ランニング初心者のウォーミングアップ、弾む動作は刺激か疲れかを見分ける

ランニング前にジャンプや動くストレッチを足すと、脚は軽くなるのか、それとも先に疲れるのか。初心者が迷う準備運動を、通常のウォーミングアップと追加刺激の比較から考える。短距離走と持久走、訓練された選手と初心者の違いを分け、数字の読み方と準備を増やす前の確認点を示す。

走り出す前のジャンプで、もう脚が疲れていたらどうするか。玄関で足首を回し、公園に着いたら動画で見たジャンプも足す。準備を丁寧にしたつもりが、走り始める前から脚に仕事をさせた感じがする。ランニング初心者にとって、ウォーミングアップは項目を増やすほど安心できるものに見えやすい。

答えの芯は、通常の準備運動の利点と、そこに強い刺激を追加する利点を分けることだ。若い男性を対象にした比較では、通常のウォーミングアップで短距離走が速くなった一方、弾む動作の追加による上乗せは確認されなかった。準備の効果があることと、追加すればさらによいことは、別の問いである。男性の短距離走で得られた結果を、18〜39歳の女性のジョギングにそのまま当てはめる根拠にはできない。[20]

筋肉に先に刺激を与えて、その後の力の発揮を高める考え方はある。ただし、刺激が役立つかは疲労との釣り合いに左右される。訓練された短距離選手の結果を、走り始めたばかりの人の朝のジョギングへ、そのまま移すことはできない。[18] 既存記事「運動前のランニングは長いほどよい?筋トレに余力を残す準備時間の考え方」には筋トレ前の準備時間を譲り、ここでは走る前に弾む動作を足す意味を考える。既存記事「HIITのウォーミングアップは何分?最初の一本で動ける準備を研究で読む」が扱う準備時間とも分け、通常の準備への追加に絞る。

ヨガとからだの記事のイメージ写真 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

準備で動きやすくなることと、追加刺激は別である

ウォーミングアップの研究では、何と何を比べたかが結論を左右する。何もしない場合より動いた方がよかった、という比較だけでは、普通の準備にジャンプを加える価値までは分からない。初心者が知りたいのは、運動をするかしないかという大きな選択に加え、すでに行っている準備を増やす必要があるかという小さな選択である。[20]

男性22人、平均年齢19.32歳を対象に、別の日に条件を変えて短距離走を行った研究がある。条件は、通常のウォーミングアップ、それに弾む運動を加えた準備、準備運動なしだった。通常の準備をした場合、最初の30m走は準備なしに比べて1.9%速かった。改善は特に前半15mに表れ、その比較の効果量は0.48だった。効果量は差の大きさを表す指標である。この無作為に条件を変える比較の対象は男性であり、18〜39歳の女性にも同じ改善幅があるかは別に確かめる必要がある。[20]

一方、弾む運動を加えた条件は、通常の準備とも準備なしとも有意な差がなかった。ここでの「差がない」は、どの人にも何も起こらなかったという意味ではない。追加した条件でよい成績を出した参加者は8人いたが、全体として追加の優位性は確かめられなかったのである。個人の好感触と、集団で確かめた効果は区別して読む必要がある。[20]

この比較は、初心者に強いジャンプを勧める根拠にはならないが、準備の採点方法は教えてくれる。種目が多かったか、動画の通りにできたかだけで判断しない。これから行う走りに、その準備が何を加えたかを問うのである。研究でも走るタイムに加え、走り方の変化を測っており、通常の準備では最初の走行の後半で歩幅が大きくなった。[20]

中央線を降りてから公園まで歩いた日は、準備を済ませた気分になるかもしれない。逆に、休日には準備の種目を全部こなしたくなるかもしれない。どちらの日も「何個やったか」だけでは、追加刺激の要否を判断できない。研究が比較しているのは具体的な準備条件と、その後の課題であり、丁寧さという印象そのものではない。[20]

疑問の続きは、体で確かめるのがいちばん早い。

空き枠を見て予約電話で予約 042-595-8039LINE

弾ませた後には、増強と疲労の釣り合いがある

先に強い筋活動を行い、その後のパフォーマンスがよくなる現象を扱う研究では、「活動後増強」や「活動後パフォーマンス増強」という言葉が使われる。先行する運動を、次の動作への刺激として利用する発想だ。ただし、強い刺激を入れた分だけ有利になる仕組みではない。先行運動で生じる疲労との釣り合いが、実際の成績に関わる。[18]

その点が分かりやすいのが、十分に訓練された男性短距離選手15人を対象にした研究である。脚に砂袋を付けてウォーミングアップを行い、その後の100m走を比較した。重りなし、体重の2%、4%、8%という条件を設けたところ、4%の条件ではタイムと主観的なきつさが改善し、2%の条件より効果がよかった。しかし8%では、100m走の成績への有意な影響はなかった。これは訓練された男性選手の条件比較であり、18〜39歳の女性に同じ負荷が適するかは、この結果だけでは判断できない。[18]

この結果が示すのは、「重くするほど効く」という順番ではない。少なくともこの選手集団、この準備、この短距離課題では、中間の負荷によい結果が出て、さらに重い条件では同じ利点が確認されなかった。負荷の大きさと成績の関係を、一直線に考えないための例になる。[18]

