ダイエットの間食のトマトは皮をむく?繊維と食べやすさから選び方を考える

ダイエット中の間食にトマトを選ぶとき、皮をむくと何が変わるのか。皮や種の成分分析、乾燥した皮を使う食品試験、消化モデルの研究から、食物繊維とポリフェノールの話を整理する。皮ごとの食べ方を義務にせず、食べやすさと成分を残す選択を分けて考えるための読み物である。

ミニトマトの果肉を飲み込んだあと、口に残った皮が気になる。次はむいて食べたいが、ダイエット中なら皮も食べるべきなのか。なめらかな湯むきの皿と、皮つきの皿。成分を残すことと、食べやすくすることのどちらを選ぶかで、包丁を持つ手が止まる。

成分を残す点では、皮を一緒に食べる意味はある。トマトを部位別に調べた食品分析では、皮と種が抗酸化成分に寄与し、加工で出る皮は食物繊維の原料にもなる。[19][18] ただし、その事実を「皮をむくと間食として失格」「皮ごとなら体重が減る」と読み替えることはできない。成分を調べる研究と、人の体重の変化を調べる研究は、答える問いが違う。

既存記事「ダイエットのりんごは皮をむくべき?皮に多い成分と食べやすさを読み解く」はリンゴの問いを扱う。ここではトマトの部位別分析と、皮を素材にした加工研究に対象を絞る。

ここでは、むかずに食べやすいなら皮も使い、口に残ることが気になるなら食べ方を選ぶ、という判断を出発点にする。既存記事「ダイエットのトマトは干すと栄養も増える?濃くなる量と吸収の違いを研究で読む」には乾燥の話を譲り、このページでは皮を残すか、取り除くかに焦点を当てる。

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皮をむくと、何を取り除くことになるのか

トマトの皮は、ただの包み紙ではない。食品としてどの成分を含むかを考えるには、果実全体をひとまとまりにせず、皮、果肉、種に分けて見る方法が役立つ。部位によって成分の分布が違えば、どの部分を取り除いたかで、残る食品の組成も違ってくる。[19]

食品分析研究では、トマトの6品種について、皮、果肉、種の抗酸化成分と、抗酸化能を測定した。抗酸化能とは、この研究の場合、決められた測定系の中で酸化に関わる反応を抑える能力を評価した値である。研究者は成分の濃さだけでなく、果実全体に占める各部位の実際の生重量も考慮して計算した。その結果、調べた品種すべてで、皮と種は果実の抗酸化成分に相応の寄与をしていた。[19]

ここで大切なのは、「濃い部位がある」という話と、「食べた全体にどれだけ寄与するか」という話を分けている点だ。薄い皮の分析値を見ただけで、トマト全体の栄養を皮だけが担っているとは判断できない。一方で、薄いから無視してよいとも言えない。部位の重さまで踏まえた研究で寄与が確認されたことが、皮も食品の一部として見る根拠になる。[19] 対象はトマトの部位であり、18〜39歳の女性が皮を食べた場合の健康効果へ、そのまま当てはめることはできない。

成分を残すという判断にも、比べる条件が要る。同じ果実から皮を外す話なのか、別の品種同士を比べる話なのかで、読める結果が違うからだ。部位別分析では皮と果肉の違いを見られるが、品種が変われば成分の組合せも変わる。[19][16] 皮をむいたトマトと、別の店で買った皮つきトマトを並べて、見た目だけで成分の損失を判定することはできない。

この研究で皮と種を除いた場合に失われると評価されたのは、成分である。[19] 皮をむいた人が健康を損なうと追跡した結果ではない。湯むきしたトマトの皿を見て、健康の点数が下がったように考える必要はない。分析結果は、料理を採点するためではなく、取り除く部分にも成分があると理解するために使いたい。

また、皮だけをむくことと、皮も種も除くことは同じ操作ではない。研究で皮と種の両方を除いた結果を、そのまま皮だけの損失に置き換えないようにする。[19] 台所では「なめらかにした」というひと言でも、裏ごしして種まで除いたのか、外側の皮だけを外したのかで、比較の中身は変わる。食べ方を振り返るときも、何を残したかを具体的に言葉にする方が研究とつながる。

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食物繊維があることと、生の皮の食べやすさは別の話だ

食物繊維という検索語に対して、皮の研究が示す具体例を見よう。乾燥したトマトの皮を粉にしてハンバーガー用パティに加えた食品開発研究では、皮の粉の配合を変え、成分と官能評価を調べている。官能評価とは、人が食べたときの感覚を評価する方法である。皮の粉の高い繊維含量を反映して、配合したパティの食物繊維量は増えた。[18]

配合量は1%、2%、3%、4%で、皮の粉を増やすと、水分と脂肪の割合は低下した。食べたときの評価では、1%または2%を含む試料の得点が、加えない対照に比較的近かった。[18] これは「増やせる成分がある」だけでなく、「加えた食品がどのように食べられるか」も見る研究である。成分表の改善と、口に入れたときの受け入れやすさは、同時に確かめる必要がある。対象は皮の粉を配合したパティであり、この配合の評価を18〜39歳の女性の生トマトの好みにそのまま当てはめることはできない。

