腹筋の筋トレは最後だと姿勢が崩れる?回数が減った日こそ分けて見たい動作の質

腹筋を筋トレの終盤に回して回数が減っても、それだけで姿勢の崩れとは決められない。体幹の筋力、動く角度、痛み、協調性を別々に調べた研究から、何を見れば動作の質を確かめられるかを読む。腰の筋肉痛や前後比較の条件にも触れ、仕事帰りの練習で順番を考えるための観察の軸を整理する。

脚の運動を終え、マットに横になる。いつもの腹筋運動なのに、今日は途中から起き上がりにくくなった。「終盤に回したせいで姿勢まで悪くなったのか」と気になる場面だ。だが、回数、力の出しやすさ、体の動く角度は同じ成績ではない。腰の筋肉痛を扱うメタ分析でも、最大の力は低下した一方、体を前に曲げられる範囲は変わらなかった。[6]

腹筋は必ず最初、あるいは必ず最後、という一律の順番をここから決めることはできない。見るべきなのは、終えた回数と、狙った動きができたかを分けることだ。体幹と脚の連動を練習した若い成人の研究では、バランスや横への移動に改善があっても、筋力やパワーの試験には有意な変化がなかった。[7]

既存記事「女性の腹筋の鍛え方は最初がよい?種目の順番と回数だけで効果を決めない読み方」には、最初に行う選び方を譲る。ここで扱う問いは、最後の腹筋で回数が減ったとき、何を根拠に「動作が崩れた」と呼ぶのか、である。マットの上の反省会を、回数だけの裁判にしない。

ヨガとからだの記事のイメージ写真 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

回数が減ることと、姿勢が変わることは別の観察だ

腹筋運動を何回できたかという記録には、終えた動作の数が残る。しかし、その記録だけでは、途中で上体の動く範囲が変わったか、腰と股関節の分担が変わったかまでは分からない。研究でも、体幹の力、持久力、動作中の角度は別の項目として調べられている。慢性腰痛の男性の試験は曲げる局面と戻る局面の角度を調べ、膝に問題のある人のレビューは力や持久力、筋活動を調べている。対象も測定課題も違うため、18〜39歳の女性の腹筋にそのまま当てはめるには慎重な判断が要る。[8][10]

たとえば「最後の腹筋が少なかった」というメモと、「後半は起き上がる位置が変わった」というメモは、答えている問いが違う。前者は完了した量についての記述で、後者は動作の経過についての記述だ。順番を考える前に、まず自分がどちらを心配しているのかを言葉にしておく。これは特定の回数を推奨する話ではなく、比較する対象をはっきりさせるための工夫である。

「動作の質」も、そのままでは幅の広い言葉だ。体を曲げる角度を指すのか、戻るときの連動を指すのか、痛みなく終えられることを指すのかで、確かめるものが変わる。慢性腰痛の男性を対象にした試験では、痛みが減っても腰の反りの角度は有意に変わらなかった。18〜39歳の女性でも痛みと腰の角度が同じ関係になるかは、この男性の試験だけでは決められない。[8]

腹筋の回数が少ない日を、ただちに悪い練習と呼ぶ必要もない。逆に、回数を予定どおり終えたというだけで、狙った動きまで確認できたことにはならない。記録に残すなら、量の欄と動作の欄を分けたい。研究で別々に測っている結果を、日常でも別々に眺めるという発想だ。[7][8]

終盤に行うかどうかを相談する際も、「腹筋は後半だと駄目なのか」だけでは話が広すぎる。「回数が減るのが気になる」「戻る動きが前と違う」なら、確認したい場面を共有できる。疲れたという感想を消すのではない。その感想と、目で確かめた変化を並べておく。そこから先の判断が、順番についての思い込みだけで進むのを避けられる。

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

筋肉痛があると力は落ちても、動く範囲は同じことがある

腰部の遅発性筋肉痛、つまり運動のあとに遅れて生じる筋肉の痛みを実験的に起こした研究の系統的レビュー・メタ分析がある。対象は健康な成人で、統合されたのは18研究、計452人だ。18〜39歳の女性に限った結果ではないため、その年代の女性にも同じ程度の変化が起こると当てはめるのは慎重にしたい。筋肉痛の影響がある期間の痛み、力、体の動きを調べている。[6]

体幹を反らす方向に自分で出せる最大の力は、筋肉痛がある日に有意に低下した。標準化平均差は翌日が−0.67、翌々日が−0.95だった。標準化平均差とは、研究で異なる測定尺度をそろえて差を表す指標であり、「力がその割合だけ減った」という意味ではない。これらの数値を、そのまま腹筋の回数の減少率に置き換えることもできない。[6]

一方で、体を前に曲げる可動域は変わらず、前屈に伴う筋の活動と緩みの関係を表す指標にも変化はなかった。痛みや力の低下があっても、測った動作のすべてが同じ方向に変わるわけではない。この結果は、「力が出ないなら必ず見た目の姿勢も崩れる」という飛躍を止める材料になる。[6]

