リバウンドの記録は休日だけ抜けてもよい?測らない日の偏りと増減を読み解く

リバウンドがいつから始まったか、休日だけ空欄の体重記録で判断してよいのか。測らなかった日を増減のない日と扱わず、計量頻度と体重維持の研究、毎日の測定が心に及ぼす負担を読み分ける。平日と休日の生活の違いをメモに残し、空欄を埋めるために無理をせず、自分の記録を見直す視点を示す。

金曜の朝までは数字が並び、土日は空欄。月曜に体重計へ乗ってから、「リバウンドはいつからだったのだろう」と記録をさかのぼる。平日は朝食前に測れても、休日は外泊先で体重計が見つからず、その手順ごと抜けることがある。

休日だけ測らなかった記録から、休日に体重が増えたとも、変わらなかったとも決めない。空欄は測定値ではないからだ。ここでは、空欄を残したまま、測れた期間と測れなかった期間を分けて読むという記録上の工夫を提案する。体重計に乗る行動自体の効果も、単純ではない。減量後の成人を対象とした大規模試験では、追加のデジタル支援は、定期的な計量などを含む対照条件より体重維持を改善しなかった。減量経験のある成人の結果を、18〜39歳の女性全体にそのまま当てはめることはできない。[4]

また、毎日の計量は、心への負担も含めて選びたい。若い女性を対象とした無作為化試験では、毎日の計量によって体重に関するストレスや否定的な感情の揺れが大きくなった。[12] 記録を完成させることと、その人の暮らしを支えることは、別々に確かめたい。

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休日の空欄は、体重が横ばいだった印ではない

たとえば、平日は自宅の体重計を使い、休日は家族の家へ泊まりに行く生活を考える。これは研究結果ではなく、記録を読むための仮の場面である。月曜に残った値と金曜の値が違っていても、その間のどの時点で変わったかは、両端の数字だけでは分からない。グラフの線は空欄をまたげるが、測定した事実まで増やしてはくれない。

休日という札だけを付けるより、「外泊で体重計がなかった」「予定が変わって忘れた」と書いておく方が、あとから空欄の意味をたどりやすい。これは欠測を治す方法としての効果を約束するものではなく、測定しなかった事情と、測定した値を混ぜないための編集である。空欄を直前の値で埋めれば見た目は整う。しかし、その数字が実測でないことを忘れると、記録の読み方が変わってしまう。

隣接する記事「リバウンドの体重記録は端数を丸めてよい?小さな増減と傾向の見え方を読む」には、測った数値の精度という問いを譲る。また、「体重の週内変動は減量の失敗か 週末に増えて平日に戻る数字の読み方を論文で考える」が扱う曜日ごとの変動とも、ここでの問いは異なる。今回確かめるのは、休日に実際に何が起きたかを推定する前に、その休日が観測されているか、という点だ。

「リバウンドの割合」を自分の記録へ当てはめたいときも、人数の割合と自分の空欄を分けておきたい。ある集団で体重が戻った人がいることは、自分の測らなかった日に増加が始まった証拠にはならない。減量後の成人を集めた試験と、休日の抜けた個人の日記では、答えられる問いの大きさが違う。[4]

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よく測る人の結果と、測ることの効果を分ける

計量の頻度を調べた比較的大きな研究として、空腹時血糖が高い人を対象とした試験の事後解析がある。事後解析とは、実施済みの試験データを別の問いから分析することだ。対象は2607人で、生活への介入を受ける群と自分で管理する対照群の双方に、記憶機能のある体重計が渡された。空腹時血糖が高い人の結果なので、18〜39歳の女性一般への適用は別に確かめる必要がある。解析では、データ送信なし、週2回未満、週3〜4回、週5〜7回という区分が用いられた。[15]

介入群では、送信なしの群に対する糖尿病発症の調整ハザード比が、週3〜4回の群で0.56、週5〜7回の群で0.43だった。対照群でも週5〜7回の群では0.54だった。ハザード比は、追跡中の発症の起こりやすさを比較する指標である。対応する95%信頼区間は、それぞれ0.32〜0.98、0.25〜0.74、0.35〜0.83であり、推定には幅がある。[15]

この結果の対象は血糖に課題のある人で、評価した結果は糖尿病の発症だ。休日の計量を省いた人のリバウンド率を示した数字ではない。また、もとの研究が無作為化試験でも、この解析で人々が計量頻度ごとの無作為な割り付けは行っていない。頻繁に測る人の特徴や、ほかの生活行動も関係し得るため、頻度と発症の関連から「体重計に乗れば予防できる」と読み替えない。[15]

