女性のプロテインは画面を見ながら飲む?飲んだ記憶と間食量を分けて考える

動画を見ながらプロテインを飲み、後で何となくお菓子に手が伸びる。その理由を画面や飲んだ記憶だけに決めてよいのか。女性のホエイ飲料試験と乳たんぱく飲料の研究から、満腹感、次に食べる量、胃に残る時間を区別し、日常で確かめるポイントと研究の数字を生活へ移すときの注意点を読む。

シェーカーを洗おうとして、もう空だったことに気づく。動画の筋は覚えているのに、最後の一口の味は思い出せない。夕食の片付けと動画の続きを行き来していた夜なら、そんな場面もあるだろう。その後にお菓子を食べたとき、「画面を見たせいで、飲んだことを体が忘れた」と説明したくなる。

画面を閉じることによる間食の変化は、ここで扱う飲料試験の検証対象とは別だ。乳たんぱく飲料の試験では、ある時点の満腹感が強くても、その後に摂るエネルギー量が変わらない結果がある。飲んだ実感と食べた量は、別々に確かめたい指標だ。[6]

ここで考えるのは、画面を見ながら飲む習慣をどう見直すかである。「ながら飲み」を責める前に、飲んだ記憶、今のお腹の感覚、後で食べたものを分けてみる。女性を対象にしたホエイ飲料の研究も、血液の変化だけで食欲を読み切る難しさを示している。[13]

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画面のせいと決める前に、問いをほどく

動画を見ていた日と、見ていなかった日。後の間食に違いがあっても、その比較には別の違いが混ざりうる。昼食を食べたか、帰宅が遅かったか、飲料を食事に足したか、それとも食事の代わりにしたか。まず何が違った日なのかを言葉にしておきたい。これは画面の効果を断定するためでなく、暮らしを振り返るための整理である。

「飲んだ記憶が薄い」という言葉も幅が広い。味を覚えていないのか、飲んだ量が分からないのか、飲んだ時刻を思い出せないのか。それぞれ、確かめる対象が違う。空の容器を見て飲んだ事実を確認できても、飲んでいる間の感覚まで思い出せるとは限らない。こうした日常の問いを、そのまま栄養の吸収や筋肉の変化の説明に使わないことが大切だ。

飲料の研究で実際に測る対象は、もう少し具体的である。乳たんぱく飲料の比較では、満腹感などの自己評価、食べたエネルギー量、唾液や腸に関わるペプチドが調べられた。ペプチドはアミノ酸がつながった物質である。測定項目を並べると、「満足した」という感想と、その後に食べた結果を分けて扱う意味が見えてくる。[6]

近い題材の「女性のプロテインは泡が消えてから飲む?作り方と消化を分けて研究で読む」には、作り方と消化の問いを譲る。また「ダイエットの満腹感は食べる前から決まる?見た量と食事の記憶がつくる予想」とも問いを分け、ここでは飲み終えた実感を後の間食量と同一視しない読み方に絞る。飲む速さの問いは「女性のプロテインはゆっくり飲むと腹持ちする?飲む速さと食事量を分けて読む」に譲り、ここでは画面への注意と飲んだ実感を入口にする。容器の重さや甘さの選び方も、この問いとは別に考えたい。

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口に残る感じが強くても、後の食事量とは別である

ホエイとカゼインを含む乳たんぱく飲料を使った無作為化比較試験では、口の中を覆う性質の異なる飲料が比較された。無作為化とは、比較する条件への割り当てを偶然に任せる方法である。さらに同じ参加者が条件を経験するクロスオーバー方式を用い、参加者は合わせて52人だった。18〜39歳の女性に同じ結果を当てはめるには、その年代の女性での検証が必要だ。[6]

研究は、口の中を覆う性質が低い、中程度、高い飲料を扱った。高い条件では、37人の試験で飲んで20分後の満腹感が強まった一方、ほかの時点への影響は限られていた。したがって「口にしっかり残る飲料なら、長く満腹になる」と広げて読むのは早い。効果は時間の中の一部分に現れたものだった。[6]

別の15人の試験では、その性質による摂取エネルギー量と腸に関わるペプチドへの影響は見られなかった。口当たりに関わる条件が違い、満腹感に部分的な変化があっても、この比較では後の摂取量の差は確認されなかった。この研究の結論は、食欲抑制への影響は微妙で散発的だという慎重なものだ。[6]

この結果は、動画を見ない飲み方を検証したものではない。それでも、画面を閉じた日に「今日は飲んだ感じがする」と思ったときの読み方には役立つ。その感想を記録するのはよい。ただし、その時点で後の間食が変わったと判定するのは飛躍である。感想と摂取量を別々に測った試験の作り方が、その区別の手掛かりになる。[6]

