ダイエットの間食は残りわずかで欲しくなる?通販の品薄表示と空腹を分けて読む

ダイエット中の間食を通販で探すと、残りわずかの表示が気になる。農産物のライブ販売研究を手掛かりに、衝動買いの意向と実際の摂取量、空腹を分けて読む。時間や予算の不足を扱う研究との違いも確かめ、ランキングや在庫の言葉だけに頼らず、自分が食べたい物と必要な量を選ぶ視点を考える。

戸棚にはまだ菓子があるのに、間食の通販ページを開く。味を比べていたはずなのに、「残りわずか」の文字を見た途端、買い物かごに入れたくなる。ここで確かめたいのは、お腹の状態か、それとも買う機会を逃したくない気持ちか、という違いだ。

品薄を強調する訴求と衝動買いの意向には、関連を示す研究がある。農産物のライブ販売を扱った研究では、希少性の訴求が気持ちの高ぶりなどを介して購入意向と正に関連した。ただし、買いたいと思うことを、間食を多く食べることや身体の空腹と同じに扱うことはできない。[10]

「ダイエットの間食は安い大袋ほど食べる?価格研究で分かる範囲と袋選びの条件」には価格と袋選びの問いを譲る。ここでは通販の画面にある品薄の言葉を、味、栄養、空腹とは別の情報として読む。食べたい物を楽しむことまで取り締まる記事ではない。

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「残りわずか」は、何を知らせているのか

まず、在庫についての説明と、自分の食事についての判断を切り分けたい。「残りわずか」は、画面上では買える機会が限られるという知らせである。その菓子が自分の好みに合うか、今日の補食として必要か、家にある食品と重なるかという問いには、それぞれ別の確認が要る。

食品の好みと食行動を整理したレビューでは、味や香りなどの感覚的な側面だけでなく、情報、周囲の人、物理的な環境も食選択に関わる要素とされている。味の好みは食習慣の形成や維持、変化の中心にあると論じられており、食品を選ぶ判断は栄養成分の比較だけでは尽くせない。[5]

この整理に沿えば、通販で見る在庫の言葉も「食べ物そのもの」と区別して考える余地がある。ただし、このレビューは、特定の在庫表示を実験で比べて購買率を測った研究ではない。「残りわずかなら誰でも買う」という法則を引き出すために使うものではなく、判断を構成する要素を整理するための見取り図である。[5]

たとえば、いつも好きで食べている菓子を補充しようとしていた場合と、初めて見た菓子を品薄の文字だけで選ぼうとしている場合を並べてみる。前者には表示を見る前から用途があり、後者にはまだ用途がないかもしれない。どちらを買ってもよいが、購入理由を自分の言葉で説明すると、画面から受け取った情報の役割が見えやすい。

在庫の説明は、食事の採点表ではない。品薄だから栄養面で優れているとも、在庫が多いから好みに合わないとも判断しない。商品欄の文章を読むときは、「売られ方」と「食べ方」の欄を、頭の中で分けておく。その区別がこの記事で提案する読み方である。

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ライブ販売の研究が測ったのは衝動買いの意向だ

農産物のライブ販売を扱ったLiらの論文では、3つの研究を通じて、希少性を強調する販売訴求と、社会的な意義に結び付ける働きかけを調べた。対象は農産物のライブ販売の消費者であり、18〜39歳の女性の菓子通販にそのまま当てはめるには、商品と売り場の違いを考慮する必要がある。中心となる指標は衝動買いの意向、つまりその場で買いたくなる気持ちである。食品を口に入れた量を表す指標とは区別して読む必要がある。[10]

結果は、希少性の訴求と社会的意義を示す働きかけが、気持ちの高ぶりや道徳的な感動を介して、衝動買いの意向と正に関連するというものだった。売り場の言葉と購入意向の間に、感情の動きを含む経路を考えた研究である。ここから読めるのは関連の方向であり、日常の間食が何割増えるかという数値ではない。[10]

興味深いのは、働きかけを重ねれば単純に効果が足されるわけではなかった点だ。希少性の訴求と社会的な意義を示す働きかけを同時に提示したとき、後者の購入意向への影響は統計的に有意ではなくなった。少なくともこの研究では、言葉を重ねるほど、それぞれが独立して同じ力を持つという結果ではなかった。[10]

ライブ販売には、農産物を売るという商品の文脈と、配信を見ながら選ぶという売り場の文脈がある。これを菓子の通常の通販ページにそのまま当てはめ、「在庫表示を消せば購入が一定量減る」と予測するのは飛躍である。実験や調査の対象となった売り方を残したまま読むことが、研究を役立てる条件になる。[10]

