ピラティスのマット素材を洗剤で拭いたあと、乾いて見えても表面の膜は残るのだろうか。ポリスチレンから離れる速さ、湿度で動くラテックスの膜、PTFEとPMMAの接触角と接着仕事を、肌が触れる前の確認として読み分ける。実験の高分子と、部屋に敷くマットを同じ板にはしない。
拭いたマットを巻こうとすると、表面はもう乾いた色をしている。タオルにも泡は付かない。それだけで、次に腕を置く面から洗浄成分が消えたと判断できるだろうか。見た目を確かめることと、残った分子を測ることは、別の作業だ。
答えの芯は、見た目が乾いたことと、界面活性剤が高分子の表面から離れたことを、同じ出来事にしないことだ。疎水性のポリスチレンでは、非イオン性の界面活性剤はイオン性のものより遅く離れ、濃度が低いときにはより強いエネルギーで吸着した。実験と分子動力学の両方が、濃度を下げると非イオン性の引力が強まる方向を示している。[8] 別の材料、水系の感圧粘着膜では、乾燥が界面活性剤を表面から突起した集まりにし、高い湿度がそれを横へ広げた。[14] 部屋に敷く一枚の残留量を、これらの板の数字で採点はしない。
触れる場所の話は「ピラティスのマット練習は触れる場所も確認、背中と腕の感じ方をどう比べるか」に譲る。押したあとのへこみは「ピラティスとヨガのマットは押した後も確認、戻る時間と残るへこみをどう読むか」、硬さと時間は「ピラティス専用マットは寝続けて確認、素材の硬さと時間がたった後の支えを読む」に譲る。布のすすぎと汗ばむ肌は「ホットヨガの服装は洗剤の残りも確認、すすぎ後の布と汗ばむ肌の刺激を考える」の側である。こちらは、床に敷くマットの高分子表面で、洗浄成分の膜がどこに居るかだ。幅の話は「ピラティスのマット幅は指先ではなく足の下で読む、端に立つ前の準備」に譲り、汗の滴と荷重は「ホットヨガのマットは汗の滴で変わる?濡れた面と荷重を分けて確かめる準備」に譲る。

乾いた見た目と、表面から離れる速さは別である
洗剤と呼ばれる液の働きの多くは、界面活性剤が担う。水と油の両方に手を出す分子で、頭が水に親しみ、尾が油や疎水性の表面に寄る。マットを拭く場面で知りたいのは、泡が立ったかどうかより、その分子が高分子の表面に付いたあと、どれくらいの条件で離れるかだ。
ポリスチレンの表面で、イオン性のドデシル硫酸ナトリウムと、非イオン性のポリエチレングリコールとポリエチレンのブロック共重合体を比べた研究がある。どちらも乳化重合でよく使われる界面活性剤だ。水晶振動子マイクロバランスに散逸の測定を足した方法では、非イオン性のほうがポリスチレン表面から遅く離れた。濃度が低いときには、イオン性より強いエネルギーで吸着した。[8]
分子動力学では、非イオン性の表面への実効的な引力は、濃度が下がるほど強くなった。イオン性は、弱いながら逆の傾向を示した。著者らは、この対照を頭の部分の物理化学的な性質に帰している。イオン性は頭が小さく、親水性が強い。界面では、秩序だった自己集合の構造を作る。非イオン性は頭が長く、親水性が弱く、持続長も短い。できる層は乱れる。[8]
濃度が上がると、非イオン性の層は、頭のポリエチレングリコールが水素結合を満たしきれなくなる。水の分子がその層へ入り、足りない相互作用の一部を補う。ただし入った水は、まとまった水の中ほどには水素結合を組めない。頭の水素結合か、侵入した水の水素結合か、その損失が、濃度の上昇とともに非イオン性の引力が弱まる理由だ、と著者らは論じている。[8]
タオルが白い顔に戻ったので、洗剤も帰ったことにしたくなる。測定は、その満足を合図にしない。ここで分かったのは、頭がイオンか非イオンかで、付く強さと離れる速さが同じ方向に動かない、ということまでである。ポリスチレンの板を、今夜のマットの商品名へ読み替えない。[8] ラベルにイオン性と非イオン性の区別があるなら、その二語は同じ「洗剤」の言い換えではない。
自宅でできる確認は、分子の数を測ることではない。同じ場所を、拭いた直後と、乾いた色になったあとに、前腕で一度ずつ触れてメモする。メモに書くのは自分の感触で、水晶振動子のエネルギーではない。感触が違ったとき、違いの候補に「まだ液がある」だけでなく「付いた分子の頭の種類が違う」を残す。メモは感触の欄であって、吸着エネルギーの欄ではない。
疑問の続きは、体で確かめるのがいちばん早い。
液が広がることと、膜が何層になることは別である
残る前に、液は表面を濡らす。2-エチルヘキサノールは、世界の市場で価格競争力のあるオキソアルコールだが、疎水性が弱く、界面活性剤の原料としてはあまり掘られてこなかった。そこにプロピレンオキシドとエチレンオキシドを順に足すと、両親媒性の構造になる。アルカリ触媒とジメタルシアニド触媒では、できたものの成分の分布が違った。論文が界面の性質の例として出すのは、後者の調製物である。[2]
