筋トレの効果的な頻度は動きでも確認、重さの伸びと次回の再現を分ける記録

筋トレの頻度を決めたいのに、休み明けには肘の位置から迷ってしまう。そんな場面を入口に、筋力、日常動作、覚えた手順を別々に振り返る方法を考える。高齢者の比較試験や筋力トレーニングのメタ分析を読み、週の回数だけで上達を判断せず、二の腕の練習にも使える記録の視点を示す。

前回はできた二の腕の筋トレなのに、今日は肘をどこに置くのか分からない。重りを持ったまま動画を巻き戻し、運動より画面を探す時間が長くなる。立川駅から帰ってようやく作った練習時間が、姿勢の確認で終わると、もっと頻繁にやるべきかと考えてしまう。

筋トレの効果的な頻度を考えるときは、扱える重さと、次回に再現できる動作を別の欄に置きたい。高齢者の無作為化比較試験では、同じ運動計画でも日常動作の成績と器具で測った最大筋力が同じようには変わらなかった。18〜39歳の女性の二の腕にも同じ変化が出るかは、この高齢者の試験では判断できない。そこで、回数に加えて何を記録するかを考える。[18]

「ピラティスの頻度は思い出す速さでも振り返る、休み明けの再学習に注目する」には再学習の問いを譲る。また「筋トレの頻度と分割法|量を揃えると、頻度の効果は消える」が扱う頻度そのものの比較とも分け、ここでは筋トレの予定表に何を記録すれば、重さと動きの変化を取り違えずに済むかを考える。

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頻度の前に、何ができるようになりたいか

「二の腕の筋トレが上達した」という言葉の中には、違う出来事が入っている。前より重いものを動かせたこと、教わった姿勢を自分で用意できたこと、家事の中で荷物を扱いやすく感じたことだ。本人にとってはどれも喜ばしい。ただし、同じ意味の記録として並べると、何が変わったのかを後から読み取れない。

地域で暮らす高齢者を対象にした試験は、その違いを具体的に見せる。参加者は48人、平均年齢は67.1歳で、男性28人、女性20人だった。フリーウエイト群、弾性バンド群、対照群に無作為に分け、運動群は週2回、12週間、全身を対象とする主要な5種目の漸進的な筋トレを行った。漸進的とは、負荷を段階的に進める設定である。18〜39歳の女性にこの計画をそのまま当てはめる根拠にはならない。[18]

この試験は、運動の成果を階段昇り、箱の持ち上げ、椅子からの立ち上がりなどで測る一方、胸や脚のプレス動作の最大筋力でも測った。最大筋力の指標である1回最大挙上重量は、反復を何度も続けられる重さとは違い、その動作で最大限に持ち上げられる重さを扱う。評価の入口からして、日常の作業と同じ試験ではない。[18]

したがって、家で二の腕を練習する人も、自分の目的を短い文にしておくと整理しやすい。「前と同じ手順で始めたい」と「抵抗を強くしたい」を別々に書くのである。これは頻度の新しい処方ではなく、記録用紙の設計だ。筋肉を休ませる相談と、動きの手順を確認する相談を、同じ質問に押し込まないための工夫となる。

予定表に丸が並んでいても、丸の中で何をしたかは分からない。種目名、使った道具、教わった注意点を添えて初めて、次の練習と比べる土台になる。逆に、欠席の印だけを見て技術まで失われたと決める必要もない。まず残すのは、参加できたかという事実と、その日に実際にできたことだ。

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週2回の成功例は、週2回が最適という意味ではない

先ほどの高齢者の試験では、フリーウエイト群と弾性バンド群の階段昇りの改善率はそれぞれ11.4%と11.5%、椅子立ち上がりは10.2%と19.8%、箱の持ち上げは31.8%と44.8%で、これらは対照群との比較で有意な改善が示された。一方、胸と脚のプレスの最大筋力では、対照群と比べた有意な改善は示されなかった。[18]

この結果は「週2回の計画で、改善した動作があった」と読める。しかし、週2回が別の頻度より優れると読むことはできない。比較されたのは道具を使う運動群と対照群であり、週の回数を替えた群ではないからだ。運動計画に登場する頻度と、比較の結果として選ばれた頻度は別である。[18]

さらに、この対象は高齢者である。仕事帰りに二の腕を鍛え始めた若い女性が、同じ改善率を見込むための数字ではない。弾性バンドと重りのどちらで何が変わったかを読み、対象、期間、測定動作をひとまとまりで受け取る必要がある。箱を持つ成績の改善率を、そのまま腕の筋肉の増加率に読み替えることもできない。[18]

