ストレス発散は猫を眺めるだけでもよい?触れ合う場合と体の反応を比べて読む

ストレス発散に猫を眺める時間と触れ合う時間をどう選ぶか。犬との交流を調べた無作為化試験や動物福祉のレビューを手掛かりに、気分、心拍、コルチゾールの違いを読む。猫への効果を決めつけず、家での休憩を自分の感覚と動物の都合から考え、触れない選択にも目を向ける。

洗い物を終えて手を拭くと、猫は窓辺で外を見ていた。そばへ行ってなでるか、その姿をソファから眺めるか。ストレス発散をしたい夜には、どちらがよいのだろう。

触れる方が必ず体を落ち着かせる、とは決められない。健康な男女の成人が犬と人の同伴者のいる場で熱による痛みを受けた試験では、人だけが同伴する場合より心拍が高かった。18〜39歳の女性が家で猫と休む場面に、そのまま当てはめることはできない。動物がいることと、生理的な指標が一律に下がることは同じではない。[14]

猫を眺めるだけでは不足だと考える必要はない。一方、犬の試験を使って眺める場合と触れる場合の優劣は、この犬の試験の比較対象から外れる。この記事では、触れる回数の多さを目標にせず、自分がどう感じたか、何が測られたか、動物に選択の余地があるかを分けて考える。[10][14]

ヨガとからだの記事のイメージ写真 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

猫との休憩は、触れた量で採点しない

帰宅後の猫との時間を思い浮かべると、同じ部屋にいること、姿を目で追うこと、手を伸ばしてなでることがひと続きに見える。しかし研究を読む際には、それらをひとまとめにすると比較の意味が変わる。犬を対象とした無作為化比較試験でも、動物の存在だけでなく、交流の種類や長さ、犬自身の行動を記録して生理指標との関係を調べている。[14]

ここでの無作為化とは、参加者を偶然に基づいて群に分ける方法である。試験では犬と人が同伴する群と、人だけが同伴する群を比べた。猫を見た群となでた群を比べた設計ではない。この区別を保つだけで、「触れると癒やされる」という大きな言葉から、何を比べて何が変わったのかという具体的な問いへ進める。[14]

たとえば、猫が自分から隣に来た夕方と、机の下にいる猫を呼んだ夜を、自分の中で同じ休憩として扱わなくてもよい。これは効果の順位を決める話ではなく、過ごした場面を言葉にする提案である。読書をしながら時折猫を見たのか、猫と向き合うことだけに集中したのか。自分の記録には、その程度の違いを残せばよい。

動物を介した支援についての学際的なナラティブレビューは、人間が目標を決め、交流を組み立て、動物の行動に意味を与えるという偏りを論じている。ナラティブレビューは、関連する知見を論述して整理する研究の型であり、ここでの議論は接触の効果量を計算したものではない。[10]

人間が「私を慰めに来た」と思った場面でも、その解釈だけで動物の体験まで確定したことにはならない。同レビューは、人の利益と動物の福祉の両方を評価し、休息、離脱する機会、動物が選べる余地を含めるよう求めている。猫との日常にも、この視点を借りることはできる。触ることを休憩の必須条件にしない、という選び方である。[10]

既存記事「筋トレ後の入浴は寝た姿勢でも同じ?座る場合と血圧・心臓の反応を比べて読む」には、姿勢と循環の問いを譲る。ここで扱うのは、動物との距離や関わり方を、観察する指標と相手の都合からどう読むかである。

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

犬の試験では、そばにいると心拍が上がった

比較の軸になるのは、健康な成人58人を対象とした試験である。男性14人、女性44人で、年齢は18〜66歳だった。18〜39歳の女性だけの結果として読むには、対象の幅が広い。犬と人の同伴者がいる群と、人の同伴者だけがいる群に無作為に割り付け、それぞれが同伴ありと同伴なしの条件を、順序の釣り合いを取って経験した。[14]

参加者は各条件で5分間、熱による痛みの刺激を受け、試行の間には20分の休憩を置いた。心拍、心拍変動、皮膚の電気的な反応を連続して記録し、血圧と唾液中コルチゾールを前後に測った。くつろぐために自宅で猫を眺める夜とは、刺激も環境も違う。まず実験の舞台を押さえる必要がある。[14]

結果は、犬と人の同伴者がいる群の心拍が、人だけの群より高かったというものだった。この群間差の統計的な指標はp=0.013である。これは差を評価するための値であり、心拍がどれほど増えれば日常で意味があるかを示す値ではない。心拍の増加幅をこの値から読み取ることはできない。[14]

さらに、同じ人の中で同伴ありと同伴なしを比べると、犬と人がいる群でも、人だけの群でも、同伴ありで心拍が上がった。著者らは、犬の存在がある程度の覚醒、つまり活動的な反応を伴う可能性を挙げている。「動物がそばにいるなら、脈は必ず静かになる」という予測とは違う結果である。[14]