吸着は、空気と水溶液の界面で、平衡の表面張力(デュ・ヌイの環)、動的な表面張力(気泡の最大圧力)、静的および動的な接触角(液滴を置く方法)から見ている。動的な表面張力の等温線と、著者らが作った計算手順から、拡散係数を推定した。これらの調製物の拡散は、市販の処方より高かった。濡れの結果として、新しい非イオン性とアニオン性の界面活性剤は、とくに高分子表面に対する濡れ剤として広い用途を持ち、ドデシルベンゼンスルホン酸やアルコールエトキシ硫酸の塩と競える、と著者らは強調している。[2]
広がることと、何層になることは別の問いだ。市販の洗口液6種を、模型のポリメチルメタクリレート(PMMA、透明な板状の高分子)に載せ、純水とPMMAの組み合わせと比べた研究がある。静的な接触角、前進角、後退角は下がり、前進と後退の差である接触角ヒステリシスは上がった。膜圧、接着仕事、表面自由エネルギーは下がり、接着張力は上がった。表面過剰の比の変化は、洗口液を構成する界面活性剤が多層の構造を作ることを指していた。接触角のデータから、浸透係数と、温度勾配で駆動されるマランゴニ流の速さも推定している。[6]
洗口液は、床のマットに吹くスプレーではない。それでも、複数の界面活性剤を混ぜた市販の液が、PMMAの上で単分子の物語に収まらず、層が増える方向の兆候を出した、という測定はある。[6] 接触角が下がってよく濡れた、は液が広がった記録だ。前腕が喜んだ記録ではない。濡れ剤としての性能を競う、という[2]の結論も、乾いたあとの肌ざわりの順位表ではない。
売り場の文で「伸びがよい」「泡切れがよい」と並んでいても、研究が分けた軸はそこではない。[2]が比べたのは拡散と、高分子表面への濡れである。[6]が純水との差として出したのは、接触角、ヒステリシス、膜圧、接着仕事、表面自由エネルギー、接着張力、そして多層を示唆する表面過剰である。泡の見た目は、この一覧に入っていない。
乾かしたあと、湿度が集まった場所を動かす
拭いたあとの本番に見えるのは、乾いた瞬間であることが多い。水系の感圧粘着フィルムでは、湿度がそのあとを動かした。膜の単量体はアクリル酸n-ブチル、酢酸ビニル、メタクリル酸。乳化剤は、アニオン性と非イオン性のノニルフェノールエトキシレートを等しい質量で混ぜたものだ。共焦点ラマン顕微鏡では、相対湿度50パーセントで保管した膜を、100パーセントへ長い時間置くと、界面活性剤の濃度分布が平らになった。0パーセントで保管したときの、表面への濃縮の増加は比較的小さかった。[14]
透析して、高分子以外の成分を除いたラテックスと、アニオン性または非イオン性の界面活性剤だけを組み合わせた二成分では、表面への濃縮の程度は、界面活性剤と高分子の相性でかなり説明できた。ただし湿度を変えたときの変化は、その相性では説明しきれなかった。相性が決めることと、湿度が動かすことは、同じ膜の上でも別の仕事である。[14]
原子間力顕微鏡では、ラテックスの塗膜を乾燥させると、界面活性剤や他の添加剤が大きな凝集の領域に集まり、表面から突起した。高湿度ではこの構造は消え、高分子の表面を横に広がったためだとみられる。湿度を下げると凝集の領域は戻るが、より小さく、より均等に散らばった。0パーセントと100パーセントの間で湿度を繰り返すと、界面の濃縮は弱まって見えた。[14]
拭いてすぐ巻くことと、乾かしてから袋の口を閉じることは、この粘着膜の実験そのものではない。測定が並べた順序は、乾燥が突起した集まりを作り、高い湿度がそれを横に広げ、湿度の繰り返しが表面の濃縮を弱めた、というものだ。[14] バッグの中の一晩を、0パーセントと100パーセントの往復と呼ぶのは、数字の借り物になる。借りずに済むのは、乾いた色を、膜が消えた合図にしないことだけである。
夜、部屋に戻してマットを立てかける。朝、同じ面に前腕を置く。その間に部屋の湿度が動いていれば、感触の差の候補に「分子が蒸発してゼロになった」だけでなく「表面で横に移動した」を足す。候補を足すのは、突起の高さを家で測るためではない。一つの感想で、乾燥と湿度の両方を片付けないためだ。[14]
数字で読む表面の膜
200〜600平方メートル毎グラム:開いた孔を持つ高分子ゲル三種の比表面積で、薄いシートの値ではない。[5]
90パーセント超:同じゲルの孔隙率である。折りたたみマットの厚さへ写さない。[5]
0パーセント:ラテックス粘着膜を保管したとき、表面への濃縮の増加が比較的小さかった相対湿度である。[14]
50パーセントから100パーセント:同じ膜を移したとき、界面活性剤の濃度分布が平らになった相対湿度だ。[14]
0.2:PTFE上で、陽イオン性と非イオン性の混合物の接触角が極小になった、陽イオン性側の単量体モル分率である。[16]
0.8:非イオン性どうしの別の混合物で、接触角の極小が移った側の単量体モル分率にあたる。[18]
疑問の続きは、体で確かめるのがいちばん早い。
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