ダイエット停滞期がつらいとき他人の減量記録を見る?比較相手と意欲の関係を読む

ダイエット停滞期がつらいとき、他人の減量記録は励みになるのか。仲間と成功者を比べた無作為化試験や、比較の向きと体重・運動の関係を追った研究から、役立つ支援と苦しくなる採点の違いを読む。記録を見る目的、相手との距離、画面を閉じた後に残る行動を手がかりに、付き合い方を考える。

記録帳を開くと、自分の体重グラフだけが横ばいに見える。隣には、参考にしようと写した誰かの右肩下がりの線がある。「参考にしたい」と開いたはずが、閉じるころには自分の取り組み全体が遅れて見える。停滞期がつらいとき、他人の減量記録まで見続ける必要はあるのだろうか。

答えは、励みになる相手もいれば、距離が負担になる相手もいる、である。肥満治療に仲間や経験者の支援を加えた試験では、似た進み方をする仲間との支援に利点があり、自分より進んだ相手との比較は成績の悪さと関連した。一方、比較する傾向が運動の維持に役立つ関連もある。「他人と比べるのを全部やめる」だけでは、この違いを拾えない。[4][11]

ここで読むのは、停滞した体重を動かす代謝の方法ではなく、他人の進捗を自分の評価に使う場面である。既存記事「ダイエット停滞期のモチベーションは目標で変わる?体重と行動の達成感を読む」には目標の置き方を譲る。こちらでは、同じ画面の情報でも、誰と何を比べるかで受け取り方が違う点を追う。なお、ここで扱う比較研究は、停滞期の人だけを集めた試験ではない。[4][11][12]

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同じくらいの仲間と、先を行く成功者は違う

社会的比較とは、他人の状態や進み方を手がかりに自分を評価することである。自分より良い状態の相手を見るのが上方比較、似た状態の相手を見るのが水平比較だ。減量中なら、先に成果を出した人と比べるのか、一緒に始めた仲間と比べるのか、という違いになる。比較の向きは、単に相手を好きかどうかとは別の話である。[4][12]

この違いを調べた無作為化比較試験には、肥満の行動的減量治療を受ける278人が参加した。集団での支援を徐々に減らす治療だけの群、それに仲間同士の電子的支援を加える群、過去に成功した経験者の電子的支援を加える群に分け、12か月追った。支援の相手を変えた比較であり、成功写真を眺めるだけの実験ではない。肥満治療を受ける人の結果を、18〜39歳の女性一般にそのまま当てはめることはできない。[4]

集団セッションが少なくなり、電子的支援が多くなる時期には、仲間の支援を加えた群で治療単独群より減量が有意に大きかった。経験者の支援を加えた群は、ほかのどちらの群とも有意差がなかった。つまり「仲間が経験者に勝った」とまでは言えず、経験者が無用だったとも読めない。群間の差が確認された組み合わせを、そのまま受け取る必要がある。[4]

仲間群では「自分と相手の進捗は似ている」という水平比較が多い傾向があり、経験者群では「自分は相手より進んでいない」という上方比較が多かった。上方比較は、より悪い減量結果と関連していた。ただし、支援方法を無作為に割り付けたことと、心の中で起きた比較を無作為に割り付けたことは違う。比較が悪い結果を引き起こした、と断言するところまでは進めない。[4]

停滞中に読むなら、相手の最終成果だけでなく、どの立場から話しているかを見る読み方が考えられる。現在の迷いをやり取りできる仲間なのか、終了後の経過をまとめた経験者なのか。後者の知識が役立つことと、後者の体重曲線を自分の締切にすることは別だ。この区別は、仲間支援の試験を日常の情報選びに置き直すための視点である。[4]

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比較する癖が強い人ほど、いつも不利なのか

比較をよくする性質と、誰を相手にするかは分けて考えたい。行動的減量治療に参加した161人を追った研究では、全般的に比較情報を重視する傾向が強い人ほど、有酸素運動に相当する強度の身体活動を維持しやすかった。一方、良い状態にある他人との比較を重視する傾向は、治療中も治療後も減量の成功が小さいことと関連した。[11]

参加者の平均年齢は54歳、平均の体格指数は34.4だった。体格指数は身長に対する体重の指標である。体重は研究施設で測定され、活動は加速度計で評価された。治療の途中と終了時に加え、終了後6か月と12か月にも調べている。活動を機器で測った追跡研究であり、比較の傾向を変えるよう割り付けた試験ではない。平均54歳の治療参加者の関連が、18〜39歳の女性にもそのまま成り立つかは別に確かめる必要がある。[11]

