運動が逆にストレスになるのは他人と比べるから?順位の表示と気分を研究で読む

運動後に歩数ランキングを見て落ち込むとき、運動そのものと他人との比較を分けて考えたい。大学生の調査、体力評価や動画の実験、活動量を増やす試験から、順位表示が支えになる場合と負担になる場合を読む。記録と共有を分け、運動量だけでなく気分も確かめるための手がかりを示す。

昼休みに遠回りして歩いた。午後の仕事が始まる前に記録を見ると、友人はもっと歩いていた。脚を動かした事実は変わらないのに、画面を開いた瞬間、今日の運動が足りなかったように見える。歩いた距離のあとから、順位がついてくる。

運動が逆にストレスになる理由を、他人との比較だけで説明することはできない。ただし、同年代より体力が低いという誤った評価が、運動後にも快い情報への注意に影響した実験はある。一方、大学生の調査では、順位表示の利用は活動量の多さを介してストレスの低さと関連していた。比較の受け取り方を考えるには、表示の内容と測った心理指標を区別する必要がある。[3][8]

確かめたいのは、運動で何をしたかに加えて、誰のどの数字を見て自分を評価したかである。考えが頭から離れない問題は既存記事「運動してもストレスが残るのはなぜ?反すうと気分の変化を分けて研究で読む」に譲り、ここでは順位表示、体力の評価、結果を共有する機能に焦点を絞る。

ヨガとからだの記事のイメージ写真 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

順位表示はストレスを増やすと決まっているか

社会的比較とは、他人を手がかりに自分の能力や状態を評価することである。運動アプリの順位表なら、歩数や活動量がその材料になる。大学生1,019人を対象とした横断調査では、順位表の利用、順位表を通じた能力比較、中強度の身体活動、自覚的なストレスの関係を調べている。自覚的なストレスは、本人が感じて答えるストレスであり、体のすべての反応をまとめた値ではない。大学生の集団での関連が、18〜39歳の女性の生活全般にも同じように当てはまるかは、別に確かめる必要がある。[8]

この調査では、順位表を使う程度が高いほど社会的比較も多く、身体活動も多かった。また、身体活動が多いほどストレスが低い関連があった。順位表の利用とストレスの直接の関連はほぼなく、身体活動を経由する間接的な関連を含めると、全体ではストレスが低い方向だった。順位が人を追い詰めるという予想だけでは捉えられない結果である。[8]

関連の強さを表す標準化係数は、順位表利用と社会的比較が0.298、順位表利用と身体活動が0.322、身体活動とストレスが−0.325だった。順位表利用とストレスの直接の係数は0.004である。これらは質問項目間の関係を統計モデルで表した値であり、「順位を見ればストレスが何割減る」という数字ではない。[8]

ここで大切なのは、同じ時点の回答を調べた観察研究だという点だ。順位を見た結果として活動量が増えたのか、もともとよく動く人が順位を見たのかを、この調査だけで決めることはできない。活動量を介する経路も、時間の流れを追って原因を確かめたものではない。日常の選択を考える材料にはなるが、順位表示を全員に勧める根拠にはならない。[8]

たとえば友人の歩数が、昼休みに外へ出るきっかけになる人もいるだろう。反対に、仕事の予定が違う相手を見て、帰宅後の休息まで不足の埋め合わせに変えてしまう人もいるかもしれない。これは結果の分かれ方を考えるための生活例である。調査の平均的な関連と、画面を見た自分の感覚は、別々に確かめる必要がある。

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

体力が低いと言われた後は、運動すれば戻るか

順位表の調査よりも、比較情報を与えた直後の変化に近づけるのが実験である。不安症状の低い健康な若い成人39人を対象にした無作為化実験では、同年代に比べて体力が低いという偽の評価を受ける群と、中立的な評価を受ける群を比較した。低い評価の群は18人、中立の群は21人だった。不安症状の低い若い成人での結果を、18〜39歳の女性全体へそのまま当てはめることはできない。[3]

参加者は中強度の自転車運動を20分間行った。強度は予備心拍数の55%に設定され、運動と評価情報の前後に、画像への反応時間を使って注意の向きを調べた。予備心拍数は運動強度を設定するための心拍の指標であり、この実験の条件である。この数字を日常の運動の処方としてそのまま使う必要はない。[3]

偽の低評価を受けた参加者では、快い感情を伴う画像を避ける方向の注意の偏りが生じ、その後の運動でもその偏りは変わらなかった。注意の偏りとは、どんな情報に注意が向きやすいかの傾向である。「体を動かしたのだから、低い評価の影響は必ず消える」という見方に、慎重さを求める結果だ。[3]

