ダイエットのお茶は茶葉を細かくすると濃くなる?粒の大きさと待つ時間を読む

ダイエットのお茶を選ぶとき、細かい茶葉ほど成分が出るのかは気になるところだ。紅茶の抽出実験と緑茶の粉砕研究から、粒の大きさ、湯量、抽出時間の関係を読む。濃度と取り出せた総量、工業的な加工と家庭の淹れ方を分け、濃い一杯を減量効果と取り違えないための見方を整理する。

茶こしに残った大きな葉と、底に沈んだ細かな粉。同じお茶でも、細かなほうが早く濃く出るのだろうか。朝の支度中には待ち時間も気になる。ダイエットへの期待まで重なると、葉を砕く手間が体重の変化につながるようにも思えてくる。

答えの芯は、細かい茶葉で抽出液中の成分濃度が高くなる例はあるが、粒度だけでは決まらない、である。紅茶粉末を使った実験では、茶葉の量、湯量、粒の大きさで結果が変わった。さらに、成分が早く出ることと、最終的に多く取り出せることは別の評価だ。[16][3]

既存記事「脂肪燃焼のお茶は二煎目も同じ成分?カテキンとカフェインの出方を研究で読む」には、同じ茶葉を繰り返し淹れる問いを譲る。ここで比べるのは、淹れる前の茶葉の細かさと、その後の待ち時間である。判断の材料は飲料や粉末を測った食品科学の実験であり、体重変化を測る試験とは区別して読む。[2][3][16][20]

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茶葉の細かさは、ほかの条件と組み合わせて読む

家庭の場面に比較的近いのは、紅茶の一種を粉末にして、一杯ずつ抽出する機器を使った実験である。研究者は粒径を0.30 mmと0.60 mm、湯量を118、177、236 ml、粉末量を1.0、1.5、2.0 gとして、可溶性糖、総アミノ酸、ポリフェノール、カフェインの濃度を測った。対象は人ではなく、条件を変えて淹れた紅茶液だ。18〜39歳の女性が飲んだときの体重変化へ、そのまま当てはめることはできない。[16]

全体の傾向としては、粉末量が多いほど濃度は高く、湯量や粒径が大きいほど濃度は低かった。つまり、茶葉が細かければ成分が出やすいという見立ては、この抽出条件では支えられる。ただし同時に、茶葉をどれだけ使い、どれだけの水に出したかも結果を左右した。[16]

台所で比べるなら、「昨日より細かい葉を使った」という記憶だけでは足りない。マグを大きいものに替えた、茶葉を少し多く入れた、抽出の器具を替えた。そうした違いが重なると、粒度の影響だけを取り出して考えにくくなる。この研究の読み方を家庭へ下ろすなら、まず比較の条件をそろえる、という手順になる。[16]

また、この実験で扱ったのは特定の紅茶と抽出機器である。急須に入れる緑茶や、粉末をそのまま飲むお茶まで、同じ差が出ると決めるのは早い。実験結果の適用先を考えるときには、「茶」という名前だけでまとめず、原料と調製方法を一組で見る必要がある。[16][2]

粒径の数字も、製品の良し悪しを直接示す点数ではない。この実験が答えるのは、決められた条件で粒の大きさを変えると抽出液がどう変わるか、という問いだ。細かい茶葉を選ぶこと自体を目標にするより、今の淹れ方で何を変えたいのかを先に決めたほうが、結果を受け止めやすい。[16]

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濃い一杯と、効率よく取り出した一杯は違う

研究の具体例を見ると、0.30 mmの紅茶粉末2.0 gを118 mlの水で抽出した条件で、可溶性糖は412.3 μg/ml、総アミノ酸は251.6 μg/ml、ポリフェノールは208.9 μg/ml、カフェインは205.3 μg/mlだった。いずれも抽出液の一定体積あたりに、どれだけ成分があるかを示す濃度である。[16]

ここで目を止めたいのは、比較に使われた従来法の値だ。同じ順に312.4、204.1、211.6、175.9 μg/mlで、ポリフェノールは機器で淹れた条件よりわずかに高かった。したがって、この比較を「細かい茶葉なら、どの成分も従来法より多くなる」と言い換えることはできない。測る成分によって向きが違う場面がある。[16]

また、研究は濃度だけでなく、使った茶葉の重さに対して一杯にどれだけ成分を取り出せたかも評価している。濃度が高い条件と、この抽出効率が最大になる条件は一致しなかった。可溶性糖とカフェインの効率が高かったのは、0.30 mmの粉末1.0 gと236 mlの水を使う条件だった。[16]

少ない水に多くの茶葉を使えば、濃い飲料を作る方向になる。一方、原料をどこまで活用できたかを知るには、飲料の濃さとは別に、使った茶葉の量を分母にした評価を見る。この違いは、濃縮したものを効率のよいものと呼んでしまわないために大切だ。[16]

