運動習慣の目標は誰のために決める?自分で納得した理由と続く行動を研究で読む

大人の運動習慣で大切なのは、やる気の強さだけなのか。自分で納得した目標を持つことと、その後の行動の関係を縦断研究や無作為化比較試験で読む。活動量が増えても納得感は変わらなかった結果も踏まえ、楽しさと必要性を分け、自分の生活に置ける理由と続け方を考える。

手帳の目標欄に「運動する」と書いて、ペンが止まる。「運動しなくては」とは思っている。けれど、誰かに言われたからなのか、休日に自分の足で出かけたいからなのか、その先の言葉はまだ決めていない。予定表の「運動」という文字だけでは、そこへ向かう理由までは見えない。

運動習慣を考えるときは、どれほど強くやろうと思うかに加え、その目標を自分で納得して引き受けているかも見る必要がある。肥満のある成人を追った縦断研究では、意図の強さと自己一致の両方が、その後の身体活動の変化を予測していた。自己一致とは、目標に向かう理由が自分の関心や大切にしたいことと合っているか、という観点である。肥満のある成人での関連を、18〜39歳の女性全般にそのまま当てはめられるかは別に検討する必要がある。[12]

ただし、納得できる理由を見つければ必ず続く、という約束ではない。運動量を増やした相談支援でも、自己一致には変化がなかった試験がある。理由を考えることと、実際に動ける条件をつくることを、並べて扱いたい。[2][3]

ヨガとからだの記事のイメージ写真 立川駅徒歩1分年中無休の溶岩ホットヨガスタジオ

「やるべき」と「自分に必要」は同じ目標にも混ざる

同僚に誘われて始めた運動でも、本人がその時間を大切に感じることはある。逆に、自分で申し込んだ運動でも、「休むとだらしないと思われる」が中心になるかもしれない。出発点が他人の提案だったかどうかだけで、その後の理由までは決まらない。ここで確かめたいのは申し込みの経緯より、いま何のために通おうとしているかである。

運動への動機を扱った心不全患者の試験では、動機を、運動そのものへの関心に近い内発的なもの、運動の価値を認める同一化されたもの、外的なもの、取り入れられたものに分けて測っている。研究では前の両者を自己決定的な動機として扱った。「動くのが楽しい」と「楽しいばかりではないが自分には大切だ」は、どちらも検討する価値のある理由だ。心不全患者を対象とした分類と結果を、18〜39歳の女性の継続にそのまま当てはめることには慎重さが必要だ。[1]

たとえば「踊る動きが好き」と「旅行で歩く時間を持ちたい」は、生活の場面に置き換えた理由の例である。後者を、楽しさが足りない失敗とみなす必要はない。試験が別々に測ったのも、楽しさに関わる動機と、価値を認める動機だからだ。毎回心から楽しくなければ続ける資格がない、という試験ではない。[1]

もっとも、「健康のため」と書けば自分に合った目標になるわけでもない。その言葉を選んだとき、自分の暮らしのどこにつながるのかを考えてみる。「周囲が健康に気をつけ始めた」からなのか、「仕事以外にも動く時間を残したい」からなのか。どちらが立派かを採点する作業ではなく、同じ言葉の内側を確かめるための問いである。

若者向けの運動動機の質問票を検証した研究では、交流、競争や達成、気晴らし、身体や外見、健康、体力、動きの美しさ、挑戦といった領域を扱った。対象は14〜34歳の2,318人で、これは質問票の測定特性を調べた研究であり、どの動機が最も長続きするかを決めた実験ではない。18〜39歳の女性だけを対象とした検証とは対象範囲が異なり、そのまま当てはめる前に年齢や生活背景の違いを考えたい。[15]

この研究から日常に持ち帰れるのは、理由を探すときの視野の広さである。健康しか書いてはいけないと思うと、「人と一緒に動きたい」「仕事から頭を切り替えたい」は書き落とされる。質問票に複数の領域があることを手がかりに、自分の言葉を探してみたい。外見に関わる理由があっても、体型の良し悪しを他人の物差しで決める必要はない。[15]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

強い決意と納得した理由を別々に追う

「本気なら続くはず」という説明は分かりやすいが、意図には強さ以外の面もある。2017年の研究は、肥満のある134人に半年間隔で計3回の質問票調査を行った。運動しようとする意図の強さと、その意図の自己一致を分けて測り、身体活動の時間的な変化との関係を分析している。18〜39歳の女性全般の変化を直接検証した結果としては扱えない。[12]

結果は、意図の強さと自己一致のどちらも、身体活動の変化の有意な予測因子だった。著者らは、強さが決意の程度を表すのに対し、自己一致は意図の質を捉えると整理している。つまり「どのくらいやるつもりか」だけを聞くと、本人がその意図をどう引き受けているかという面が抜ける。[12]