たとえば、濃い口当たりを好む人が、飲んだ実感を求めて濃度を変え、同時に画面も閉じたとする。後の感覚が違っても、どちらの変更と結び付いたかは整理しにくい。日常の振り返りなら、まず何を変えたかを残せばよい。研究と同じ厳密さを家庭へ持ち込む必要はないが、違う条件を同じ出来事として扱わない姿勢は持てる。

女性の試験でも、血液の変化が食欲の答えにはならない

女性に関係する研究として、24人を対象にしたホエイ飲料の無作為化クロスオーバー試験がある。対象者の体格指数は23〜40で、夜間の絶食後に、水だけの条件、たんぱく質12.5gの条件、50.0gの条件を経験した。体格指数は身長と体重から算出する体格の指標だ。この試験の量は比較条件であり、読者への推奨量ではない。[13]

研究は血液中の糖、ホルモン、アミノ酸などに加え、食欲の自己評価と自由に食べた際のエネルギー量を調べた。食欲の自己評価には、線の上の位置などで感覚の強さを表す方法が使われた。自由に食べたエネルギー量の比較は有意ではなく、検定の値はp=0.799だった。「ホエイを多くすれば後で必ず食べなくなる」という単純な説明にはならない。[13]

血液中の指標の中では、グリシンというアミノ酸が食欲の反応と強く関連した。ただし、単独の指標は多くの場合、食欲を予測する力が乏しく、複数の指標を組み合わせても食欲反応のばらつきには説明できない部分が大きく残った。研究者は、自己評価と実際の摂取量を併せて使うことに意味があると述べている。[13]

ここでの「関連」は、グリシンを増やせば間食が減るという因果関係ではない。血液で測る指標にさえ予測の難しさがあるのだから、日常の「効いている感じ」だけを結果の代わりに置かない読み方が必要になる。この試験は、画面への注意や飲んだ記憶を操作した比較として読むものでもない。[13]

夜の動画を見ながら飲む人にとって、もう一つ大切なのは実施場面だ。絶食後に比較用飲料を飲む実験と、夕食の後にくつろいで飲む場面を、そのまま同じ条件にはできない。女性が参加した研究というだけで、すべての女性の夜の間食に同じ結果を当てはめることは避けたい。対象と条件を一緒に読むことが、身近な話に変える際の歯止めになる。[13]

先に挙げた乳たんぱく飲料の研究では、口を覆う性質を、機器による測定と人の試験の両方から調べている。唾液中のたんぱく質濃度が高いほど、食べたい気持ちやこれから食べられそうな量の自己評価が低いという関連も見られた。それでも、実際のエネルギー摂取量には影響がなかった。関連する指標が見つかったことと、行動の差が確認されたことは区別されている。[6]

この区別を日常へ持ち帰るなら、言葉の主語を狭くするとよい。「今日はプロテインが効いた」では、栄養補給、満腹感、間食のどれを指すか分からない。「今日は飲み終えたときの味を覚えていた」なら、振り返っている対象がはっきりする。そこから後の食事を別に眺めれば、最初の感想を後の出来事に合わせて書き換えずに済む。

女性のホエイ飲料試験でも、同じ参加者が異なる飲料条件を経験し、繰り返し採血を受けている。単に飲んだ翌日に感想を聞くだけの比較ではない。複数の血液指標を組み合わせたモデルでも、食欲反応の説明力を示す値は0.13〜0.43の範囲だった。測る項目を増やせば食欲のすべてが見通せるわけではない、という点まで含めて読む必要がある。[13]

飲んだ記憶を気にする問いは、この測定とはさらに別の入口にある。味を覚えていない日を見つけたら、それを栄養補給の失敗と呼ぶより、どんな過ごし方だったかを残しておく。研究の検査を家庭で再現するのではなく、自分が尋ねていることと、研究が答えていることを対応させるための観察である。

数字で読む飲料と食欲の距離

52人:口を覆う性質の異なる乳たんぱく飲料を調べた試験全体の人数である。[6]

20分後:口を覆う性質が高い条件で満腹感が強まった時点であり、持続時間の保証ではない。[6]

24人:水とホエイ飲料の条件を比較した女性の試験の参加者数である。[13]

12.5gと50.0g:女性の試験で使ったたんぱく質量であり、ながら飲み対策の処方ではない。[13]

150分と180分:健康な成人の高エネルギー液体食試験で測った胃排出時間の中央値であり、空腹が戻る時刻ではない。[3]

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宮川涼 Founder

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