体重の4%という数字だけを取り出して、初心者用の足首の重りを決めるのは飛躍である。対象は訓練された短距離選手で、測ったのは全力に近い短距離走の成績だ。ゆっくり走る人に必要な刺激量や、心地よく走り続けられるかまで決めた研究ではない。ここで借りるべきなのは器具の重さより、負荷の増加と利点の増加を分けるという判断の枠組みである。[18]

また、弾む動作をした直後の「脚が働いた」という感覚だけでは、その後によい刺激が残ったのか、疲れを先に作ったのかを判定できない。砂袋の研究も、準備中の手応えだけで終わらず、実際のタイムときつさを比べている。準備に達成感があることと、本番に余力があることを、同じ採点欄に入れない方がよい。[18]

立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

動くストレッチの平均効果は、初心者の保証ではない

動的ストレッチは、止まった姿勢を保つ方法とは異なり、動作を伴って行うストレッチである。サッカー選手のウォーミングアップを調べた系統的レビューでは、動的ストレッチを含む準備と、活動後増強を狙う運動を含む準備に、直後のパフォーマンス改善が報告されている。対象論文は27本で、通常の準備を扱う22本と、休止後の再準備を扱う5本から成っていた。対象はサッカー選手であり、18〜39歳の女性のランニングにも同じ効果があるかは、このレビューだけでは判断できない。[5]

このレビューの統合推定値は、動的ストレッチで+3.46%、活動後増強を狙う運動で+4.21%だった。どちらも準備の工夫に利点があり得ることを示すが、サッカー選手の身体能力をまとめた値である。ジョギング初心者の走行時間が、その割合で必ず短くなるという意味にはならない。[5]

特に注意したいのは、異なる研究をまとめた平均値と、同じ研究内で直接比べた条件の違いである。+4.21%が+3.46%より大きいからといって、目の前の人にはジャンプの方が動的ストレッチより優れている、と選ぶことはできない。レビューが扱う競技、準備内容、測定課題のまとまりを離れて、数字だけで種目の順位表を作らないことだ。[5]

同じレビューでは、静的ストレッチを用いた準備で、その直後のパフォーマンスが低下したとも報告されている。ただし、これはサッカーの準備運動と直後の成績についての話である。体を伸ばすこと全般が無意味だとか、あらゆる時間帯のストレッチを避けるべきだという結論ではない。走る前に何をするかと、別の目的で体を伸ばすかは分けてよい。[5]

初心者の選択に置き換えるなら、「動くストレッチだから必ずよい」「静止したら全部だめ」という名前による判断をいったん止めたい。準備運動の名前を覚えるより、何を目指す走りの前なのかを確かめる方が、この研究の範囲を守れる。サッカーの短い加速や方向転換の成果を、夕方のゆっくりした連続走の成果と同じものにしないのである。[5]

持久走でよかった数字は、全体と出だしを分けて読む

走る前の強い刺激は、持久的な課題でも検討されている。持久系トレーニングを積んだ男性12人の無作為化された同一参加者内の比較では、十分なウォーミングアップ後に、バンドで抵抗を加えたスクワットジャンプを行う条件と対照条件を比べた。追加刺激は5回が限界となる負荷で4セット、その後の課題は1km走を5本行うものだった。対象は持久系の男性選手であり、18〜39歳の女性、特に初心者に同じ追加刺激が有効かは別の問いになる。[8]

全体の走行時間は追加刺激の条件で3.6%短かったが、統計的な有意差は確認されず、p値は0.07、効果量は0.51だった。一方、最初の1kmは8%短縮し、p値0.014、効果量1.08で、有意な改善があった。同じ実験でも、全体を測るか、最初の区間を測るかで、結果の確かさが異なる。[8]

「持久走が3.6%速くなる」とだけ紹介すると、この違いが消えてしまう。全体では短縮の方向に動いたものの、有意差が確認された結果と同じ強さでは語れない。逆に、全体で有意でなかったからすべて無効とするのも、最初の区間の結果を落としてしまう。よい数字と慎重に扱う数字が、同じ論文に並んでいる。[8]

ジャンプ高は9.2%、反発的に力を出す能力の指標は16%増加していた。これらは神経や筋肉の働きの変化を考える手がかりだが、ジャンプの改善がそのまま走行全体の確実な改善とは区別する必要がある。測定項目ごとに結果を保つ読み方が必要である。[8]

数字で読むウォーミングアップの追加刺激

22人の男性を調べた比較で、通常の準備後の最初の30m走は、準備なしより1.9%速かった。[20]

弾む運動を加えるとよい成績を出した人は8人いたが、条件全体の有意な優位性は確認されなかった。[20]

男性短距離選手15人では、体重の4%の重りに利点があったが、8%での有意な成績向上は確認されていない。[18]

持久系男性12人の比較では、全体の時間短縮は3.6%、p値0.07で、有意差は確認されなかった。[8]

同じ持久走課題の最初の1kmは8%短縮し、p値0.014だった。全体と区間は別の結果である。[8]

疑問の続きは、体で確かめるのがいちばん早い。

空き枠を見て予約電話で予約 042-595-8039LINE

💬 ご質問がある場合はこちらからどうぞ

オンザショアのチャットで質問する(24時間受付)

レッスン内容・料金・体験のご予約など、気になることをお気軽にお尋ねください。

author avatar
宮川涼 Founder

1

2

関連記事

ご体験予約