ただし、この研究は納得した理由を持たせる群と持たせない群に分けた実験ではない。自己一致が高いことと、その後の行動が結びついたという結果である。「理由を書き換えるだけで活動量が増える」という因果効果や、読者個人がどれだけ変わるかを表した数字としては読めない。[12]

同じ研究では、自己効力感も意図の強さと自己一致を予測した。自己効力感とは、ここでは自分に行動を実行できそうだと感じる見込みである。運動から何が得られるかという結果への期待は、この分析では同じ予測関係を示さなかった。運動の利点を知ることと、自分が実行できそうだと感じることも分けておきたい。[12]

生活の場面なら、「運動は大切だが、今の仕事の終わり方では参加できそうにない」という場合がある。価値を認めているのに動けないことを、すぐに気持ちの弱さに換算する必要はない。理由を確かめる問いと、実行できそうかを確かめる問いを別にすれば、見直す箇所も違ってくる。これは研究を踏まえた振り返り方であり、本人を判定する検査ではない。[12]

周囲からの期待については、ドイツの65歳以上865人を対象にした電話調査も参考になる。この調査では、周囲の期待に関する主観的規範は意図の強さとは関係せず、自己決定的ではない動機の形と関係していた。態度や行動を自分で制御できるという感覚は、強く自己決定的な意図と正の関係があった。65歳以上での関連を18〜39歳の女性にそのまま当てはめるには、年齢と生活条件の違いが大きい。[10]

この調査は「周りが勧めているほど本人の決意も強い」と一括りにしないための材料になる。応援の仕方そのものは既存記事「運動習慣が難しいときの応援は本人任せ?選択の尊重と参加の意欲を研究で読む」に譲り、ここでは本人が持つ理由の側を見ている。[10]

活動量と自己一致は別々に変化する

自己一致がその後の行動を予測することと、支援によって自己一致を変えられることは別の問題だ。この違いは、冠動脈疾患の患者202人を対象とした無作為化比較試験に表れている。集団で行う心理的介入と通常ケアを比べ、活動量の変化をどの認知的な要因がつないだかを分析した研究である。冠動脈疾患のある患者での介入効果を、18〜39歳の女性一般にそのまま当てはめることはできない。[2]

身体活動への群間効果量は、介入後がd=1.03、12か月後がd=0.57だった。これは差を標準化した値で、活動時間がその倍率になったという意味ではない。試験では調べた認知的変数の多くに変化があった一方、自己一致は介入によって変化しなかった。それでも、自己一致と意図の強さは開始期と維持期の両方で行動変化を予測した。[2]

ここには矛盾があるように見えるが、問うていることが違う。予測因子とは、後の行動と関係していた特徴である。介入で変わる要因とは、その支援を受けたことによって変化した特徴である。この試験では、行動を見通す手がかりと支援によって変わった要因が一致しなかった。この試験の活動量の改善を、自己一致の向上によるものと説明することはできない。[2]

臨床以外の場でも似た結果がある。129人を対象とした無作為化比較試験では、本人の動機や目標へのフィードバック、複数の運動の体験、支援者との整理を組み合わせ、後から電話で補強する相談支援を行った。対照群は書面の情報を受け取った。支援群では週の運動量などが改善したが、自己一致には影響がなかった。[3]

この結果を「理由は関係ない」と読むのも早い。試験では複数の内容をまとめて提供しており、運動体験だけ、会話だけの効果を切り分けた比較ではない。本人に合う活動を探す支援が行動につながる可能性と、納得感の尺度は変わらなかったという結果を、一緒に示した試験である。[3]

数字で読む運動の理由と行動

134人:意図の強さと自己一致を、肥満のある人で追った縦断研究の対象者数である。[12]

202人:心理的な集団介入と通常ケアを比較した、冠動脈疾患患者の試験の対象者数である。[2]

d=0.57:その試験の12か月後の身体活動に対する標準化された群間効果量であり、自己一致の変化量ではない。[2]

129人:運動体験と振り返りを含む相談支援を検証し、活動量は改善したが自己一致は変わらなかった試験の対象者数である。[3]

24研究:いつ、どこで動くかを計画する方法について、効果を左右する条件を調べた系統的レビューに含まれた研究数である。[5]

初日の汗は、予約した人だけが持ち帰れる。

体験レッスンを予約体験専用 03-6665-0898LINE

💬 ご質問がある場合はこちらからどうぞ

オンザショアのチャットで質問する(24時間受付)

レッスン内容・料金・体験のご予約など、気になることをお気軽にお尋ねください。

1

2

Warning: Attempt to read property "show_author" on false in /home/c1531448/public_html/ontheshore.jp/wp-content/themes/heal_tcd077/single.php on line 165

関連記事

ご体験予約