プロテインは運動なしの女性だと太る?次の食事まで空腹が戻る時間を読む

運動しない日にプロテインを飲み、夕食前にお腹が空くと、追加した分が気になる。女性の比較試験と高齢者の研究から、満腹感の続く時間、次の食事で実際に食べる量、飲料を含む総摂取量を分けて読む。飲めば太る、腹持ちがよければ食事が減ると決めず、普段の食事と合わせて確かめる視点を示す。

在宅勤務の午後、運動する予定はないがプロテインを飲んだ。しばらく満足していたのに、夕食を作るころには普通にお腹が空く。「動いていないのに飲んでしまった」と、空のシェーカーが急に気になり始める。

運動なしで飲んだことだけから、太るとは決められない。一方で、プロテインの後は食事が自然に減り、飲料の分が必ず帳消しになるとも考えない方がよい。高齢者を対象とした研究の統合では、直後の食事量は減っても、飲料を含めた総摂取量は増える結果があった。対象は高齢者であり、18〜39歳の女性の長期的な体重変化にそのまま当てはめることはできない。[11]

ここで見るのは、飲んだ後から次の食事までの間である。筋肉の話は既存記事「運動なしの女性もプロテインで筋肉を保てる?活動が減った日の合成と分解を読む」に譲る。今回の問いは、満腹に感じた時間と、その後に食べた量がどこまでつながるかだ。

既存記事「有酸素運動後のプロテインは次の食事量も変える?飲んだ後の空腹と総量を読む」の運動後という場面、「女性が太りたいときプロテインは役立つ?食事への追加と筋肉の増え方を読む」の増量目的、「女性の朝のプロテインは空腹で飲むべき?食後との違いを筋肉の反応から読む」の筋肉への反応とは問いを分け、ここでは運動予定のない日に、飲んでから食卓に着くまでの感覚を扱う。

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空腹が戻る時刻と、食べた量は別に見る

プロテインの腹持ちを調べる研究では、食事の前に飲料などを摂る方法が使われる。食前に入れる飲食物を、ここでは先行摂取と呼ぶ。先行摂取の後、空腹や満腹の程度を繰り返し答えてもらい、さらに自由に食べられる食事を出して量を測る。女性を対象とした試験でも、高齢者の試験でも、感覚と摂取量がそれぞれ評価されている。[4][6]

「まだお腹が空かない」という感覚は、本人の暮らしにとって大切だ。ただし、それは夕食の皿に何をどれだけ盛ったかとは違う情報である。飲んだ直後に満腹でも、食事の時刻には感覚が変わるかもしれない。逆に、空腹の自己評価に差があっても、実際の食事量には差が出ない場合がある。飲料の口当たりを変えた試験でも、このずれが観察された。[7]

したがって、腹持ちのよさを判断する際には、どの時刻の感覚かを残したい。「飲んでからずっと平気だった」と「飲んだ直後だけ満足だった」は同じ経験ではない。研究でも、ある測定時点で見つかった差が、ほかの時点では明瞭でないことがある。時刻を消して平均的な印象だけにすると、飲料の働きを大きく見積もりやすい。[3][7]

夕食までの間食をどうするか考える人なら、関心があるのは帰宅時の空腹かもしれない。昼食を十分に食べられない人なら、飲料の後に食事が入りにくくならないかが気になるだろう。研究を暮らしに移すには、自分が知りたい場面と、研究で測られた場面を合わせる必要がある。満腹感が強いことを、誰にとっても望ましい結果と決めないことも大切だ。[4][11]

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女性の試験では、量を増やしても食事量は減らなかった

女性に比較的近い手掛かりは、過体重域を含む女性24人の無作為化クロスオーバー試験である。クロスオーバーとは、同じ人が条件を替えて比較に参加する方法だ。対象のBMIは23〜40で、夜間の絶食後に、水、たんぱく質12.5gの飲料、50.0gの飲料を別の機会に摂った。ホエイは乳由来のたんぱく質である。[6]

この研究では、飲料の量を段階的に変えると、多くの血中指標の時間的な変化が変わった。一方、自由に食べる食事のエネルギー摂取量には、条件間の有意な差がなかった。つまり、血液の中で反応が起こったことと、食事が減ったことは同じではなかった。多めに飲むほど次の食事が少なくなる、という使い方を支える結果ではない。[6]

注目されたのは、アミノ酸の一種であるグリシンと食欲反応との関連だ。血中のグリシンは空腹の低下と関連したが、単独の血中指標の多くは食欲反応をうまく予測できず、複数の指標を組み合わせても、個人の反応には説明しきれない部分が大きかった。関連がある成分を見つけたことから、その成分を足せば食欲を操作できると飛躍させてはいけない。[6]

