
続かなかった理由を本人の自信だけに戻さない
オンラインの運動を欠席すると、「また自分の意志が弱かった」と考えたくなるかもしれない。しかし職場の運動継続は、本人の特徴だけでは読み切れない。首や肩に痛みのある事務職132人の研究では、心理社会的な職場環境の悪さと、運動に対する自己効力感の低さが、その後の低い実施状況を予測していた。首や肩に痛みのある事務職の結果であり、18〜39歳の女性全体の継続を予測する基準にはできない。[11]
自己効力感は、その行動を自分が実行できると思える感覚を指す。この研究では運動を2分または12分、週5日行う条件に割り付け、続く10週間の実施回数を調べた。長い方のプログラムであることは、低い実施状況と関連していなかった。短くすることだけが継続の解決策になる、という単純な図式ではなかった。[11]
この研究が調べたのは、カメラの効果ではなく、運動の実施状況と職場環境などの関係である。運動内容の条件を割り付けることと、職場環境や自己効力感の影響を調べることは、同じ分析の中でも問いが異なる。職場環境を変えれば必ず何回増える、という因果の数字としては読まない。研究は環境と本人の運動への考え方を並行して考慮するよう提案している。[11]
検査技師を対象にした別のクラスター無作為化比較試験でも、自己効力感と継続の関係は一様ではなかった。クラスターとは集団単位で割り付ける方法である。監督下で首・肩の筋力運動を行う282人と、比較対象の255人を設定し、運動群は20分を週3回行った。全体の実施率は45%だった。検査技師の勤務環境での結果を18〜39歳の女性の働く場へ移すには、職場ごとの違いも検討する必要がある。[6]
20週間後、民間企業では自己効力感が低い群に対し、中程度の群と高い群の実施に関するオッズ比はそれぞれ2.37、2.93だった。オッズ比は確率そのものの比ではないため、「参加率がそのまま約3倍」とは書けない。さらに、公的部門の企業でも運動群全体でも、自己効力感による有意な差は認められなかった。[6]
首や肩の症状を持つ事務職の研究と、検査技師の研究では、自信と継続の関係の現れ方が異なる。[11][6] こうした違いを踏まえると、画面に向かう勇気がある人ほど成功する、と決めつけるのは早い。本人が「できそう」と思うことを大切にしつつ、職場や実施条件による違いも残しておく必要がある。
予定を考える時には、運動の内容が難しかったのか、参加できる時間に仕事が終わらなかったのか、誰かに見られる場面が気になったのかを分けて振り返る案がある。これは原因を診断する手続きではない。同じ欠席の印に異なる事情を詰め込まず、次に何を相談するかを言葉にするための整理だ。カレンダーの空欄だけで人格まで採点する必要はない。
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
出席率、運動量、腰の変化は別の成績表である
職場運動の数字は、研究によって数え方も違う。活動量が十分でない成人を対象にした40日間の小規模な無作為化比較試験では、指導者のいる運動を勤務後に行う25人、勤務中に行う23人、待機する比較群23人を設定した。運動群は勤務中と勤務後で実施の長さなども異なるプログラムだった。活動量が十分でない成人の試験なので、18〜39歳の女性全体に同じ実施状況を見込むことはできない。[9]
開始前と終了後の検査を完了した割合は、勤務後群76.0%、勤務中群65.2%で、群間の差は認められなかった。一方、指導付きセッションの実施状況は勤務後群70.4%、勤務中群26.4%だった。研究に最後まで関わったかという指標と、実際に各回の運動をしたかという指標は、同じ結果にはならない。[9]
この研究では両運動群で、比較群に対して身体活動や有酸素能力などの改善が報告された。ただし、勤務後と勤務中では内容や時間の条件が違うため、「仕事が終わったという気分だけで参加が増えた」とは言えない。まして画面の有無の結果でもない。参加の比較をする時は、何を実施する予定だったかまで一緒に読む必要がある。[9]
腰の変化については、病院の看護補助者を対象にした別の無作為化比較試験がある。90人を運動群と比較群に割り付け、準備運動、筋力運動、ストレッチを組み合わせた12週間のプログラムを調べた。平均参加回数は17.5回だった。運動群では体幹を曲げる筋力の改善と腰の症状の減少などが認められた一方、体幹を伸ばす筋力や柔軟性には群間差がなかった。身体的負担のある看護補助者の結果を、18〜39歳の女性の座り仕事での腰の変化にそのまま当てはめることはできない。[4]
体幹を曲げる筋力の効果量は0.77と報告された。効果量は変化の大きさを表す指標で、筋力が77%増えたという意味ではない。腰の症状の改善と、測ったすべての身体機能が改善することも区別したい。身体的負担のある看護補助者への運動結果であり、デスク前でふくらはぎを動かす方法やカメラ使用による腰への効果の証明には置き換えられない。[4]
自分の運動を見直す時も、参加できたか、予定の内容を行えたか、体の状態はどうだったかを別々に残す考え方がある。参加できた日が増えても、痛みを我慢して動く目標にはしない。症状について判断が必要な時は医師に相談する。オンライン参加の記録は治療の成績表ではなく、日々の実施を把握するために使いたい。

よくある誤解
「カメラをオンにすれば、見られているので続く」という理解は飛躍がある。介護職の遠隔運動で報告されたのは、指導付きプログラムでの実施率と、それに関連する個人・勤務上の特徴である。オンにする指示だけを取り出した効果の数字として64%を使うことはできない。映像を届ける手段と、継続に関わる条件をまとめて眺める必要がある。[10]
「監督なしでは運動を維持できない」とも限らない。大学職員の試験では、長期の中高強度の身体活動が増えたのは監督なし群だった。ただし個人に合わせることや健康・体力評価も含む結果である。「指導を受ける意味がない」と読むのも違う。支援の要否を、常時見られているかどうかだけで決めない方がよい。[3]
「休憩を短くすれば、周囲の目も解決する」という考えも分けてみたい。聞き取りでは短く柔軟な休憩が好まれたが、仕事量や管理職の受け止め方への懸念も語られた。また事務職の研究では、長い方の運動と低い実施状況との関連は認められなかった。希望する長さ、実施できる場面、職場の理解はそれぞれ確認する対象である。[8][11]
今日からできること
- 17人の聞き取りで語られた「上司にどう受け取られるか」を、自分にも気になる点か考える。遠隔運動の案内では、指導者と勤務評価者の役割を確認する質問を用意する。[8]
- 12週間・週2回・各45分という介護職の研究を、短いデスク休憩の標準にしない。参加したい企画の時間と内容を確認し、自分の勤務に入る予定か照合する。[10]
- 記録では接続と運動の完了を分ける。平均64%が指定強度での完了割合だったように、自分が何を数えているかを最初に書いておく。[10]