ただし、ここで扱ったのは腰部の筋肉痛だ。脚の種目を終えて、その直後に腹筋を行う場面とは条件が違う。体幹を反らす力の結果を、上体を起こす腹筋の結果にそのまま移すこともできない。筋肉痛があるときの研究は、最後の腹筋が何回減るかを予言するものではなく、力と角度を同じものとして扱わないための手掛かりである。[6]

前日の運動が残っている日に、先週の元気な日の記録と比べると、順番以外の条件も混じる。日誌には「終盤に腹筋」とだけ書くより、「始める前から腰の筋肉痛が気になった」と添えるほうが、後で状況を思い出しやすい。腰部の筋肉痛の研究では、痛みや圧への敏感さも変化しているので、回数以外の体感を別欄にする意味がある。[6]

筋肉痛があるから姿勢が悪い、と決めるのも、曲げられる範囲が同じだから問題がない、と決めるのも早い。今回の研究では、変わった項目と変わらなかった項目が同時に存在した。自分の記録でも、動けた範囲、力の出しやすさ、痛みの有無をひとつの「調子」に丸めないほうが、相談時の情報が具体的になる。[6]

連動がよくなることは、力いっぱい動けることと同じではない

体幹の安定と脚の動きをつなぐ、あおむけで行う運動を調べた研究では、健康な若い男性17人の無作為化クロスオーバー試験と、男女22人の前後比較が別々に行われた。18〜39歳の女性にそのまま当てはめるには、男性だけの試験と男女を含む試験の設計の違いを考慮する必要がある。クロスオーバーとは、同じ参加者が介入条件と対照条件をどちらも経験する設計だ。前後比較は、運動の前後を比べる設計であり、両者を同じ確かさとして扱わない。[7]

運動は1日10分、2週間である。静止時のバランス、横へ移動する課題の動き、座って体を前に曲げる成績に有意な改善があった。一方、筋力やパワーに関する試験には有意な変化がなかった。連動を練習したあとの変化は、すべての運動能力を一括で引き上げるという結果ではなかった。[7]

この区別は、最後の腹筋を振り返るときにも役立つ。自分がその日に確かめたいものが、上体を大きく動かすことなのか、脚を動かす間の体幹の支え方なのかで、見る場面が違う。研究でバランスが変わったから腹筋の回数も増えるはず、と期待すると、別の試験の結果を混ぜてしまう。[7]

また、この運動は短期間続けるプログラムであり、腹筋の前に行えば準備運動として必ず有効、という結論ではない。最初に軽く動いた日と、最後まで強く動いた日を比べるなら、順番だけでなく、そもそも行った内容が同じかも確かめたい。練習の名前が同じ「体幹」でも、課題には違いがある。[7]

同じ研究の中にも、対照条件を経験する試験と、前後だけを比べる試験が含まれている。前後比較では、練習をしたことと、時間の経過に伴う変化を切り分けにくい。だから、横へ動く成績が良くなったという結果を読むときも、対象者全員について同じ方法で効果が確定した、と受け取らないことが大切だ。参加者の人数を足しただけでは、設計の違いは消えない。[7]

この連動運動の研究が扱う姿勢制御は、頭、胸郭、骨盤の位置関係と脚の働きをつなぐものだ。胸郭とは胸の骨格を指す。立っているときや移動するときには、これらの部分の位置を保つために脚も協調して働くという考え方で、あおむけの運動が組まれている。上体を起こす回数だけを増やす課題とは、出発点が違う。立位のバランスまで調べた理由も、この体幹と脚のつながりにある。[7]

測定には握力、座った姿勢での前屈、上体起こし、立ち幅跳び、横へのステップ、走る課題が含まれていた。静止時のバランスには重心の揺れを調べる装置を使い、男女を含む前後比較では横へのステップを動作解析した。したがって、バランスの改善という言葉の中にも、静かに立つ課題と動きながら姿勢を保つ課題がある。腹筋運動中の形を直接評価した結果と取り違えないために、どの課題の成績かまで読む必要がある。[7]

数字で読む、体幹の力と動きの別々の成績

18研究・452人:腰部の筋肉痛による変化を統合した、健康な成人のメタ分析。[6]

−0.95:筋肉痛の翌々日の体幹を反らす最大の力の標準化平均差。回数の減少率ではない。[6]

1日10分・2週間:あおむけの連動運動を実施した期間と時間。筋力試験には有意な変化がなかった。[7]

28人・8週間:慢性腰痛の男性を対象に、体幹の安定を練習した無作為化試験。[8]

23研究:膝に問題のある人とない人の体幹機能を比較した系統的レビュー。測定項目で結果が分かれた。[10]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

💬 ご質問がある場合はこちらからどうぞ

オンザショアのチャットで質問する(24時間受付)

レッスン内容・料金・体験のご予約など、気になることをお気軽にお尋ねください。

author avatar
宮川涼 Founder

1

2

関連記事

ご体験予約