検索結果で「週2回」と見つけると、その部分だけ手帳へ写したくなる。だが予定表に移す前に、何を測った研究なのかを確かめたい。道具の違いを比べた試験から、休み明けに肘の位置を忘れない間隔を決めることはできない。筋力や生活動作の成果を扱う問いと、覚えた手順の残り方を扱う問いでは、必要な比較が違う。[18]

たとえば記録に「教えてもらいながらできた」とだけあれば、次回も教わる前提なのか、自分だけで始めることを目指すのかが曖昧なままだ。練習回数を増やす相談をする際にも、「回数を増やしたい」の後に「何を確かめたいか」を続ける。頻度は目的から切り離された正解の数字ではなく、計画の中で意味を持つ項目として扱いたい。

筋力の伸びにも、動作ごとの得意不得意がある

高齢者の試験の著者らは、筋トレへの適応には課題特異性が高いと述べている。課題特異性とは、成果がどの動作や課題で評価されるかに左右されるという見方だ。この試験では生活動作の改善が認められても、測定したすべての最大筋力指標で対照群との差が出たわけではなかった。[18]

別の角度から同じ注意を与えるのが、成人の力と速度の特徴に合わせて計画を変えた筋力トレーニングの系統的レビューとメタ分析である。メタ分析とは、複数の研究結果を統合して比べる方法だ。対象となった6研究では、個別化した計画と、そうでない計画を比較している。個別化の基準は、力を出す能力と速く動く能力の関係だった。成人全体を対象とする検討であり、18〜39歳の女性の二の腕の練習へ、そのまま適用できるかは別に検討する必要がある。[13]

実施期間は7〜10週間で、週2回の運動を含む。個別化した計画は力と速度の特徴や垂直跳びの成果で有利な可能性があった一方、最大パワーや短距離走の成績では有意差がなかった。最大パワーの効果量は−0.12、短距離走は0.18と報告されている。成果のばらつきも大きく、慎重な解釈が求められる。[13]

ここでも、週の回数が同じように見えるから成果も同じになる、とは扱われていない。何を基準に計画を作り、どの課題で測るかが論点なのである。跳ぶ能力の変化を、腕のフォームを覚える能力へそのまま移すこともできない。この研究を使って二の腕の練習日を指定するより、同じ「上達」という言葉でも評価項目によって結果が違うことを押さえたい。[13]

生活の記録なら、道具を替えた日にも注意が要る。自宅のバンドとスタジオの重りについて、種目名が似ているという理由だけで同じ欄に成績を書き足さない。抵抗を増やした日の難しさと、慣れない道具の準備に迷った出来事は、それぞれの言葉で残す。研究が動作別に結果を分けていることを、日常の記録でもまねるのである。[18]

記録例をもう少し具体的に考えたい。前回は画面を見ながら始め、今回は画面を開く前に道具を用意できたとする。その場合、「準備の順番は自分で進められた」と書けばよい。途中で肘の位置を確認したなら、その点も残す。全部できたか、全部忘れたかという大きな判定を避ければ、次に質問したい箇所が見える。これは技術の優劣を測る正式な検査ではなく、自分の迷いを伝えるためのメモである。

一方、前と同じ抵抗を扱えた日でも、動画を何度も止めたか、説明を受けてから動いたかは別の情報だ。反復回数だけを眺めると見えない条件を、文章で補う。手順のメモと、その日の筋力の値は別の情報である。同じように、重さの記録が伸びたことを理由に、教わった注意点をすべて覚えたと採点する必要もない。

道具を替える場合には、前の成績を消して新しい成績に置き換えるより、条件の違う記録として残したい。高齢者の比較試験も、箱を持つ課題、階段を昇る課題、プレスの最大筋力を分けて測っていた。違う結果を混ぜずに並べたからこそ、生活動作と最大筋力の変化がそろわないことを読み取れるのである。[18]

自宅での記録も同様に、比較できる部分と違う条件の部分を分ける。前回と同じ説明で始められたのか、初めての道具で説明が増えたのかを書くだけでも、次の相談内容は変わる。練習日を増やすべきかという判断の前に、何に時間がかかったのかを言葉にする余地がある。カレンダーの丸を増やすことと、丸の中身を知ることは別の作業だ。

数字で読む筋力と動作の評価

48人:弾性バンドとフリーウエイトを比較した、高齢者の無作為化比較試験の参加者数である。[18]

週2回・12週間:同試験の運動計画であり、技術を忘れない最適間隔を示す数字ではない。[18]

31.8%と44.8%:フリーウエイト群と弾性バンド群の箱の持ち上げの改善率で、筋肉量の増加率ではない。[18]

6研究:力と速度の特徴に合わせた個別化トレーニングのメタ分析に含まれた研究数である。[13]

0.11:高負荷筋トレに血流制限を加えたときの筋力の効果量で、95%信頼区間は−0.11〜0.33だった。[6]

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宮川涼 Founder

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