縄跳びダイエットの回数は後から思い出せる?記憶の合計と実測の差を読む

縄跳びダイエットで体重が変わらない時、後から思い出した回数を運動量の確かな証拠にしていないだろうか。身体活動の自己申告と加速度計を比べた研究から、平均が近くても個人の記録は一致しない理由、短い振り返りにも残るずれ、回数と時間を混ぜずに記録する考え方を読む。

夜、縄を片づけてから記録帳を開く。「途中で引っかかった分も入れたはずだが、合計はいくつだったか」。脚に残る感覚は確かでも、合計の欄だけが空白になる。そこで思い出した回数は、数えながら残した記録と区別して扱いたい。身体活動の研究では、短い時間を振り返る自己申告でも、機器で測った活動量より大きな値になる例がある。[15]

答えの芯は、後からの記憶だけで実測と同じ精度を期待しないことだ。ただし、身体活動の時間についての結果を、縄跳びの回数の誤差率に置き換えることもできない。ここで扱うのは、記憶した量と測った量を比べる際の考え方である。自己申告と加速度計の平均が近い集団でも、個人ごとの対応は強くない例がある。[17]

既存記事「縄跳びダイエットは疲れると着地間隔も乱れる?回数とリズムを分けて読む」には動作中のリズムの問いを譲る。「縄跳びダイエットの回数は時計で正確?活動の判別と跳躍数を分けて研究で読む」が扱う機器の跳躍判別とも分け、こちらは跳び終わった後、記録帳へ何を転記するかを考える。

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思い出した回数に、実測という名札を付けない

自己申告とは、本人が自分の活動を答える方法である。一方、加速度計は体の動きを機器でとらえる。両者は同じ身体活動を調べるために使われるが、値の一致は検証が必要だ。日常の活動を本人の回答と太ももに装着した加速度計で比較した測定研究では、本人の回答による活動量が機器の値よりかなり大きかった。[15]

この研究の参加者は315人で、7日間、加速度計を着け、毎日5回の質問に答えた。調べたのは、生活のその時々に回答する方法である。遠い昔をまとめて思い出す質問だけがずれる、という話ではない。身近な振り返りであっても、活動の量を正確に再現する課題は残った。[15]

縄跳びに置き換えるなら、記録の欄を作る段階で「数えた回数」と「後からの推定」を別にする考え方になる。これは縄跳びで効果が実証された記録法としてではなく、比較する数字の出どころを残すための工夫である。推定しか残っていない日は、そのまま推定と書けばよい。見栄えのよい整数で空欄を埋めても、測定が追加されたわけではない。

たとえば「縄を持っていた時間」と「実際に跳んだ時間」を同じ欄に入れると、後から何を合計したのかが分からなくなる。回数を忘れた時に時間へ置き換えても、それは別の項目として残す。記録帳の目的を、頑張りを立証することから、次に比較できる材料を残すことへ移すのである。

この区別が必要なのは、自己申告がすべて無価値だからではない。先の測定研究では、同じ人の中で活動が多い時と少ない時の対応は中程度で、他の生活変数との関連を調べる用途には有用性も認められた。活動量の絶対値が正しいことと、変動の関連をとらえられることは、別々に評価される性質なのだ。[15]

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集団の平均と、あなたの記録の一致は別である

過体重または肥満のある米国の現役軍人113人を調べた観察研究は、平均と個人の違いをよく示す。女性は58%で、加速度計による中高強度の身体活動は日平均93分、質問票では91分だった。軍務と体格の条件がある集団の結果なので、18〜39歳の女性一般にそのまま当てはめることはできない。中高強度とは、この研究が活動の強さを分類するために使った区分である。[17]

平均値だけを見れば、測り方を替えてもほとんど同じ、と感じるかもしれない。ところが、質問票と加速度計の中高強度活動量の相関係数は0.26だった。相関係数は、両方の値が一緒に増減する程度を表す指標であり、個々の値が一致することそのものではない。[17]

集団の平均が似ていることから、自分の回答も正確だと結論することはできない。さらに、この対象者は軍務に就く人々である。立川で仕事や講義の後に縄を取り出す読者へ、活動時間の数字をそのまま当てはめる研究ではない。参考になるのは、平均の近さと個人の対応を分けて読んだ構造のほうだ。[17]

