女性の筋トレ漫画は主人公に似ていると続く?共感と実際の運動量を読み分ける

女性の筋トレ漫画で主人公に共感すると、実際の運動も続くのか。文化に合わせたアニメーションの観察研究、運動を促す映画の質的研究、物語を取り入れた運動ゲームのレビューから、親近感、やる気、行動の違いを読む。見た目の似た主人公を探す前に、読む楽しさを生活の中の実践につなぐ視点を考える。

筋トレ漫画を開いたまま、床に敷いたマットへ目を移す。主人公が初めて運動する場面にはうなずけた。自分も動こうと思ったのに、読み終えるころには夕食の段取りが始まっている。心が動いたことと、体を動かしたことは、同じ日の中でも別の出来事だ。

主人公への親近感は、運動に関心を向ける入口にはなりうる。文化に合わせたアニメーションの観察研究では登場人物への肯定的な同一化が語られ、運動を促す映画の研究でも登場人物の現実感が意欲に関わる仕組みとして挙げられた。対象はアフリカ系米国人の母子や透析医療に関わる人々であり、18〜39歳の女性の漫画読書と筋トレ継続にそのまま当てはめるには、対象と媒体が異なる。[2][3]

既存記事「ヨガの歴史を読むと動きも覚えやすい?物語の楽しさと手順の定着を読み分ける」には、物語と動作を覚える話を譲る。ここで考えるのは、主人公を「自分に近い」と感じることが、運動への気持ちや生活上の実践とどうつながるかである。

ヨガとからだの記事のイメージ写真 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

主人公に似ていることと、運動が続くことを分ける

筋トレ漫画を選ぶとき、年齢や仕事、運動経験が自分に近い主人公に目が留まることはあるだろう。だが、「似ている」の中身は曖昧だ。同じ服装に親しみを感じるのか、初めて運動する不安にうなずくのか、できない場面の言い訳に覚えがあるのか。読者としては同じ共感でも、何に反応したかを言葉にすると、作品から持ち帰りたいものが見えてくる。

運動を伴うゲームと物語を論じたレビューは、物語によって登場人物や筋書きへの関与、意欲、繰り返し遊ぶこと、行動上の結果が改善する可能性を挙げている。一方で、プレーヤーと登場人物の同一化の過程は十分に理解されておらず、測定の難しさも課題としている。これは期待される仕組みを整理したレビューであり、似た主人公を選べば運動が続くという効果量を示した試験ではない。[1]

同一化とは、ここでは登場人物に自分を重ねる感覚として読めばよい。登場人物が好きなこと、作品の続きが気になること、自分にもできそうだと思うことは、読み終えた後に分けて尋ねられる。どれも読書の楽しさを損なうものではない。ただ、好きな人物が登場しただけで、次の運動予定まで決まったことにはならない。

レビューで挙げられた「繰り返し遊ぶ可能性」にも、媒体の違いがある。運動ゲームは遊ぶために体を動かす。漫画は椅子に座ったまま読み進められる。ゲーム内で物語を追うことと運動することが結びつく構造を、漫画を読み続ける行動へ移す際には、この違いを残して考える必要がある。[1]

ページをめくる手はよく動く。それを筋トレの実績に数えたい日もあるが、読了の記録と運動の記録は別の欄に置くほうが、今回の問いには正直だ。漫画を楽しんだ日を失敗扱いするためではない。読書が担った部分を認め、その先に何を用意するか考えるためである。

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

文化に合わせたアニメでは、何が変わったのか

身近さを考える手がかりになるのが、アフリカ系米国人の母子に向けて、文化に合わせたアニメーションを載せたウェブサイトを調べた観察研究である。研究を完了したのは母子93組だった。食事と身体活動を扱う母子向けの取り組みであり、18〜39歳の女性の筋トレ漫画読書にそのまま当てはめるには、文化的背景や親子で利用する条件が異なる。[2]

母親では、身体活動について、まだ変えるつもりがない段階や考えている段階から、準備や実行の段階へ進む変化が報告された。身体活動に関する前後の比較は、P値が0.001未満だった。また、対象とした行動について知識、変化の段階、自己効力感にも改善が報告されている。自己効力感は、自分にも行動できそうだという見込みとして理解すると読みやすい。[2]

子どもの自由記述では、健康的な食事や運動をする褐色の肌の登場人物に、肯定的に自分を重ねることや、人物の行動を見て学ぶことが語られた。自分たちに届く表現を用意する意義を考えさせる結果だ。ただし、母親の行動段階の変化と、子どもが語った人物への親近感は、同じ人の同じ測定結果ではない。両者をつないで「似た主人公だから母親の運動量が増えた」と説明するのは飛躍になる。[2]

