中年のプロテインは有酸素運動と筋トレの日に増やす?脚力と持久力で違う答え

中年になり、有酸素運動と筋トレを同じ日に行うとプロテインも増やすべきか。中高年女性の比較試験と成人の系統的レビューから、筋量・脚力・持久力への上乗せを分けて読む。摂取目標量と実際の効果、若い人の研究を読む際の注意点、検査値の受け止め方まで整理し、食事と運動を見直す視点を示す。

筋トレのあとに自転車もこいだ。着替えの前にシェーカーを取り出し、今日はよく動いたからプロテインも多めだろうか、と考える。運動の種類が増えると、粉の量まで足し算したくなる。しかし、中高年女性を対象にした比較試験では、たんぱく質の目標量を高くした群ほど筋量が増える、という差は検出されなかった。対象が中高年なので、18〜39歳の女性の量選びにそのまま使う根拠にはならない。[3]

答えの芯は、両方の運動をしたという理由だけで追加量を決めないことである。筋トレと有酸素運動を組み合わせる練習では、たんぱく質の補給が筋量や筋力の伸びを後押しする研究がある一方、持久力への上乗せは確認されていない。これらは厳しい訓練を行う健康な成人や、若い男性を含む成人の研究をまとめた結果で、18〜39歳の女性に同じ上乗せを保証するものではない。何を伸ばしたいかによって、同じプロテインでも読むべき結果が違う。[17][18]

既存記事「女性のプロテインは全身を鍛えた日も同じ量?脚だけの試験と筋合成を読み分ける」には、鍛える筋肉の範囲という問いを譲る。ここで扱うのは、中年期に筋トレと有酸素運動を続けるとき、補給を増やす根拠がどの成果にあるかである。

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同じ日に二つの運動をすると、何を比べることになるか

筋力トレーニングと持久性の運動を同じ練習計画に組み込む方法を、同時トレーニングと呼ぶ。同じ瞬間にダンベルと自転車を扱う意味ではない。筋肉と心肺の両方を鍛える組み合わせであり、研究では筋量、発揮できる力、酸素を取り込む能力などを別々に評価している。[18]

ここで混ざりやすいのが、「運動した効果」と「たんぱく質を足した効果」である。補給した群の脚力が伸びても、補給しなかった群も同じだけ伸びていれば、追加した分の価値はまだ分からない。補給の効果を判断するには、同じ運動をした比較相手との差を見る必要がある。実際に補給の上乗せを検討した系統的レビューでも、運動による改善と補給による追加の改善は分けて扱われている。[18]

さらに、筋トレだけの群に自転車を追加して比較すると、運動の種類とともに運動への曝露、つまり行った運動の量も増える。中高年女性の試験はまさにこの設計であり、組み合わせた群に有利な結果が出ても、種類の違いだけに原因を絞ることはできない。[3]

仕事帰りの予定にも、同じ整理が役立つ。「筋トレのあとに自転車を加えるか」と「食事に補給を加えるか」は別の選択である。前者を決めたからといって、後者まで自動的に決まるわけではない。両方を一緒に変えて成果を見たときは、何がどの変化に関わったかを切り分けにくくなる。研究を読む際も、運動の比較相手と食事の比較相手をまず確認したい。[3][18]

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中高年女性では、目標量を増やしても筋量の差は検出されなかった

この問いに近い無作為化比較試験は、40〜77歳の女性108人を、運動方法とたんぱく質の目標量で分けた研究である。筋トレだけ、または同じ筋トレのあとに自転車をこぐ方法を12週間続け、目標量は体重当たりで1日0.8、1.6、2.2g/kgに設定された。結果の解析には、必要なデータがそろった83人が含まれた。18〜39歳の女性は対象範囲に入らず、その年代への推奨量をこの比較から決めることはできない。[3]

主な評価項目は、生体電気インピーダンス法によって推定した骨格筋量である。体に流した電気への反応から体組成を推定する測定であり、持ち上げた重さそのものの評価ではない。この骨格筋量について、運動方法による差、たんぱく質の目標量による差、そして両者の組み合わせによる違いのいずれも検出されなかった。[3]

大切なのは、この研究が比べたのは「割り当てられた摂取目標」であることだ。数字をそのまま中年全員の推奨量として並べる読み方は適切でない。また、差を検出できなかった結果は、各量が完全に同じ働きをするという証明でもない。研究者も、たんぱく質の量の同等性を確立するものではないと結論づけている。[3]