この研究の読みどころは、結果として選ぶ指標によって、比較との関連が違うことだ。運動が続くことと、体重が減ることを同じ成功欄に詰め込むと、この違いは消える。「人の記録を見ると外へ出る気になる」と「人の減量幅を見ると自分を低く評価する」は、同じ人の中でも別々に確かめる価値がある。[11]

生活の具体へ移すなら、画面を見た直後の高揚だけで判断せず、その情報が自分の運動や食事の扱いにどうつながっているかを分けて振り返る、という提案になる。「やる気が出た」の中身を確かめるためであり、比較好きという性格に合否を付けるためではない。[11]

たとえば、帰り道に歩こうと思えたことと、帰宅後に体重が変わらず自分を責めたことは、別の出来事として書ける。比較が役立った場面を残しつつ、負担になった対象を替える余地もある。研究は比較全般と上方比較を分け、活動と体重も分けていた。その分け方を、自分の記録にも借りるのである。[11]

何を知りたくて、その記録を開いたのか

減量を試みる女子大学生306人のオンライン調査では、自己評価に使う情報として、客観的情報と、上方・水平・下方の比較が調べられた。下方比較とは、自分より良くない状態にあると感じる相手との比較を指す。研究は、正確に自分を知りたい、自己評価を高めたい、自分を改善したい、という目的も区別している。[12]

参加者は上方比較を最もよく使い、その次に客観的情報を使っていた。しかし、正確さと改善のためには水平比較と上方比較が下方比較より有用と評価され、自己評価を高めるためには水平比較と下方比較が特に有用とされた。上方比較は、その自己評価を高める目的では最も有用性が低かった。よく見る情報にも、役立つ目的と役立ちにくい目的がある。[12]

この調査は、どの情報が役立つと本人が感じたかを含むもので、水平比較に切り替えれば体重が減ると実証した試験ではない。それでも「役立つ記録」という言葉の曖昧さをほどいてくれる。手順を知る役には立つが、見た後の自己評価は下がる、という受け取り方もありうる。用途を尋ねずに、励みになるはずだと押し通す理由はない。[12]

停滞中の画面選びに置き換えるなら、開く前に「今日は何を持ち帰りたいか」を言葉にする方法が考えられる。食事を用意する工夫を知りたいのか、続かない日にどう戻ったかを知りたいのか、自分だけではないと感じたいのか。問いが違えば、参考になる投稿も変わる。これは調査の目的別の整理を使う提案で、閲覧法の効果が検証済みという意味ではない。[12]

改善のために見ることと、自分を採点するために見ることの違いは、小規模な研究でも扱われている。女性51人に5日間、痩身を理想とするメディア情報を提示した研究では、身体満足度は直線的に上昇し、改善を志向する比較が多いほどその変化が大きく、自己評価の比較が多いほどその変化は小さかった。この小規模研究では、画像を見たときの比較の目的によって身体満足度の変化が異なった。[18]

ただし、この結果を「痩せた人の写真を見よう」という勧めにはしない。短期間の身体満足度の変化と、長期の運動継続や健康は同じ結果ではないからだ。相手の体形を目標にしなくても、使えそうな工夫を読むことはできる。体の形を模写する宿題まで引き受ける必要はない。[18]

相手が自分より進んでいるという表現も、比較する項目をそろえて初めて意味を持つ。体重の変化で先にいる人を読むときも、運動を続ける工夫が自分の生活に合うかは別に考えたい。女子大学生の調査で水平比較が複数の目的に有用と評価されたことは、目立つ成功だけが情報源ではないと教えてくれる。似た迷いを持つ相手から、知りたかった手がかりを得る場合もある。[12]

そのため、投稿に書かれた成果と、自分が借りられる行動を切り分けて読みたい。「同じように変わるはずだ」と受け取るのか、「この工夫なら生活に置けそうだ」と受け取るのか。研究で扱われた比較の目的の違いを、読む側の問いに変えるのである。体形の評価を上げるために何度も画像を確認するより、必要な情報が見つかった時点を読み終わりにする、という使い方も候補になる。[12][18]

数字で読む他人の進捗との付き合い方

278人:仲間支援、経験者支援、治療単独を比較した無作為化試験の参加者数である。[4]

12か月:その試験では、この期間にわたり体重と比較の過程を評価した。[4]

161人:比較する傾向と、治療中・治療後の体重や活動の関係を追った人数である。[11]

306人:自己評価に使う情報の調査には、この人数の減量を試みる女子大学生が回答した。[12]

51人・5日間:理想的な痩身体形の情報と、比較の目的、身体満足度を調べた研究の規模と期間である。[18]

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宮川涼 Founder

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