夜に小腹がすいたら買い物はどうする、食品以外も欲しくなる説を確かめる

夜に小腹がすいて店に寄ると、食べ物以外まで買ってしまうのか。スーパーの購入記録を調べた研究を軸に、空腹感と食後の経過時間、予定外の購入を分けて読む。呼吸の試験や食事を用意する環境の研究も参照し、運動帰りの買い物を自分の記録で振り返る具体的な方法を考える。

夜のレジでかごを見ると、小腹を満たすものの隣に洗剤や文房具が並んでいる。食べ物を買うつもりで入ったのに、買い物の範囲が広がっていた。お腹がすいていたせいで、食べられないものまで欲しくなったのだろうか。

夜に小腹がすいたら、食品と日用品を分けて購入を振り返りたい。スーパーの利用者198人を調べた研究では、空腹感や直近に食べてからの時間が、食品・非食品の購入数や金額を一律に増やす関係は確認されなかった。非食品とは、ここでは食べ物以外の購入品のことである。[3]

全体の傾向と、条件による違いは分けて読む。食品の購入と食べていない時間との関係は、研究内の体重区分によって方向が異なっていた。[3] 夜の買い物を振り返るなら、「空腹だから衝動買いした」と決める前に、食品と日用品、予定していた品と店で足した品を分けてみたい。

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空腹なら何でも欲しくなる、と決めない

買い物袋に予定外の品があったとき、原因として思い浮かぶものと、実際に確かめたものは違う。空腹だったことは覚えていても、その日用品が切れかけていたことや、店で必要性を思い出したことは後から説明しにくい。これは日常の場面を考えるための例であり、空腹による購入増加の証拠ではない。

既存記事「ダイエット中の買い物はポイントで変わる?還元の魅力と食品の中身を考える」では還元をめぐる選択を扱っている。ここで確かめるのは、会計の特典ではなく、店に入った時点のお腹の感覚と、買って出てきた品の関係である。飲み物を探している夜にも、何を飲めば購入を抑えられるかという処方へ急がず、まず買い物の中身を見る。

この問いに近いのが、Melaらによるスーパーでの調査である。研究者は入店直前の利用者に、直近に食べてからの時間、空腹感、食事を抑えようとする傾向などを尋ねた。退店時には品目が分かるレシートを受け取り、本人が予定外とした購入品も識別した。対象は198人だった。18〜39歳の女性の夜の買い物にそのまま当てはめるには、対象と場面を絞った検証が必要である。[3]

購入したつもりを尋ねるだけでなく、実際の会計記録に結び付けた点が、この研究を読む手掛かりになる。一方、食べる条件を無作為に割り付けて購入への効果を比較した実験として扱うことはできない。買い物の現場で測った状態と購入との関連を調べた結果として読む必要がある。[3]

「欲しい」と思うこと、手に取ること、代金を払うことも同じではない。家で通販画面を眺めて欲しくなった感覚と、スーパーから持ち帰った非食品の数をそのまま置き換えると、調べたい行動が変わってしまう。今回の中心は、空腹と実際の購入の関係である。[3]

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食べていない時間と空腹感は同じ記録ではない

直近に食べてからの時間は、時計で表せる経過である。空腹感は、その人がその場で感じた状態だ。研究では両方を測っており、どちらかをもう片方の代用として扱っていない。食事を抑える傾向や相対的な体重が高い人ほど申告する空腹感は低かったが、直近に食べてからの平均時間には差がなかった。[3]

この違いは、運動帰りのメモを作るときにも役立つ。夕食前なのに平気だった夜と、夕食を済ませたのに何か食べたかった夜を、単に「空腹の日」とまとめない。食べた時点と入店前の感覚を別々に残す、という整理ができる。これは研究で測り分けた項目を生活に移す工夫であり、買い過ぎを減らす効果が確立した方法という意味ではない。[3]

調査では、経過時間、空腹感、食事を抑える傾向、相対的な体重のいずれについても、購入数や金額を通して一定の主効果は見られなかった。主効果とは、ほかの条件による違いをひとまずまとめたときの全体的な関係を指す。食品でも非食品でも、全購入、予定品、予定外品を通じて「空腹ほど多く買う」という一貫した結果にはならなかった。[3]

したがって、食事から時間がたった夜にレシートの合計が高かったとしても、その金額だけでは空腹の影響を取り出せない。食品が増えたのか、以前から必要だった日用品を買ったのかで、同じ会計額の意味が変わる。研究が品目や予定の有無を分けたのは、買い物を合計額だけで表さないための重要な視点である。[3]

