
脳活動の変化と、想像しにくさを分けて読む
脳活動そのものと動作成績の関係を調べたランダム化試験もある。健康な若年成人76人が、手のひらで球を回す動作を想像した。両手の想像から左手の想像へ進む群、逆の順序の群、左手だけを続ける群、想像を行わない対照群を比べた。18〜39歳の女性の腹筋練習にそのまま当てはめられるかは、手の課題とは分けて検証が必要だ。[3]
両手から左手へ進む群では、対照群より実際の動作成績が改善した。逆の順序と左手だけの群では、対照群との有意差がなかった。単に想像したかどうかだけでなく、課題の順番によって成績に差が出た点が興味深い。頭の中で同じ動作を扱っていても、練習の組み立てまで同じにはならない。[3]
研究が追った神経活動の指標は、事象関連脱同期という脳波の変化である。両手から始めた群では、最初の練習の早い段階で、左手だけの群よりこの変化が大きかった。しかし練習を続けると指標は小さくなり、動作成績との有意な相関も限定的だった。脳波の変化と上達は、単純な比例関係にはなかった。[3]
ここで測った脳波、腹横筋の張り、実際の球回しの成績は、それぞれ別の観察である。脳の指標が変わったという説明に出会ったら、筋肉や実技も測ったのかを確かめたい。「脳が働いた」という言葉だけで腹筋の強化まで説明するより、測定をつなぐ証拠を順に読む方が、想像の役割が具体的になる。[1][3]
「お腹を意識して」と言われ、何も浮かばない。そんなとき、自分は運動に向いていないと結論を急ぐ必要はない。慢性的な痛みのある人と健康な人を比べた系統的レビュー・メタ分析では、運動イメージの能力や鮮明さ、動作の時間を心の中で再現する力に違いがみられた。対象は12研究、計1603人だった。痛みのある人と健康な対照者の比較であり、18〜39歳の女性だけにそのまま当てはめられるかは別の問いになる。[13]
イメージ能力の標準化平均差は−0.96と報告された。ただし、能力や鮮明さには研究間のばらつきが大きく、臨床的な背景や研究方法も一様ではなかった。痛みがある人なら必ず想像が苦手になるという意味でも、想像が苦手だから痛みが出るという因果関係の証明でもない。[13]
比較的そろった傾向があったのは、動作の時間を心の中で再現する側面だった。動作の姿を鮮やかに思い浮かべられることと、実際の動作に近い時間経過でたどれることは、評価の軸が違う。想像の練習を「映像がくっきり見えたか」だけで採点すると、ほかの側面を見落とすことになる。[13]
仕事帰りのマットで、頭の中に完成形が見えない日もある。そこで「もっと集中する」を繰り返す前に、何が分からないかを書き分けてみたい。動作の順番か、始める姿勢か、実際に行ったときの感覚か。これは能力を診断する検査ではなく、説明を受け直すためのメモである。
既存記事「ピラティス初心者のイメージ練習は形を想像する?動く感覚との使い分けを読む」では、想像する内容の違いを扱っている。ここではその選び方へ話を広げず、深い腹筋に関する評価と、実際の運動に加える位置づけを中心に考える。
慢性的な痛みがあり、運動の場面で困っているなら、想像の苦手さを努力不足として抱え込まない方がよい。痛みとイメージ能力の関連は観察研究の統合から示されているが、それだけで個人の原因は決められない。練習をどう扱うかは医師に相談し、どの動作で困るのかを伝える材料として使いたい。[13]
初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。
成功した感じと、実際の上達は分けて確認する
実際に体を動かさない練習では、結果をどう確かめるかが課題になる。健康な初心者48人を対象としたランダム化試験では、仮想環境でゴルフのパットを想像する練習を4回行った。想像の後に、成功だけを示す映像、誤りを含む映像、結果を示さない条件を比較した。[2]
実際のパットのテストでは、練習直後と、その後の保持テストで、すべての群の成功率が改善した。誤りを含む映像の群は、特に直後の成功率で改善が目立った。一方、狙いからの平均的なずれや、結果のばらつきに関する指標では、同じような効果は認められなかった。[2]
これは腹横筋の実験ではない。それでも、成功率が上がったことと、動作のすべての側面が洗練されたことを区別する実例になる。お腹の練習でも「できた気がする」を、そのまま深い筋肉の活動や筋力の測定に置き換えないという読み方につながる。研究の結果を借りるのではなく、結果の分け方を参考にするのである。[1][2]
また、成功する映像だけを見れば最も上達する、という単純な結果でもなかった。想像が心地よくできたかと、その後の実技がどう変わったかを分けていた点が重要だ。日常の練習でも、想像中の感想と、実際に行ったときに確認できた内容を、別の欄に記録する考え方が使える。[2]
さらに、この試験は練習の直後だけでなく、少なくとも24時間後にも実際の課題を評価した。直後の変化と、後に残る変化は同じ問いではない。レッスンで説明を聞いた瞬間に納得できても、次に自分で行うと迷うことはある。次の機会に何を再確認するかまで決めておけば、記録が単なる感想で終わりにくい。[2]
記録には「腹横筋が強くなった」と推測を書き込むより、「説明なしで順番を思い出せた」「どこから始めるか、また質問した」と観察できたことを書く。それを筋力の検査と呼ぶ必要はない。研究が指標を分けて評価しているように、自分のメモでも、理解したことと身体的な成果を混ぜない姿勢を保ちたい。[1][2]

よくある誤解
「想像中にお腹を感じたら、腹横筋が鍛えられた証拠」という理解は飛躍がある。腹横筋を扱った試験は、通常の療法や機器を含む介入の前後で張りを評価したものだった。練習中の感覚から、筋力や長期的な強化の程度を決定する試験ではない。感覚を否定する必要はないが、成果の名前を急いで付けないことだ。[1]
「研究を集めた分析で大きな効果があるなら、結論は確実だ」という理解も正しくない。慢性の脊椎の痛みのメタ分析では、痛みと生活上の支障に改善の推定値が示された一方、根拠の確実性は非常に低かった。結果の大きさだけを抜き出すと、研究者自身が付けた慎重さを落としてしまう。[5]
「イメージを加えて姿勢が良くなれば、痛みも安定性も一緒に良くなる」という理解も、試験の結果とは合わない。若年成人の試験では、姿勢などの項目に追加効果があっても、痛みの軽減と姿勢の安定性に群間差はなかった。自分が困っているのはどの項目なのかによって、結果の受け取り方が変わる。[17]
今日からできること
- 指導された動作を想像した後、実際の動作でも確認する。36人の腰痛予備試験を参考に、動く前に迷った点と、動いた後に質問したい点を指導者へ伝える。[4]