朝のマグを見ながら知りたいのは、味として十分な濃さなのかもしれない。食品製造で知りたいのは、原料から成分をどれだけ回収できるかかもしれない。目的が違えば「よい条件」も変わる。数字を比べる前に、濃度を比べているのか、原料あたりの回収を比べているのかを確かめたい。[16]

抽出効率を成分ごとに見ると、さらに違いが分かる。紅茶の実験では、ポリフェノールの効率が最も高かったのは茶粉末1.5 g、アミノ酸では2.0 gを使う条件だった。糖やカフェインで高かった1.0 gという条件だけを採用しても、すべての成分の効率を同時に最大化したことにはならない。[16]

つまり「成分をよく出す」という希望にも、何の成分かを補う必要がある。複数の測定項目を持つ研究では、目的が違えば選ばれる原料量も違う。一杯の中にいろいろな成分がある以上、単独の数字から万能の淹れ方を決めるより、どの項目の比較なのかを追うほうが研究に忠実だ。[16]

水で出す研究でも、すべてが一方向に増えるわけではない

茶とショウガ、それらの混合物を調べた食品科学研究では、粉末の大きさを0.425、0.710、1.180 mmに分け、水による抽出液と、エタノールを含む抽出液などを比較した。測定項目には総フェノール量と、複数の方法で評価した抗酸化に関する指標が含まれる。ここでも対象は人の体ではなく、調製した抽出液である。18〜39歳の女性の体内で同じ抗酸化作用が生じるかは、この抽出液の測定からは判断できない。[20]

水で抽出した場合、最も細かい0.425 mmの粉末で抗酸化に関する成分や指標が高くなる傾向があった。茶の総フェノール量は、この粒径で685.44±175 mg没食子酸当量/L、0.710 mmでは679.06±169 mg没食子酸当量/Lだった。没食子酸当量は、測定した量を比較用の物質に換算して表す単位である。[20]

平均値の並びだけなら、細かいほうが高い。しかし示された値には幅があり、隣り合う粒径で平均値が大きく離れているわけではない。ここから、少し細かくするだけで劇的な差が出ると読むのは無理がある。粒度の影響という結論と、家庭で実感できるほど大きな差があるかという問いは分けておこう。[20]

さらに、水とエタノールの混合液やエタノールによる抽出では、どの粒径で最大の値になるかが、測る抗酸化指標によって変わった。研究の結論も、最適な粉末の大きさは抽出に使う液体と測定項目に依存する、というものだ。細かさだけを共通の物差しにすると、この条件の違いを見落とす。[20]

家庭で飲むお茶を考える際には、水による結果がまず関心の中心になる。別の液体を使った研究の高い値を、そのまま急須の成績に移すことはできない。論文の数字を眺めるときは、成分名の隣に、何で取り出したかを書き添える。その小さな確認で、比較できる数字と比べにくい数字が分かれる。[20]

この研究で抗酸化の評価に使われたのは、DPPHやABTSという方法で調べるラジカル消去活性、鉄をつかまえる作用、過酸化物を消去する作用などである。ラジカル消去活性は、実験で使う反応性のある物質への働きを測る項目だ。似た名前で並ぶ数字でも、測定している反応は一つではない。[20]

そのため、ある指標で高かった結果を、別の指標でも同じように高いと受け取らないことが大切になる。茶、ショウガ、混合物を扱う研究の中でも、原料と抽出液の組み合わせを残して読む必要がある。家庭の紅茶の粒度比較と並べる際にも、両方が同じ成分を同じ単位で測ったのかを確認したい。[20][16]

中央線の車内で研究紹介を流し読みすると、目に入りやすいのは大きな数字だけだ。しかし手元の一杯に関係するのは、その前にある原料と条件である。水で抽出した茶の結果をまず読み、ほかの原料や溶媒の結果は区別する。この順序なら、茶葉を細かくする話を、別の抽出技術の話と混同せずに済む。[20]

数字で読む茶葉の粒度と抽出

0.30 mmと0.60 mm:紅茶の機器抽出で比較した粉末の粒径である。[16]

118〜236 ml:同じ紅茶実験で変えた湯量の範囲だ。[16]

685.44±175 mg没食子酸当量/L:0.425 mmの茶粉末を水で抽出した総フェノール量である。[20]

9〜25%:蒸気処理と微粉砕を組み合わせた茶粉末で、未処理試料より増えた対象成分群の最大収量の範囲だ。[3]

5.85時間:緑茶のボールミル加工で求められた最適粉砕時間であり、家庭のお茶を浸す時間ではない。[2]

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宮川涼 Founder

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