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食品の増減を、そのまま日用品の話にしない

全体として一定の関係がなかった一方で、研究には条件による違いがあった。通常体重とされた人では、食べていない状態が強まると食品の購入が増える傾向があり、過体重とされた人では、食べていない時間が長いと食品の購入数と費用が大きく下がっていた。体重区分と食べていない状態が組み合わさる関係が示されたのである。[3]

ただし、これは体格で人の買い方を判定するための分類ではない。自分の体重から「空腹で買うべきだ」「食べずに行けば節約できる」と行動を決める根拠にはしない。異なる方向の関連が同じ調査内に存在したことを、全員に共通する買い物の法則を作れない理由として受け止めたい。[3]

さらに、その違いは主として食品に限られ、一般には非食品で同様に観察されなかった。予定外の購入や特定の食品群についても一貫した関連はなかった。[3] 食品を多く買う傾向があったという部分だけを取り出し、空腹は洗剤まで増やすと話を延ばすことはできない。

「予定外」と「不要」も分けておこう。入店後に翌朝必要なものを思い出した場合、予定外でも役立つ買い物かもしれない。反対に、リストに書いた品でも、家の在庫と重なっていた可能性はある。これは購入記録を読むときの実務上の区別であり、研究で識別された予定外購入と、浪費という評価は別である。[3]

同じ理由で、予定していた食品が増えた結果と、衝動に任せて買ったという説明は一致しない。レシートは品と金額を示すが、その品を必要とする理由をすべて代弁するものではない。お腹と家計のどちらも大切にしたい夜ほど、買った自分への判定を急がず、何を確かめた記録なのかをそろえることが出発点になる。

夜や運動後という場面を付けても、証拠は増えない

ここまでの購入研究が直接扱っているのはスーパーでの買い物である。その結果から、夜だけ非食品の購入が増える、運動をした直後だけ財布のひもが緩む、と結論することはできない。[3] 「運動後で空腹だった」は生活の場面を表す言葉だが、それだけで運動の効果を測ったことにはならない。

たとえばレッスンの帰りに食品を買い、別の日には帰宅してから通販で日用品を注文したとする。店の種類も、購入までの手順も違う。その比較で金額が違っても、差をすべて空腹に帰すことは難しい。これは自分の記録を比べる際の注意点であり、夜の通販を禁じる提案ではない。

小腹がすいたときに何を食べるかと、何を買うかは関連しうるが、答えるべき問いが違う。必要な食事を用意することまで「空腹だと買い物を誤るから」と後回しにしない。購入研究では、空腹と予定外購入の間に一貫した関連はなかった。[3] 食べる必要を考える場面で、買い物の仮説を我慢の理由に変える必要はない。

記録するなら、入店前に欲しかった食品と、退店後に増えた品を見比べる。そのうえで、日用品まで増えたのか、食事の材料を足したのかを言葉にする。同じ「余分に買った」でも、翌朝の食事の支度だったなら、考えるべきことは購入衝動より支度の予定かもしれない。

買う前の予定を残すなら、会計後の記憶だけに頼らない形にしたい。家を出る前には食品だけを買うつもりだったのか、日用品も必要だったのかを書き、店で思い出した品にはその旨を添える。後から全部を「予定していた」と書き換えると、予定外購入を区別する目的が薄れてしまう。これは研究の購入分類を使った記録上の工夫である。[3]

また、持ち帰った食品には、翌日以降に食べる分も含まれうる。購入数を食事量の代わりにしてしまうと、翌日用の材料や家族の分も自分の夜食に数えることになる。購入研究が示したのは購入数と費用の関係であり、その夜に食べた量の変化として読むべきではない。[3]

数字で読む空腹と買い物

198人:スーパーの入店前の状態と退店時の購入記録を結び付けた調査の対象人数である。[3]

40人:食べたい気持ちや衝動性を調べた呼吸の無作為化試験の対象人数であり、買い物研究の人数ではない。[5]

30人:食事の選び方を話し合った英国の高齢者の人数である。[2]

63〜90歳:その話し合いに参加した人の年齢範囲であり、若い運動実践者の調査ではない。[2]

2,468人:食事の不足と食事の質を調べた米国の高齢者研究の対象人数である。[1]

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宮川涼 Founder

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