ダイエットの間食の麺は水洗いでどう変わる?ぬめりと栄養を別々に確かめる

ダイエット中の間食にそばやうどんを選ぶとき、水洗いでぬめりが取れれば消化も変わるのだろうか。パスタのミネラル分析、うどんの食感測定、洗浄と冷却の研究から、洗って変わる成分と舌触りを読み分ける。塩分や糖質を洗い落とす話と区別し、家庭で比べる条件を考える。

ざるの中の麺を流水にさらす。指に触れる感じが変わると、さっきより軽い食べ物になった気がする。夕食までのつなぎに用意した小さなうどんでも、洗う前と後の見た目の差は気になるものだ。ざるから落ちる白く濁った水を見て、栄養まで軽くなったのかと考える。

答えの芯は、洗った後の食感と、食べる栄養や体内での消化を別々に見ることである。パスタの成分分析では水洗いで測定対象のミネラルが減った。一方、うどんの食感研究では、弾力、柔らかさ、滑らかさを異なる手順で測っている。指先や舌の感覚だけを、栄養や消化の指標にはできない。[3][4]

「間食のうどんは硬めにゆでると腹持ちする?でんぷんの消化と満腹感を分けて読む」が扱うゆで加減と腹持ちの問いは、そちらに譲る。「ダイエットの冷やし中華は水洗いで糖質が減る?麺から出る成分と一食分を読む」とも区別し、ここでは洗った麺の何を観察すればよいかに焦点を絞る。

既存の「ダイエットの缶詰きのこは水洗いする?塩分と残る栄養を研究から読み分ける」が題名に掲げる塩分と栄養の問いも、そちらに譲る。こちらの中心は、麺を触った感想と機器で測る食感をどう対応させるかである。

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ぬめりが減ったという感想を、何の変化として読むか

麺の表面を触った感想には、滑りやすい、柔らかい、よく伸びるなどの言葉が並ぶ。日常ではひとまとめに「コシが違う」で済むこともある。ところが、うどんの測定方法を検討した食品実験では、弾力と柔らかさと滑らかさを分けて評価した。似た食感の言葉でも、測っている性質は同じではない。[4]

この研究は、太さとアミロース含量の異なるうどんを作り、機器による評価法を確かめたものだ。アミロースはでんぷんを構成する成分の一つである。麺の直径が大きくなると弾力が増し、アミロース含量が低くなると滑らかさと柔らかさが増した。食感には洗い方だけでなく、配合と大きさも関わっていた。[4]

ここで大事なのは、滑らかさを感じた理由を、表面から何かが流れたことだけに決めない点である。もともとの材料の違いでも、滑らかさの測定値は変わる。食べ比べで使う麺そのものを替えたら、水洗いという操作と原料という条件が混ざる。洗い方の違いを知りたいなら、同じ麺を使うという比較の設計が先に必要になる。[4]

「洗ったらでんぷんが減った気がする」という言い方にも、観察と推測が同居している。触った感じが変わったのは観察である。それをでんぷんの量に置き換えるのは成分についての推測であり、さらに消化が遅くなると考えるのは体内の反応についての推測だ。うどんの機器測定から直接読めるのは、配合や太さに関連する食感までである。[4]

家庭での感想を否定する必要はない。食べやすさは、間食を用意するときの立派な判断材料である。ただし、その感想に別の意味を背負わせない。「口当たりが好みだった」と「栄養が減った」を別の欄に置く。食品研究でも食感測定と成分分析は違う方法で行われているため、暮らしの記録でも分けておく方が筋が通る。[3][4]

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水洗いで減った成分を調べたパスタの実験

水洗いが栄養成分に影響する例として、パスタのミネラルを調べた研究がある。対象は人の減量ではなく食品そのもので、6種類のパスタ、35試料を分析した。塩を加えるかどうか、ゆでた後に流水で洗うかどうかという調理条件を変え、ミネラルの含量と残り方を検討した実験である。食品の分析なので、18〜39歳の女性が食べた際の消化や減量への影響には、そのまま当てはめられない。[3]

結果は、水洗いによって測定したすべてのミネラルの含量が減るというものだった。また、塩を加えた湯で調理するとナトリウムが増え、ほかのミネラルの含量とは負の相関があった。無塩の湯でゆでたパスタは、塩を加えた湯でゆでたものよりナトリウムが少なく、ほかのミネラルが多かった。洗う操作と、ゆで湯の条件は別々に押さえる必要がある。[3]

ここでいうミネラルは、でんぷんと同じ成分ではない。研究はパスタがポーランドの食生活でマグネシウム、銅、マンガンの供給源になることにも触れている。水洗いでミネラルが減ったという結果は、栄養の一部が調理条件で動くことを示す。糖質全体やエネルギーが同じ割合で減った、と置き換える数字ではない。[3]