友人と運動の記録を見せ合う場面でも、この区別を使いたい。同じくらい跳んだという話が一致しても、それぞれが数えたのか、思い出したのか、休みを含む時間を答えたのかは分からない。合計の数字を競う前に、欄の意味をそろえる。別々の物差しで測った値を並べると、数字だけが先に走ってしまう。

同研究では、研究内で用いた活動指針の達成判定も、加速度計では全員、質問票では90%と異なった。自己申告はいつでも大きく出る、という単純な規則では説明しきれない。何を尋ね、どの尺度で判定するかによって、結果の見え方が変わる例である。[17]

だから、縄跳びの記憶に一定の割合を掛けて「正しい回数」を作る方法も取れない。平均の差から個人の補正値は決まらず、そもそもここで比較されているのは活動時間である。手元に残る数字は、測った対象と方法を添えて初めて使いやすくなる。[15][17]

直後に書けば、記憶のずれは消えるのか

先の315人の研究では、振り返る長さとして5分と120分、答え方として言葉による尺度と数値による時間の尺度が比較された。短い間隔で日常の経験を尋ねる方法は、生活の流れの中で活動をとらえるために使われている。それでも、自己申告の活動水準は加速度計より高く出た。[15]

興味深いのは、より短い振り返りが、あらゆる面で優れていたわけではない点だ。一定の期間を覆って答える方式のほうが、ほぼその瞬間を答える方式より、加速度計との関連がわずかに強かった。また、活発な活動より、座っている行動のほうが正確に報告された。質問の対象によっても回答の性質が違う。[15]

この結果から「終わった直後に書く必要はない」とも「直後なら完全だ」とも言えない。記録する時刻を早めることと、回数を実際に数えることは別の手続きである。縄を置いた直後であっても、回数を推測したなら推測である。記入時刻だけで測定方法の名札は変わらない。

夕食の支度へ移る前に記録帳を開くなら、合計が分かる部分と分からない部分を分けておく。途中まで数えたが、その先が曖昧なら、全体を確定値にしない。中断があったことも短く書ける。これは記憶を鍛える課題ではなく、後日の自分が数字の意味を読み違えないための編集作業だ。

一方、アラームで何度も回答させれば日常がすべて正確に残る、と期待するのも早い。毎日繰り返し答える設計でも、絶対量の過大評価は見られた。通知の多さを測定の正確さの代わりにはできない。[15]

記録を読み返す場面も想像しておきたい。仕事帰りに跳んだ日と、休日に跳んだ日を比べる時、両方とも合計の回数しかなければ、測った方法の違いは消えてしまう。片方は跳びながら数え、片方は入浴後に思い出した値かもしれない。数字の差を見つけても、そこで直ちに運動の増減と判断せず、まず記録の作り方を確認する余地を残す。

この時、「覚えていない」は失敗というより、比較できる範囲を示す情報になる。確かな部分だけを残した記録と、全体を推定して埋めた記録なら、後日それぞれ違う読み方が必要だ。空欄に理由を添えることはできるが、理由から回数を逆算することはしない。書き終えた時の整い方より、後で読み取れる意味を優先したい。

また、同じ人の中の関連を調べる研究結果を、「自分の回数の増減はいつでも正しく覚えている」と広げないことも大切だ。先の研究で確認されたのは、日常の活動について質問した回答と加速度計の対応である。縄跳びだけを切り出した記憶の検査ではない。生活を調べる方法としての有用性と、特定の動作の合計を再現する精度を、ここでも混ぜないようにする。[15]

記録帳には、後から読み返す自分も読者としている。今は分かるつもりの数字にも、何を数えたかを短く添えておく。翌日の自分に推理を任せないためのひと手間だ。

数字で読む記憶と測定

315人:生活の中の自己申告と、太ももの加速度計を比べた測定研究の参加者数。[15]

5分と120分:同研究で比較された振り返りの長さ。短さだけで正確さは決まらなかった。[15]

93分と91分:現役軍人の中高強度活動の日平均。順に加速度計と質問票の値である。[17]

0.26:同研究の両測定による中高強度活動量の相関係数。平均の近さとは別の情報だ。[17]

447歩/日:心臓リハビリテーション参加者の測定頻度を比べた試験の群間の変化差。有意差には達しなかった。[6]

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宮川涼 Founder

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