食欲を抑えるハーブティーは種類で違う?ハイビスカスのお茶と抽出物を読み分ける

食欲を抑える目的でハーブティーを選ぶなら、ハイビスカスのお茶と混合抽出物の研究を分けて読む必要がある。水と比べた試験での空腹感、実際に食べた量、男女の結果の違いを確認し、体重を扱うメタ分析とも照合する。研究の数字を、そのまま飲む量の目安にできない理由も考える。

夕食前、赤いハイビスカスティーをカップに注ぐ。「これを飲めば、食べたい気持ちも落ち着くだろうか」と考える。そこで先に確認したいのは、研究で変わったのが空腹の感じ方なのか、実際に食べた量なのかである。

ハイビスカスのお茶を水と比べた小規模な無作為化試験では、空腹感や満腹感に変化があっても、参加者全体の食事のエネルギー摂取量には差が認められなかった。食欲への反応は男性で示され、18〜39歳の女性にそのまま当てはめることはできない。[2]

一方、ハイビスカスとレモンバーベナを組み合わせた抽出物では、試験の食事で摂取量が少なくなった報告がある。だが、これは家庭でいれるハイビスカスティーだけの結果ではない。検索結果で植物の名前が同じでも、試験された素材の形や組み合わせも確かめたい。[3]

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お茶の種類を比べる前に、何を飲んだ試験かを見る

ハーブティーを選ぶときには、植物の種類を横並びにしたくなる。しかし、ハイビスカスに関する臨床研究でも、お茶を飲む試験と、植物から取り出した成分を使う試験が混在している。肥満治療を扱った系統的レビューとメタ分析では、対象となった試験のうち、抽出物のカプセルを使ったものと、お茶を使ったものが分けて説明されている。[18]

系統的レビューは、一定の条件で研究を探して評価する方法であり、メタ分析は複数の研究の数値を統合する方法である。この分析が集めたのは、ハイビスカスと比較対象を無作為に割り付けた試験であった。ただし、同じ植物を調べていても、飲料とカプセルという違いが残る。複数の研究を集めた分析でも、製品や飲み方の違いは残る。[18]

さらに、レモンバーベナとハイビスカスの混合抽出物を調べた食欲の試験は、植物の組み合わせそのものを評価している。結果をハイビスカスだけの働きと決めることも、別のハーブティーでも同じだと広げることもできない。混合したものの結果は、まず混合したものの結果として受け取る必要がある。[3][4]

たとえば食品売り場で赤いお茶を手にした場面を考える。論文の紹介にハイビスカスの名前があっても、手元の商品が試験と同じ形かは別に確かめることになる。名称の一致は入口であり、効果の一致を意味しない。見出しだけでなく、試験に使われた素材の説明まで読む手間をかけたい。お茶の試験なのか、抽出物なのか、ほかの植物が入るのかを読むだけでも、研究と日常の距離は見えやすくなる。[2][3]

別記事「疲労回復のハーブティーは何を比べる?植物の種類と眠り・筋力の指標を読む」では疲労に関する問いを扱う。ここで追うのは、食欲の感覚と食べる量が一緒に変わるかという問いである。疲れた日の飲み物選びと、食事を減らすための飲み物選びは、調べたい結果から分けて考えたい。

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水と比べたお茶の試験では、感じ方と摂取量が分かれた

直接お茶を飲んだ研究として注目したいのが、健康な男女を対象とした無作為化クロスオーバー試験である。参加者は21人で、女性11人、男性10人であった。クロスオーバーとは、同じ参加者が条件を替えて両方の試験を経験する方法である。この試験では、空腹時と、決められた朝食に水またはハイビスカスティーを添えた後を調べている。男女を合わせた結果から、18〜39歳の女性だけの反応を決めることはできない。[2]

測ったものは大きく分けて、エネルギー消費、本人が感じる空腹や満腹、食事の記録から調べた摂取量である。空腹や満腹の評価には、線上の位置で感じ方を表す視覚的な尺度を使った。つまり「おなかがすいている感じ」と「食事でどれだけエネルギーを取ったか」を、同じ数値として扱っていない。[2]

全体では、お茶を飲んだ条件で空腹感が低く、満腹感やおなかが満ちた感じが高かった。ただし男女を分けると、空腹や食べたい気持ちの低下、満腹感などの増加が示されたのは男性である。研究者の結論も、エネルギー消費と満腹に関する反応は男性で認められたというものであった。[2]