著者らは、ミネラルの面からは無塩でゆで、水洗いをしない方法を最良とした。この結論には、何をよいと評価したのかという物差しが付いている。対象としたミネラルを保つという目的での評価であり、冷たいそばの口当たりまで含めた料理全体の順位表として読むものではない。[3]

間食にそばやうどんを用意する場面では、パスタで得た結果との距離も残しておきたい。この実験の対象はパスタである。麺という共通点はあっても、原料や製品をまたいで減少量を転記することはできない。家庭で食べるそばの栄養表示から、水洗い分として一定量を差し引くという使い方にも結びつかない。[3]

「減る」と聞くと、ダイエット中には良い知らせに見えやすい。しかしこの研究が減少を確認したのは、食生活での供給源としても評価したミネラルだった。流れ出るものを一括して不要なものと呼ばず、何が減ったかを確かめる。ざるの下に落ちた水は、都合の悪い成分だけを選んだ水ではない。[3]

冷水でしめた弾力は、消化の試験結果とは違う

うどんの食品実験では、弾力を評価する準備として、ゆでた麺を10°Cの冷水で30秒洗った。その後、麺を1本ずつ機器で引き伸ばし、切れるまでの性質を測った。引く速さは毎秒3mmで、特定の位置での硬さを弾力の指標に使っている。冷水にさらす手順は、測定の条件をそろえる役割を持っていた。[4]

一方、柔らかさと滑らかさは、冷却して30秒水切りした麺を別の測定具で評価した。弾力の測り方と同じではない。口の中では同時に感じる性質を、実験では切り分けている。この違いを知ると、「しめるとコシが出る」という日常の表現を、もう少し細かく聞き直せる。伸び方なのか、押したときの硬さなのか、表面の感触なのかという問いだ。[4]

研究で冷水洗浄を使ったこと自体は、長く洗うほど好ましい食感になるという証明ではない。この実験が示したのは、決めた方法でうどんの性質を測れることと、配合や直径に応じてその性質が変わることである。測定前の準備手順を、家庭用の最適な調理時間としてそのまま採用するのは飛躍になる。[4]

同じ理由で、30秒という数字を消化の切り替わる境目にもできない。機器で麺を引っ張る試験が評価するのは、食品の物理的な性質である。食べた人の血糖、空腹感、その後の食事量という指標とは区別して読む。短い数字ほど台所でまねしやすいが、その数字が何のために設定されたかまで一緒に持ち帰りたい。[4]

たとえば、夜の間食用にいつものうどんを洗い、以前より弾力を感じたとする。その経験は食感の好みを選ぶ材料になる。ただし、食べる量を増やしてよい根拠にはしない。実験で評価した弾力の変化に、食事量の判断まで任せる必要はない。器に盛る量を決める作業と、好みの食感に仕上げる作業を分ければよい。[4]

食べ比べの問いも、できるだけ狭くすると扱いやすい。「洗った方がよい麺か」では、原料、調理法、好み、栄養の評価が全部入り込む。「この麺で、洗った後に気になるのは滑らかさか弾力か」なら、うどんの研究が分けた性質に沿って観察できる。食品全体の優劣を決めず、実際に気になっている感覚を選ぶことが出発点になる。[4]

また、ゆで湯を変えた日と洗い方を変えた日をまとめて比較しない方がよい。パスタの分析では、塩の添加と水洗いの両方がミネラル含量に関わっていた。調理後に差があっても、その差を水洗いだけの結果と呼ぶには、ほかの条件をそろえる必要がある。料理のメモに湯の条件も残しておけば、何を変更した日の感想かを後から確認できる。[3]

器の中でひと続きになっている麺も、研究では観察の単位を選ぶ。うどんの弾力の測定では、麺を束のまま引くのではなく、単独の麺を引き伸ばした。家庭で機器測定を再現する必要はないが、束のほぐれやすさについての感想と、麺そのものの伸びについての感想を分ける視点にはなる。違う問いに同じ「コシ」という答えを付けないための工夫である。[4]

数字で読む麺の水洗い

6種類・35試料。水洗いとゆで湯の条件を比較したパスタのミネラル分析の対象である。[3]

10°C・30秒。うどんの弾力を機器で測る前に用いた冷水洗浄の条件である。[4]

毎秒3mm。うどんを切れるまで引き伸ばした試験の速さで、食べる速さではない。[4]

30秒。うどんの柔らかさと滑らかさを調べる際に用いた水切りの時間である。[4]

5研究。グルテンの交差接触と調理操作を扱ったミニレビューが検討した関連研究の数である。[1]

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宮川涼 Founder

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