ただし、心拍が高いことだけで「嫌だった」と決めるのも飛躍になる。この試験の生理測定から、猫を好きな人が猫との時間をどう楽しむかまで採点することはできない。動物を見てうれしいという日常の感想と、特定の刺激の下で測った心拍の結果は、別の欄に置いて読む方がよい。[14]

この試験が比較したのは、犬が加わった場面全体である。犬のぬくもりだけを取り出した実験でも、猫の映像と実物を比べた実験でもない。結果を家に持ち帰るときに役立つのは、接触を増やす具体的な処方ではなく、存在、交流、身体反応を区別する姿勢である。[14]

コルチゾールだけを「癒やしの点数」にしない

コルチゾールはストレス反応の調節に関わるホルモンである。犬を扱うレビューでは、ストレスだけでなく、代謝や生理・行動の恒常性との関わりも整理されている。恒常性とは、体の状態を保つ働きのことである。「ストレスの悪玉」という呼び方だけでは、このホルモンの役割を狭めてしまう。[13]

同レビューは犬の血液、唾液、尿、毛、便などを用いた測定法を取り上げ、精度や実際の利用を論じている。対象は犬であり、18〜39歳の女性のストレス評価に直接当てはめる根拠にはならない。測定する材料や対象の動物まで含めて読む研究であり、犬の値をそのまま飼い主の心の状態に置き換えるものではない。人の安心と、動物の体の反応は分けて扱う必要がある。[13]

先ほどの健康な成人の試験では、犬がいること自体によって、心拍以外の生理指標には群間比較でも同じ人の中での比較でも影響が認められなかった。唾液中コルチゾールや血圧を測っていても、犬の存在が全部を下げたという結果ではない。好ましい指標だけを選んで紹介すると、研究の顔つきが変わってしまう。[14]

心拍変動とは心拍の間隔の揺らぎであり、皮膚コンダクタンスは皮膚の電気の通りやすさを捉える測定である。この試験では、そうした異なる指標を同時に調べた上で、同伴者との交流時間や犬の行動との関係を分析している。測っている窓が違う以上、結果を単語ひとつの「癒やし」に畳まない方が理解しやすい。[14]

猫を眺めてほっとした夜に、脈やホルモンまで確かめないと休憩の価値を検査で証明する必要はない。日常の振り返りなら、「仕事の続きを考え続けていたか」「その時間を自分で選べたか」と、自分が答えられる問いから始めればよい。これは生理指標の代わりになる検査ではなく、その夜の過ごし方を選ぶためのメモである。

比較をもう少し丁寧に見ると、人だけが同伴した群でも、同伴ありでは皮膚の電気的な反応が高くなっていた。犬がいる場面だけが特別な刺激だったと単純化せず、人がそばにいて関わることも実験の一部だったと捉える必要がある。猫に触れる手の動きだけに注目してしまうと、こうした周囲の条件を見落としやすい。[14]

また、同伴ありと同伴なしを同じ参加者が経験する比較には、人ごとの違いを踏まえて反応を読む狙いがある。一方で、そこで経験したのはあくまで実験中の痛みと同伴の組み合わせである。帰宅後に自分で休憩を選ぶ場面の自由さや、暮らしている猫との関係まで同じにすることはできない。比較の工夫を評価することと、結果の適用先を広げることは別の判断になる。[14]

日常で取り入れやすいのは、感想の言葉を細かくすることだ。「癒やされた」だけで終わらせず、猫の動きを見ていた、仕事の画面を閉じていた、触れずに同じ部屋で過ごした、とその場面を書いてみる。次に休むとき、自分が何を選びたいかを考える手掛かりになる。脈を測らなくても書ける内容であり、研究結果を自分の体に当てはめた断定にもならない。

数字で読む動物との交流の試験

58人:熱による痛みの場面で、犬と人の同伴と、人だけの同伴を比べた健康な参加者の人数である。[14]

18〜66歳:参加者の年齢範囲であり、若い女性だけに限定した試験ではない。[14]

5分間:各条件で熱による痛みの刺激を与えた時間を示す。猫と休憩する推奨時間とは区別する。[14]

20分:試行の間に置いた休憩の長さである。動物との交流に必要な間隔を定める数字とは異なる。[14]

p=0.013:犬と人の同伴群と、人だけの同伴群の心拍の差に関する値であり、癒やしの強さの点数ではない。[14]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

💬 ご質問がある場合はこちらからどうぞ

オンザショアのチャットで質問する(24時間受付)

レッスン内容・料金・体験のご予約など、気になることをお気軽にお尋ねください。

author avatar
宮川涼 Founder

1

2

関連記事

ご体験予約