買いたくなった自分を見つけたら、「今の変化は味への期待か、買う機会への焦りか」と問い直してもよい。これは購入を止める決まりではなく、何に反応したかを言葉にするための問いだ。好きな菓子を注文する理由と、注文を急ぐ理由は、同じ文章でなくてよい。

売上が動いても、食生活全体が変わるとは限らない

実際の食品売り場で複数の工夫を組み合わせた研究もある。オランダのサッカークラブの売店を扱った事例研究では、2か所の売店に8つの食品・飲料を追加し、その後、目立たせ方、希少性、入手のしやすさ、初期選択を使った働きかけを行った。対象はサッカークラブの売店とその利用者であり、18〜39歳の女性による通販の選択への直接の適用には、利用場面の違いが残る。初期選択とは、最初から選ばれている選択肢を指す。[17]

介入期間は売店ごとに26週間と16週間であった。売上や収入には好ましい傾向があり、関係者にも受け入れられていた一方、取り組みが計画どおり続く程度と、全体の消費パターンへの影響は小さかった。研究者は、こうした選択を促す工夫だけで及ぼせる影響には限界があると評価している。[17]

この結果は、品薄表示が無意味だという証明でも、品薄表示だけで食生活を変えられるという証明でもない。複数の工夫を同時に用いた事例なので、希少性だけの寄与を取り出して語らないことが大切だ。さらに、売店の売上という変化と、利用者の食べ方全体という変化の間にも距離がある。[17]

通販に置き換えて考えるなら、買い物かごに入れる、決済する、届く、実際に食べる、という場面を混ぜないことである。注文した食品は、その日に全部食べるとは限らない。家族と分けるための注文もある。購入画面の判断を見て、その人の食習慣や意志の強さまで評価する必要はない。

「ランキングで目立っていた」「買えなくなりそうだった」「味が好きだった」。同じ商品を買った人でも、説明は異なりうる。通販を振り返るときは購入の有無だけを採点せず、予定していた用途と実際の食べ方が合っていたかを見る、という使い方ができる。

売店の研究は、売上だけを追ったものではなかった。利用者への質問票には、それぞれの売店で70人と59人が回答し、運営側や売店職員への面接も行われた。観察や質問票、面接を組み合わせ、取り組みが届いているか、受け入れられるか、現場で続けられるかも調べている。数字の動きと実施の事情を並べて見る設計だった。[17]

これは自分の買い物を振り返るときにも役立つ区別である。たとえば、予定外の商品を注文したという事実と、届いた商品を扱いにくかったという経験は、別々に書ける。前者だけなら購入画面を見直す話になり、後者があれば保存場所や家族との分け方も検討する話になる。原因をすべて品薄表示へ集めず、どの場面で困ったのかを残しておきたい。

また、購入意向を扱った研究の「関連」という言葉も大切だ。希少性の訴求と買いたい気持ちが結び付いていることは、その気持ちが必ず決済へ進むという意味ではない。研究が示した関係を、購入の確定、継続的な摂取、身体の変化へと順番を飛ばして延ばさない。農産物のライブ販売という対象と、衝動買い意向という指標をセットで覚える方が、強い宣伝文句にもならず、研究の意味も残る。[10]

日常の確認では、画面を見る前の予定を思い出すところから始められる。買い置きを補充するつもりだったのか、まだ買う予定はなく眺めていただけなのか。さらに、注文を急ぐ理由が配送の都合なのか、在庫の言葉なのかも分けられる。すべての予定外の購入を失敗にする必要はない。品切れなら別の候補でも用事が済むのか、それともその味を待ちたいのかも、自分の選択として残せる。新しい味を試す楽しみも残しながら、予定を変えた理由を確かめるための問いとして使いたい。

数字で読む品薄と食選択

3つの研究:農産物のライブ販売で、希少性の訴求などと衝動買い意向の関係を調べた研究数である。[10]

2か所・8商品:オランダの売店事例研究の施設数と、追加された食品・飲料の数を示す。[17]

26週間・16週間:売店ごとに複数の選択を促す工夫を実施した期間に当たる。[17]

30人・女性80%:オーストラリアのオンライン食品配達利用者への質的研究の参加者構成を表す。[8]

18人・1か月:経済的制約がある人の食選択を、写真と面接で調べた研究の人数と撮影期間である。[12]

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宮川涼 Founder

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