ただし、この実験で調べた注意の向きは、その日の満足感や長期的なストレスそのものではない。対象も、不安症状の低い若い成人に限られる。研究が示したのは、特定の比較情報が、特定の注意課題の反応に影響し、その後の中強度運動でも変化しなかったことだ。不安が強い人や、日常で正確な記録を見ている人に同じ反応が起こると断定はできない。[3]

それでも、画面の評価と自分の運動経験を分ける視点は得られる。運動の前には「体を動かしたい」と思っていたのに、評価を見た後には「遅れを取り戻したい」に変わっていないか。順位を確認する前と後で、次の運動に期待するものを書き分けてみる。これは治療法ではなく、自分がどの情報に反応しているかを見つけるための観察である。

偽の評価を用いた実験だからこそ、他人より下だと知らされることと、実際に体力が低いことも分けられる。今回の注意の変化を、参加者の体力の低さが引き起こしたとは読めない。比較情報がどう伝わるかにも目を向ける必要がある。アプリの短い表示は簡潔だが、自分の生活まで詳しく採点する機能はない。[3]

動画を見ることと運動することを混ぜない

比較の材料は歩数だけではない。米国の女子大学生150人を無作為に分け、動物の動画か、運動や食事管理を理想的な外見と結びつけて見せる動画を5分間視聴させた実験がある。参加者の平均年齢は19.28歳で、各群は75人だった。後者のような内容は、研究ではフィットスピレーションと呼ばれる。[2]

動物の動画と比べて、運動や外見を扱う動画を見た群では、社会的比較、外見への懸念、自分が太っているという感覚、悲しさが強くなった。ここでの「太っているという感覚」は本人の感じ方を測ったものであり、体格が変わったという結果ではない。視聴前の外見への懸念や抑うつ症状によって、外見への懸念に対する影響も異なっていた。[2]

これは運動をした実験ではなく、動画を見た実験である。運動後の帰り道に似た内容を見て落ち込んだ場合、運動の時間と視聴の時間をひとまとめにして「運動すると気分が悪くなる」と評価しない方が、原因の候補を整理しやすい。反対に、運動を扱う動画ならすべて同じ影響をもつと広げることもできない。比較した内容と対象を保って読む必要がある。[2]

夜のスマホには、運動の記録と他人の完成された姿が同じ画面に並ぶことがある。自分は仕事帰り、相手は撮影のための場面かもしれない。そこで比べているのが動けた量なのか、外見なのか、生活の余裕なのかを言葉にしてみたい。体型を順位に置き換える必要はない。この記事で問いたいのは、見た内容が運動を続ける助けになったかである。

動画の実験は直後の心理的な変化を捉えたもので、長く視聴を続けた場合の経過まで示したものではない。[2] 画面を見ない時間を設ける工夫の効果は、この実験とは別に考えたい。一方で、運動をする選択と、運動に関する情報を見る選択は切り離せる。歩いた記録を残しつつ、外見を比べる投稿は開かないという使い分けも考えられる。

動画の実験では、もともと外見への懸念が高い人で、視聴による外見への懸念の悪化がみられ、低い人では同じ差がみられなかった。一方、抑うつ症状については低い人でその悪影響がみられ、高い人では同じ差がみられなかった。単に「悩みが強い人ほど、すべての影響が大きい」と並べられる結果ではない。[2]

こうした個人差を、性格の強弱や意志の問題に置き換えないことも大切だ。同じ動画を見ても反応が一様ではなかったという結果は、周囲が平気で見ているから自分も平気であるべきだ、という判断を支えない。[2] 友人が励みにする投稿と、自分が開きたい投稿は同じでなくてよい。

数字で読む順位と気分

1,019人:順位表利用とストレスの関係を調べた大学生の横断調査の人数である。[8]

0.004:同調査での順位表利用とストレスの直接の標準化係数。割合や改善率ではない。[8]

39人・20分:偽の体力評価と中強度の自転車運動を組み合わせた実験の規模と運動時間である。[3]

150人・5分:女子大学生を対象に、動画を見た直後の比較や気分を調べた実験の規模と視聴時間である。[2]

123人・8週間:機器の交流機能を使う場合と使わない場合を比べた試験の解析人数と期間である。[15]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

💬 ご質問がある場合はこちらからどうぞ

オンザショアのチャットで質問する(24時間受付)

レッスン内容・料金・体験のご予約など、気になることをお気軽にお尋ねください。

1

2

Warning: Attempt to read property "show_author" on false in /home/c1531448/public_html/ontheshore.jp/wp-content/themes/heal_tcd077/single.php on line 165

関連記事

ご体験予約