普段の飲み方に戻すと、ここで確かめられたのは絶食後の比較である。昼食を済ませた午後の飲料や、夕食と一緒に飲む場合と、条件はそろっていない。また、若い女性全員が同じ反応をするという意味でもない。研究対象の女性という共通点だけでなく、飲む前に何を食べたかまで含めて読むのがよい。[6]

この試験の50.0gは、推奨量として持ち帰る数字ではない。条件間の違いを調べるための量だ。「食欲を抑えたいから高用量に寄せる」という選択には、少なくともこの比較からの後押しはない。プロテインの量と、その後に食べる量を比例関係のように扱わないことが、数字を読む際の出発点になる。[6]

活動量の違いより、比較飲料の条件を読む

運動していないことが気になるなら、身体活動の水準を分けた研究も参考になる。活動的な高齢者19人と、活動量の少ない高齢者19人が参加した無作為化クロスオーバー試験では、自宅で標準化された朝食を食べ、その後にたんぱく質割合の違うミルクシェイクを飲んだ。高齢者の比較なので、18〜39歳の女性にも同じ反応が生じるかは別に確かめる必要がある。[4]

飲料はどちらも250mL、約300kcalで、感覚的な特徴も合わせてある。違うのは、エネルギーに占めるたんぱく質の割合が57%か17%かという点だ。飲料の3時間後には、自由に食べられる食事が出された。高たんぱく質の方でも、活動的な群と活動量の少ない群のどちらにおいても、その後の摂取量や食欲の評価は変わらなかった。[4]

ここは、水に比べてプロテインを追加した研究ではない。同じエネルギー量の飲料同士で、中身の比率を変えた比較である。「たんぱく質を増やしたのに食事が減らなかった」という結果は読めるが、「何も飲まない場合と同じ総量になる」とは読めない。対照が水なのか、同じエネルギーの飲料なのかで、答えている問いが変わる。[4]

高たんぱく質の飲料では、胃の内容物が半分になるまでの時間が長かった。胃から先へ移る速さを胃排出と呼ぶ。ただし、この変化があっても、食欲や次の食事量は減らなかった。胃に長く残るという説明だけで、夕食まで空腹にならないと約束することはできない。[4]

活動的な群は、活動量の少ない群より主観的な食欲が低く、胃排出は速かったが、食事量に差はなかった。活動水準で分けた群同士の違いは、運動を始めたためにそうなったという証明にはならない。若い女性の運動する日としない日の差を、そのまま表すものでもない。それでも、「胃の動き」「感覚」「食事量」を分けて測る必要性はよく見える。[4]

比較に参加した人が、自分の暮らしとどれほど近いかも見ておこう。活動量が少ない高齢者という条件は、座って働く若い女性と一部は似ていても、年齢が異なる。女性だけの試験は性別が近いが、絶食後という条件が異なる。対象の年齢や食事の条件には、それぞれ違いがある。それぞれの比較が答えられる範囲を重ねると、「運動しないから」という条件だけでは腹持ちを決められないことが見えてくる。[4][6]

また、クロスオーバー試験は、参加者それぞれの条件間の違いを見るのに役立つ。ただし、同じ人が別の日に試した飲料の比較と、生活の中で飲み続けることは区別する必要がある。女性の試験で次の食事量に差がなかったからといって、すべての食事や間食が今後も変わらないという保証にはならない。継続的な摂取を考えるときには、短期と継続試験を分けた統合研究の読み方が役立つ。[6][11]

実際の食卓では、飲料の後に食べる献立も毎日違う。ここで研究から持ち帰りたいのは、毎回の空腹を同じにする技術ではない。条件をそろえた試験でさえ、たんぱく質の割合を高めるだけでは食事量が変わらなかったという事実である。夕食前に空腹が戻る自分を、飲み方の失敗と決めつける必要はない。研究では胃の動きが変わっても、食べる結果には違いが出なかったのだ。[4]

数字で読むプロテインと次の食事

女性24人の比較:水、12.5g、50.0gのホエイ飲料で、その後のエネルギー摂取量に有意差はなかった。[6]

高齢者38人の比較:活動的な19人と活動量の少ない19人で、たんぱく質割合を替えて検討した。[4]

飲料から3時間後:同じ約300kcalの飲料を比べても、食欲と次の食事量に差はなかった。[4]

飲んで20分後:口に残る性質が強い乳たんぱく質飲料で、限定的に満腹感が高まった。[7]

統合研究の総摂取量:高齢者の短期試験では、先行摂取を含めると平均649kJ多かった。[11]

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宮川涼 Founder

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