応を示し、比較試験は決められた対象と条件で群の違いを調べ、系統的レビューは治療を判断する証拠がどれだけそろっているかを検討している。[2][8][17] 全部を「ヨガの呼吸は効く」という一文に畳むと、自分の問いに近い結果が見えなくなる。初回で知りたいのが息止めの扱いなら、効果の宣伝より、実際の方法を聞くところから始めたい。

yogaのレッスン前の様子生徒の足もとにあるヨガマット 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

よくある誤解

「ピラティスは力むもの、ヨガは止めないもの」という分け方は粗い。呼吸を止めないウジャイ呼吸を扱う観察研究がある一方、息止めを含むヨガ呼吸の比較試験もある。種目名と呼吸法の対応を固定するより、実際に行う方法を確認する必要がある。[2][17] 初回の説明で聞きたいのは、自分が今行う動作にどんな合図があるかだ。

「止められる時間が長いほど効果が高い」という見方も一致しない。PTSDの試験では、全体の比較で息止め時間に差が出た一方、主要な症状の差は有意ではなかった。医療従事者の前後比較では、気持ちに関する一部の尺度が変わっても息止め時間は変わらなかった。[16][17] ストップウォッチは時間を測れるが、レッスンの価値を全部は測れない。

「呼吸法なら誰が同じように行ってもよい」とも言えない。PTSDの試験では息止め中の有害事象の有無で結果が異なり、緑内障のレビューでは力みや頭の位置が問題にされた。[7][17] 自分に持病があるか、苦しくなる方法があるかは、種目の一般的な印象より具体的な情報になる。無理に続けて慣れるという目標を、自分だけで設定しない。

今日からできること

  • 初回の前に「意図した息止めを行うクラスか」を聞く。呼吸を続けるウジャイと、息止めを含むヨガ呼吸は別の方法として扱われている。[2][17]
  • 動作中に止まったら、「どの姿勢で、動きのどの部分か」を講師に伝える。10人の静脈の観察も立位という条件で行われており、姿勢を省いて結果を広げないことが大切だ。[2]
  • 息止めの自己記録を競争にしない。比較試験の20.81秒という差は、症状改善の差を表す数字ではない。[17]
  • 呼吸の不調を、大きく吸う練習だけで治そうとしない。呼吸の機能障害のレビューは、深すぎる・速すぎる呼吸も扱い、治療効果の証拠は不十分とした。症状については医師に相談する。[8]
  • 緑内障で通院中なら、頭を低くする姿勢や息を止める場面を医師に伝え、参加内容を相談する。種目名だけで可否を決めない。[7]
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オンザショア立川店で、息が止まる場面から参加内容を選ぶ

「脚を上げる途中で息が止まる」と伝えるところから、初回に参加する内容を考えたい。呼吸法の名前を知っていることより、動作と呼吸をどう合わせるかを相談するためだ。オンザショア立川店には常温のヨガとピラティスがあり、溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガもある。ヨガだけで25種類以上のレッスンがあるため、店のサイトで種類を確認し、希望するクラスで息止めを行うかを事前に尋ねたい。

参加条件もクラス選びに関わる。妊娠中の方は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。

ヨガの体験は税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。費用は料金ページ、申し込みは体験の予約で確認できる。

所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F、JR立川駅北口から徒歩1分。営業時間は8:00〜23:30、年中無休である。相談したい動作と通える時間をそろえ、呼吸を確かめながら続ける予定を立てたい。

参考文献

[1] Effect of slow- and fast-breathing exercises on autonomic functions in patients with essential hypertension — Mourya M, Mahajan AS, Singh NP, Jain AK., 2009, Journal of alternative and complementary medicine (New York, N.Y.). DOI: 10.1089/acm.2008.0609

[2] Morphology of the Veins in Healthy Individuals in the Area of the Saphenofemoral Junction during Normal Breathing, Valsalva Maneuver, and Ujjayi Breath — Kovalko U, Kawalec A, Bulińska K, Simka M., 2025, International journal of yoga. DOI: 10.4103/ijoy.ijoy_214_24

[7] Lifestyles guide and glaucoma (i). Sports and activities — Moreno-Montañés J, Antón-López A, Duch-Tuesta S, Corsino Fernández-Vila P, Garcí, 2018, Archivos de la Sociedad Espanola de Oftalmologia. DOI: 10.1016/j.oftal.2017.09.005

[8] Breathing exercises for dysfunctional breathing/hyperventilation syndrome in adults — Jones M, Harvey A, Marston L, O’Connell NE., 2013, The Cochrane database of systematic reviews. DOI: 10.1002/14651858.cd009041.pub2

[16] Effects of the Brief Simha Kriya Breathing Practice for Health Care Workers During the COVID-19 Pandemic — Wagner RW, Mallaiah S, Anderson CR, Engle R, Vasu V, Bruera E, Subramaniam B, Co, 2024, Journal of integrative and complementary medicine. DOI: 10.1089/jicm.2023.0692

[17] The integration of yoga breathing techniques in cognitive behavioral therapy for post-traumatic stress disorder: A pragmatic randomized controlled trial — Haller H, Mitzinger D, Cramer H., 2023, Frontiers in psychiatry. DOI: 10.3389/fpsyt.2023.1101046

この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。

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