運動方法の比較では、自転車を加えた群に推定有酸素能力と体脂肪率の面で有利な結果があり、レッグプレスの筋力では筋トレだけの群が有利だった。体脂肪率の調整後の群間差は、自転車を加えた群で2.04パーセントポイント低く、95%信頼区間は1.14〜2.94ポイント低い範囲であった。ただし追加の自転車を含む比較なので、同じ運動量で方法だけを替えた結果とはいえない。[3]

つまり、「両方を鍛えると、どの成果も同じように伸びる」という読み方もできない。脚で強く押す力を重視するのか、自転車での有酸素能力を重視するのかで見える長所は違う。その中で、たんぱく質の目標量を高くすれば目的の違いを埋められる、という差も検出されていない。補給量に運動計画のすべてを解決させないことが、この試験から持ち帰る視点となる。[3]

若い成人で出た脚力の上乗せを、中年にも当てはめられるか

一方で、補給の価値を支持する試験もある。運動習慣のない健康な成人44人、平均年齢27歳の研究では、週2回、8週間にわたり、自転車の高強度インターバル運動のあとにマシンによる筋トレを行った。インターバル運動は強い運動と回復を挟む方法であり、この試験ではそのあとに5種目の筋トレを組み合わせている。若い成人でも女性だけを対象にした試験ではなく、18〜39歳の女性に同じ結果が得られるかは分けて考える必要がある。[7]

参加者は運動後にホエイ由来のたんぱく質40gを摂る群と、同じエネルギー量の比較用飲料を摂る群に無作為に分けられた。どちらを摂っているかを参加者と評価側に分からなくする二重盲検の設計で、補給に伴うエネルギー量の違いを抑えて比較した試験である。[7]

最大酸素摂取量と総合的な体力の評価は両群で改善した。たんぱく質群では主要な筋群すべてで最大挙上重量が改善し、比較群では胸と上背部の筋群で改善した。なかでも脚の筋力の伸びは、たんぱく質群のほうが有意に大きかった。補給をした人が伸びたというだけでなく、脚では群間差も確認されたことが、この結果の要点である。[7]

ただし、この40gを中年の標準量にしてはいけない。対象は若い未経験者であり、中高年女性の試験とは年齢、運動内容、栄養条件が違う。前者は運動後の飲料を比較し、後者は日々のたんぱく質目標量を比較している。食事全体の目標と、練習後に追加する飲料の量は同じ質問ではない。[3][7]

また、この試験では自転車が先で筋トレが後、中高年女性の試験では筋トレが先で自転車が後だった。両者の結果の違いを、順番だけの効果とみなすこともできない。順番以外の条件も異なるためだ。研究に合わせて毎回の運動順と補給量を丸ごと替えるより、自分に近い対象と比較条件を確かめてから利用したい。[3][7]

中年という言葉の幅にも目を向けたい。女性の試験には40〜77歳が含まれており、特定の年齢の女性だけの成績ではない。平均として目標量の差が検出されなかったことを、同じ年代のすべての人で同じ反応が起きるという意味に広げない。自分の年齢が対象範囲に入っていることは参考になるが、それだけで個人の最適量が決まるわけではない。[3]

参加した人数と解析した人数の違いも、結果を読む手掛かりになる。女性の試験は108人を割り当てたが、結果がそろった83人で解析している。「108人全員に、同じように差がなかった」と言い換えると、研究が実際に比較した範囲を越える。途中の事情を想像して結果を否定する必要はないが、誰のデータから出た結論かは正確に受け取りたい。[3]

若い成人の試験では、比較する飲料のエネルギー量がそろっていた。この点は、単に飲料を加えた人と何も加えなかった人を比べる場合とは違う。脚力に差が出た結果を考える際には、飲料のエネルギー量だけの違いでは説明しにくい設計だったことが意味を持つ。一方で、これを食事を抜いて補給に置き換える提案へつなげることはできない。試験で調べたのは、運動後に与えた飲料同士の比較である。[7]

補給の研究は、誰が、何を続け、何と比べたかをそろえて読む。その確認があってこそ、自分の練習への応用範囲が見えてくる。[3][7]

数字で読む同時トレーニングとたんぱく質

40〜77歳:中高年女性の比較試験が対象にした年齢の範囲。[3]

12週間:筋トレ単独と、自転車を追加する方法を比べた期間。[3]

0.8・1.6・2.2g/kg/日:女性の試験で割り当てた目標量。個人への推奨値ではない。[3]

40g:若い未経験者の試験で運動後に与えたたんぱく質の量。[7]

6研究すべて:成人の系統的レビューで、有酸素能力への補給の追加効果が認められなかった研究数。[18]

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宮川涼 Founder

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