ただし、乾燥粉末を混ぜたパティは、冷蔵庫から出した生のミニトマトではない。この研究の配合割合を、生のトマトの皮に含まれる繊維の割合と解釈してはいけない。[18] 「2%」という数字を見ても、トマトの重さの2%が食物繊維だという意味ではない。何に対する割合なのかを外すと、正しい数字でも違う説明になってしまう。

さらに、加工残渣の皮から得た水溶性食物繊維を調べた実験では、押し出し加工、複合酵素による分解、それらを組み合わせた処理が比較された。処理後には構造や分子量が変わり、ブドウ糖の吸着や、透析系での移動を遅らせる指標が改善した。組み合わせた処理の変化が最も大きかった。[7] 水溶性とは水に溶ける性質を指すが、この実験で扱うのは、皮から得て加工した素材である。18〜39歳の女性が食べたときの血糖への作用に、そのまま当てはめることはできない。

加工した繊維の実験では、未処理の水溶性食物繊維を比較対象としている。処理後はペクチンなどの量が増え、微細な構造はより多孔質になり、分子量や結晶性は低下した。[7] 変化したものを確かめたうえで、実験上の働きとの関係を検討しているのである。単に皮を刻んだ、あるいは皮を残して食べたという家庭の操作とは、比較の出発点から異なる。

この結果は、繊維を「あるか、ないか」だけで語れないことを示す。原料が同じ皮でも、加工で構造が変われば、実験系での働きは変わりうる。[7] 反対に、加工した繊維で得られた結果を根拠に、生の皮をそのまま食べることが同じ働きを生むと決めることもできない。研究室の加工機を、夕方の台所に置いたつもりにならないことだ。

生の皮が口に残って気になるという感覚は、このような素材の性能とは別に扱ってよい。繊維原料として価値があるからといって、食感の好みまで指定されるわけではない。皮をむくかを選ぶときには、素材の研究でわかる成分面と、自分がその皿を食べやすいかという生活面を、同じ物差しで無理に比較しなくてよい。

ポリフェノールは皮にあるが、全部のトマトが同じではない

皮の話でよく出てくるポリフェノールは、フェノール酸やフラボノイドなどを含む成分群として、トマトの分析で調べられている。[15] 「ポリフェノールがある」とひとまとめにした表現の内側には、複数の成分がある。ひとつの栄養素の量だけを比べる感覚で読むと、部位や品種による違いを見落としやすい。

スペインの異なる地域に由来するトマトの皮と種を分析した研究では、57の化合物が見つかり、そのうち8つはトマトで初めて同定されたものだった。地域の異なる試料間で量にも違いがあり、いくつかの成分は果実全体よりも加工副産物で多く検出された。[15] 食べずに除かれる部分にも、多様な化合物が含まれるという具体的な裏付けである。分析対象は食品の皮と種であり、成分の多様さを18〜39歳の女性の健康効果にそのまま当てはめることはできない。

ここでも、皮と種を研究対象に含む結果を、すべて皮だけの話にしないことが必要だ。[15] また、ある産地の分析値が高かったという結果から、店頭に並ぶ同じ産地のトマトを一律に上位に置くのも飛躍である。研究が分析した試料の違いは、いつでも使える買い物の順位表とは違う。

別の研究では、南イタリアの4品種について、皮や果肉、種などの成分と実験上の活性を比べた。調べた品種のすべてで皮の抽出物が最も高い活性を示した一方、皮の抽出物で反応を抑える能力が高かった品種と、リコピン含量が最も高かった品種は異なった。[16] リコピンはトマトの色素として分析される成分であり、ポリフェノールと同じ項目ではない。[16] 対象は品種別の成分や抽出物であり、この活性の順位を18〜39歳の女性への効果の順位にそのまま当てはめることはできない。

つまり、「栄養が多いトマトはどれか」と聞く前に、何を比べるかを決める必要がある。皮の抽出物の測定値、特定の色素の量、果実全体としての寄与は、同じ順位になるとは限らない。[16][19] 買い物かごのトマトを見て、赤さ、皮の扱い、成分の名前を全部まとめて「健康によい順」に並べなくてよい。

数字で読むトマトの皮の研究

6品種:皮、果肉、種を分け、実際の生重量も踏まえて抗酸化成分への寄与を計算した食品分析の対象である。[19]

57化合物:皮と種のポリフェノール分析で見つかった数で、食べるべき個数ではない。[15]

4品種:部位別の抽出物を比べ、皮の活性や色素量の違いを調べた研究の対象である。[16]

1〜4%:乾燥した皮の粉をパティへ加えた配合割合で、生の皮の繊維含有率ではない。[18]

10%:トマト由来抽出物とでんぷんを等量で用いた消化モデルでの、でんぷん消化の低下である。[4]

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宮川涼 Founder

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