- メモでは「想像できた内容」と「実際に確認できた動き」を分ける。48人の初心者の試験でも、成功率とずれの指標では結果が異なった。気分だけで成果をひとまとめにしない。[2]
- 次の練習で同じ内容を思い出せるか確かめる。パットの試験が少なくとも24時間後の保持を調べたように、その場の納得と後に残った内容を区別する。これは腹筋への効果判定ではなく、学んだことの確認である。[2]
- 想像が難しい場合は、どこで迷うかを言葉にして相談する。12研究の統合では痛みのある人のイメージ能力に違いがあったが、関連だけで個人の原因は決められない。痛みや治療中の運動は医師に確認する。[13]
練習量を決める際も、論文の回数や期間をそのまま自分の処方にしない。週2回、10週間という設定は腰痛のある人への予備試験の条件である。参加者の状態や支援の仕方も含めて実施されたものであり、自分の予定や運動経験に合う頻度は、指導者と相談して決めたい。[4]
最初に指導者へ伝える言葉は、「インナーマッスルが弱いと思う」より「説明のどの部分が分からないか」の方が具体的だ。筋肉の強さについての推測と、学びたい動作についての質問を切り離せるからである。帰りの中央線で思い出すのも、完璧なお腹の映像でなく、次に確かめたい問いでよい。

オンザショア立川店で、確認する時間を予定に入れる
お腹の使い方を練習する時間を、通う場所と営業時間から考える。オンザショア立川店はJR立川駅北口から徒歩1分、営業時間は8:00〜23:30で、年中無休である。所在地は東京都立川市曙町2-14-10 エトロワビル3F。仕事や授業のある日の予定と照らして、通う時間を検討できる。
当店は溶岩プレートを敷いた溶岩ホットヨガスタジオである。ヨガは25種類以上のレッスンがあり、常温のヨガやピラティス、パーソナルトレーニングもある。イメージ練習に関する研究の結果を当店の効果として示すのではなく、実際に体を動かす時間を予定に入れる場所として考えてほしい。
妊娠中は溶岩ホットヨガには参加できず、常温のマタニティヨガがある。医師から運動を止められている方は利用できない。参加条件と予定を確認したうえで体験を検討したい。ヨガの体験レッスンは税込1,980円で、60分のレッスンにバスタオル2枚、フェイスタオル1枚、ヨガマットのレンタルが含まれる。料金と店舗案内で内容を確認し、予定が合う時間の体験予約へ進める。
参考文献
[1] The Influence of Therapy Enriched with the Erigo<sup>®</sup>Pro Table and Motor Imagery on the Body Balance of Patients After Stroke-A Randomized Observational Study — Olczak A, Carvalho R, Stępień A, Mróz J., 2025, Brain sciences. DOI: 10.3390/brainsci15030275
[2] ‘Substitute’ knowledge of results provided through virtual reality enhances motor imagery-based learning — Balay CJ, Banerjee R, Shahin G, Lu D, Irani P, Frank C, Kraeutner SN., 2026, Psychological research. DOI: 10.1007/s00426-026-02359-6
[3] Effects of bilateral and unilateral mental practice on actual motor performance and event-related desynchronization — Umeno K, Itaguchi Y., 2026, PloS one. DOI: 10.1371/journal.pone.0325860
[4] Effectiveness of adding motor imagery to telerehabilitation for nonspecific low back pain: A pilot randomized controlled trial — Uz MZ, Kara B, Gedik Z, Demirdal ÜS., 2026, Journal of bodywork and movement therapies. DOI: 10.1016/j.jbmt.2026.04.014
[5] Effectiveness of Movement Representation Techniques in Chronic Non-Specific Spinal Pain: A Systematic Review and Meta-Analysis — Alaca N, Acar AÖ, Öztürk S, Arslan DÇ., 2026, Medicina (Kaunas, Lithuania). DOI: 10.3390/medicina62081534
[13] Explicit Motor Imagery Deficits in Individuals With Chronic Pain: A Systematic Review and Meta-Analysis — La Touche R, Cuenca-Martínez F, León-Hernández JV, Paris-Alemany A, Sorrel MA, R, 2026, Pain research & management. DOI: 10.1155/prm/5805413
[17] Effects of a Telerehabilitation-Based Motor Imagery and Exercise Program on Postural Kyphosis in Young Adults: A Randomized Controlled Trial — Zirek E, Acar D, Zeynallı F, Akbaba YA., 2026, Physiotherapy research international : the journal for researchers and clinicians in physical therapy. DOI: 10.1002/pri.70268
この記事の情報は2026年10月時点のものです。個別の健康状態については医師にご相談ください。
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