さらに、P値は運動時間がどれだけ増えたかを表す数字ではない。この研究で身体活動への準備や行動段階が変わったという結果を、漫画によって筋トレの実施時間が何分増えるかという数字には変換できない。差が統計的に検出されたことと、生活上どれほどの変化があったかは、別々に読む必要がある。[2]

漫画選びに戻すなら、外見の一致だけを条件にするより、「この人物のどの行動なら、自分の暮らしでも試せそうか」と問いを置く読み方が考えられる。これは研究で有効性が確かめられた漫画の選定法ではなく、人物への親近感と実践への見通しを混同しないための読み方の提案だ。

現実感のある物語は、周囲の声も変えうる

運動を促す映画を調べた別の研究では、透析を受ける患者10人、医療者10人、家族介護者10人への質的インタビューが行われた。質的研究は、数値の平均差を求めるより、参加した人が何を感じ、どのように受け止めたかを言葉からたどる方法である。この研究では映画への関わりと、その影響を生む仕組みが調べられた。透析医療の場の結果を18〜39歳の女性の筋トレにそのまま当てはめるには、健康状態と支援環境が異なる。[3]

映画は、運動の重要性や利益への理解を深め、患者の運動への意欲を促し、家族や医療者が運動を励ますことにも役立つと受け止められた。登場人物への同一化などの現実感や、対話などの表現上の質が、その仕組みとして挙げられている。本人だけでなく、周りがどう声をかけるかも物語の届く先になっていた。[3]

ここでの対象は透析医療の場であり、健康な成人女性の筋トレ継続へ結果を一般化することはできない。また、参加者が映画を有効だと受け止めたという結果は、運動量の客観的な増加を表す数値ではない。意欲や理解を調べた研究として読むと、何が分かり、何とは区別すべきかが明確になる。[3]

それでも、漫画を読む際の問いは広がる。主人公だけに注目せず、運動を始めた人物へ友人が何と言ったか、困っているときにどんな会話があったかを拾ってみる。自分が欲しかったのは強い体への憧れなのか、それとも初心者の自分を急かさない言葉なのか。作品の中で気になった場面を、そのまま生活の点検に使うことはできる。

家族へ漫画を勧める場合も、「これを読めば運動するはず」と結論を先に置く必要はない。「この場面の何が現実に近かったか」と話すだけなら、読む人の感想を聞ける。映画研究で示されたのは、現実感や対話が受け止め方に関わったということだ。そこから特定の声かけの成功率まで約束することはできない。[3]

映画研究から漫画へ話を戻すときには、現実感の意味も広げすぎないほうがよい。研究で挙げられたのは、登場人物への同一化や対話などを通じて、映画が運動の理解や意欲に関わったという受け止め方である。人物の性別、年齢、外見のどれが最も重要だったかという順位を付ける結果ではない。「自分に似た主人公」という言葉だけで、その仕組みを説明し尽くすことはできない。[3]

また、物語を読んだ直後に尋ねる感想と、その後の日常での実施を確かめることでは、確かめる対象が違う。面白い場面を読み終えた直後なら、「動きたい」という答えには、その時点の気持ちがよく表れる。後から予定を振り返れば、用事との衝突や実施できた場面が見える。どちらかだけを本当の自分と決めず、質問に対応した答えとして残すと整理しやすい。

母子研究と映画研究を並べる意味は、互いを追認する票にすることではない。前者は文化に合わせた表現と行動段階、後者は現実感と本人や周囲の受け止め方を考える材料になる。異なる対象と方法の研究を、漫画の継続効果という同じ結論へ急いで寄せず、それぞれが照らしている部分を読む姿勢が必要だ。[2][3]

数字で読む共感と運動の研究

母子93組:文化に合わせたアニメーションを扱う観察研究の完了者で、日本の成人女性だけを調べた人数ではない。[2]

P値0.001未満:母親の身体活動に関する行動段階の前後比較であり、運動量の増加率ではない。[2]

患者10人:運動を促す映画の質的インタビューに参加した透析患者の人数である。[3]

医療者10人、家族介護者10人:同じ映画研究は、患者の周囲がどう受け止めたかも調べている。[3]

18研究:南アジア系移住者の身体活動への認識や経験を整理したレビューの対象数である。[5]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

💬 ご質問がある場合はこちらからどうぞ

オンザショアのチャットで質問する(24時間受付)

レッスン内容・料金・体験のご予約など、気になることをお気軽にお尋ねください。

author avatar
宮川涼 Founder

1

2

関連記事

ご体験予約