- 欠席の振り返りには勤務の事情も残す。交替勤務と実施率の関連を調べた105人の研究を、本人の意志だけで評価しないための手掛かりにする。[10]
- 監督を比べた56人の試験を参考に、相談したい内容を決める。初めの評価を受けたいのか、毎回の動きを確かめたいのか、自分で続ける内容を相談したいのかを言葉にする。[3]

オンザショア立川店で、画面の外にも予定を置く
勤務中の短い休憩とは別に、仕事の前後に通う運動の場所を検討するなら、営業時間も予定の組み立てに使える。オンザショア立川店は8:00〜23:30、年中無休で営業している。所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3Fで、JR立川駅北口から徒歩1分である。
溶岩プレートを敷いたスタジオでのホットヨガに加え、常温のヨガ、ピラティス、パーソナルトレーニングなどがある。ヨガだけでも25種類以上のレッスンがあり、勤務中とは別の時間に取り組む場所として検討できる。ここで示すのは通う選択肢であり、画面越しの運動とどちらが続くかを保証するものではない。
妊娠中は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。参加条件と店の案内を確かめ、勤務と両立できる通い方を考えたい。
ヨガの体験レッスンは税込1,980円。60分のレッスンに、バスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。料金を確認し、実際の時間を予定に入れる際には体験の予約を参照できる。
参考文献
[1] Workplace exercise in telework: implementation of distance postural health actions in times of pandemic — da Fonte ACFC, da Silva VM, Carvalho FLR, Freitas GA., 2021, Revista brasileira de medicina do trabalho : publicacao oficial da Associacao Nacional de Medicina do Trabalho-ANAMT. DOI: 10.47626/1679-4435-2021-833
[3] Physical Activity Participation After a 16-Week Supervised Workplace Exercise RCT With a 15-Month Follow-Up — Hunter JR, Gordon BA, Huynh M, Benson AC., 2021, Journal of occupational and environmental medicine. DOI: 10.1097/jom.0000000000002272
[4] Effects of a workplace exercise program on physical capacity and lower back symptoms in hospital nursing assistants: a randomized controlled trial — Moreira RFC, Moriguchi CS, Carnaz L, Foltran FA, Silva LCCB, Coury HJCG., 2021, International archives of occupational and environmental health. DOI: 10.1007/s00420-020-01572-z
[6] Influence of self-efficacy on compliance to workplace exercise — Pedersen MM, Zebis MK, Langberg H, Poulsen OM, Mortensen OS, Jensen JN, Sjøgaard, 2013, International journal of behavioral medicine. DOI: 10.1007/s12529-012-9239-0
[8] Office workers’ perspectives on implementing active breaks supported by a digital intervention to alleviate spinal pain: a qualitative study — Tersa-Miralles C, Bravo C, Masbernat-Almenara M, Bellon F, Rubí-Carnacea F, Rubi, 2026, Brazilian journal of physical therapy. DOI: 10.1016/j.bjpt.2026.101634
[9] Changes in Physical Activity Behaviour and Health Risk Factors Following a Randomised Controlled Pilot Workplace Exercise Intervention — Burn N, Norton LH, Norton LH, Drummond C, Ian Norton K., 2017, AIMS public health. DOI: 10.3934/publichealth.2017.2.189
[10] Predictors of Adherence to a videoconference-Based Therapeutic Exercise Intervention in Eldercare Workers: A Secondary Analysis of Participants in the ReViEEW Randomized Controlled Trial — Teno SC, Rodriguez-Larrad A, Irazusta J, Echeverria I, Ugalde-Aranzabal N, Mosqu, 2026, Journal of occupational rehabilitation. DOI: 10.1007/s10926-026-10449-w
[11] Influence of psychosocial work environment on adherence to workplace exercise — Andersen LL., 2011, Journal of occupational and environmental medicine. DOI: 10.1097/jom.0b013e3181207a01f
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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