とりわけ「データ送信なし」という区分は、家庭での「測らなかった」と同じ意味だと決めない方がよい。測定と送信は、記録上は別の出来事である。この研究の参照群の名前を、そのまま自分の性格や努力の評価に使う必要はない。体重計の履歴は、本人の生活すべてを説明する履歴書ではない。

研究を日常へ下ろすなら、測定回数だけで自分を採点するより、何を比べるための記録なのかを先に決める。測れた日の体重を見るのか、測定を続けられたかを見るのか。前者なら値が必要で、後者なら空欄も振り返る対象になる。同じノートに書けても、答えている問いは別である。

支援を足した大規模試験でも、維持の差は出なかった

減量後の体重維持に近い問いを扱ったのが、欧州の成人1627人を対象とした無作為化比較試験だ。参加者は、それまでの12か月間に体重を5%以上減らしていた。自己調整や意欲を支える内容、感情の調整を支える内容、その組み合わせ、対照条件を比較し、12か月後の体重変化を主な評価項目とした。減量後の成人を対象とするため、18〜39歳の女性一般にも同じ結果が得られるかは別の問いになる。[4]

対照条件にも一般的な情報、定期的な自己計量、活動量計の利用が含まれていた。つまり、「支援を受けるか、何もしないか」の比較ではない。基本的な内容に心理や行動のデジタル支援を追加すると、維持の結果がさらによくなるかを調べた試験である。主解析では、追加支援のいずれの群も対照群と有意な差がなかった。[4]

この差が出なかった結果を「計量には意味がない」と読むのも、「測っていれば戻らない」と読むのも飛躍になる。対照群も測る条件だから、この比較だけから計量そのものの有無の効果を取り出すことはできない。追加した支援の優位性が示されなかった、という比較の形を保って読む必要がある。[4]

解析対象の違いにも注意したい。割り付けられた参加者をもとに評価する主解析では、参加者のほぼ半数が体重を再増加させていた。一方、計画に沿って参加した人を対象とした解析では、再増加が男性で0.14kg、女性で0.54kgと報告された。対象の絞り方が違う値を、同じ母集団の数字としてつなげない。[4]

休日の空欄を見たときも、これと似た注意が役立つ。都合よく残っている部分だけを自分の全体像と呼ばない、という姿勢である。平日だけの値なら、まず平日だけの値として扱う。空欄の理由を付記する提案は、減量の成功を保証するためでなく、比較の相手を見失わないためのものだ。

記録を誰かと一緒に見る場面を想像すると、空欄の説明はさらに具体的になる。「金曜から月曜へ増えた」と伝えることと、「土曜から増え続けた」と伝えることは違う。前者は残っている値の比較で、後者は測っていない経過を含んでいる。相談相手がグラフしか見ないなら、休日には測定していないと添えるだけで、話し合う範囲をそろえられる。

休日が続いた期間と普段の期間を比べたい場合も、記録の名前を丁寧にする。「この期間の体重」と大きく呼ぶより、「この期間に自宅で測れた日の体重」と呼ぶ方が、何を見ているかが伝わる。外泊中の値を推測しなくても、帰宅後に残った測定値は使える。過去の空欄を完成させる作業と、これから測る値を残す作業を混ぜない工夫である。

また、あとから思い出した事情と、その日に書いた事情も区別してよい。「外泊だったはず」という記憶なら、そのまま記憶として添える。理由まで確定させようとすると、数字の代わりに説明を作り込んでしまう。こうした提案は記録の扱いに関するものであり、欠測の理由を書けば体重維持が改善するという試験結果ではない。分からない部分を保留できるノートなら、次に相談するときにも、実際に確かめたい問いが残る。

数字で読む計量と体重維持

1627人:減量後の成人を対象としたデジタル支援の試験。追加支援の優位性は主解析で認められなかった。[4]

2607人:空腹時血糖が高い人の計量頻度と糖尿病発症の関連を調べた事後解析の対象人数。[15]

69人:毎日の計量と体温測定を比較した女子大学生の試験。計量群で否定的感情の揺れが大きかった。[12]

60.0%:日本の自治体職員の試験で、成長志向の働きかけを受けた群の6か月後の定期的な計量の割合。[10]

35研究:適切なタイミングで届くデジタル支援のレビューに含まれた研究数。継続や利用の程度には幅があった。[17]

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宮川涼 Founder

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