この違いは、女性の読者にとって大事である。「ハイビスカスで食欲が下がった」という短い紹介を、そのまま自分にも当てはまると読むのは早い。全体を合わせた結果と、男女に分けた結果では、答えている問いが異なる。女性も参加していることと、女性で同じ効果が確かめられたことは同義ではない。[2]

さらに、この試験では、最初の食事でも、その日全体でも、エネルギーと主要な栄養素の摂取量に条件間の差が認められなかった。空腹の感じ方が変わったという結果は残るが、それが実際の食事量の減少までつながったとは扱えない。おなかの感想と、食事記録の数字は別々に読むことになる。[2]

ここで「差がない」は、お茶を飲んだ全員がまったく同じ量を食べたという意味ではない。比較した条件の間で、摂取量が変わったとする統計的な結果が得られなかったということである。反対に、空腹感の差が統計的に認められたことだけで、日常でどれほど食事が変わるかまで決まるわけでもない。[2]

研究は飲んだ直後の反応を調べる設計である。朝食に添えたお茶で起きた変化を、仕事の後に飲む場合や、長く飲み続けた場合へそのまま移すことはできない。朝食後の測定と、帰宅後に間食を選ぶ場面では、調べる時間も行動も違う。[2]

女性では、食後に脂肪をエネルギーとして使う反応の増加も報告された。だが、その結果を女性の食欲が抑えられた証拠に置き換えてはいけない。何を燃料として使ったかという測定と、空腹の感覚、食事の摂取量は、同じ研究の中でも異なる評価項目である。[2]

混合抽出物の結果は前向きでも、お茶の飲む量には直せない

摂取量の違いが示されたのは、過体重または肥満の男女33人を対象にした、レモンバーベナとハイビスカスの混合抽出物の試験である。平均年齢は33.76歳、平均の体格指数は28.20であった。体格指数は体重と身長から計算する指標だが、この研究の対象を説明する数値であり、読者の目標ではない。過体重・肥満の男女の結果を、体格の異なる人も含む18〜39歳の女性全体へそのまま当てはめることはできない。[3]

試験は、抽出物とプラセボを比較する二重盲検のクロスオーバー設計であった。プラセボとは比較用に用いるものを指し、二重盲検は参加者と評価する側がどちらの条件か分からないようにする方法である。介入はそれぞれ60日間で、その間に30日間の休止期間が設けられた。[3]

各期間の終わりに、参加者は自由に食べる食事の試験を受けた。混合抽出物の条件では、その食事のエネルギー摂取量が774.44±247.77 kcal、プラセボでは849.52±246.54 kcalであり、抽出物の条件で少なかった。数値のばらつきも大きく、誰もが同じ量だけ食べなくなったという結果ではない。[3]

これはお茶の試験で摂取量に差がなかった結果と、一見すると食い違う。しかし、対象者が異なり、使ったものが異なり、介入の期間も異なる。健康な男女が朝食と一緒に飲んだお茶と、過体重や肥満の人が継続して取った混合抽出物を、同じ条件の再現試験として比べることはできない。[2][3]

だから、前向きな結果を捨てる必要はないが、家庭のお茶に移す際には立ち止まる必要がある。この研究が支えるのは、対象となった人々が混合抽出物を使った条件で、試験の食事の摂取量が少なかったという範囲である。毎日の全食事で同じ違いが続くことや、ハイビスカスだけで再現することまで含めた結論ではない。[3]

「それなら濃くいれればよい」と考えたくなるかもしれない。ところが、抽出物の試験結果を家庭のカップに換算するには、試験した素材と同じものを取っているという前提が要る。食用のローゼル、すなわちハイビスカスを扱うレビューでも、成分は品種や抽出の方法によって変わり、品質や抽出法の標準化が課題として挙げられている。[15]

研究の期間を飲む回数に変えたり、試験食の摂取量を飲料の適量と読み替えたりすることもできない。60日という数字はその介入の長さ、774.44 kcalという数字はその場の食事の結果である。どちらも、自宅で飲むお茶の濃さや量を指定する数値ではない。[3]

数字で読むハイビスカスの試験

21人:お茶と水を比較した健康な男女の試験。女性11人、男性10人である。[2]

33人:混合抽出物のクロスオーバー試験に参加した過体重・肥満の男女である。[3]

774.44 kcalと849.52 kcal:混合抽出物とプラセボでの試験食の摂取量。日々の摂取目標ではない。[3]

54人:別の混合抽出物の二重盲検試験に参加した過体重の人々である。[4]

339人:体重などを統合したメタ分析に含まれた、6件の無作為化比較試験の参加者合計である。[18]

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